3PEAKS

新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

沼尻登山口から「安達太良山」へ(船明神山、鉄山周回)

安達太良山(あだたらやま)

・標高:1,700m

・所在地:福島県福島市、二本松市、郡山市、安達郡大玉村、耶麻郡猪苗代町

・日本百名山、新日本百名山、花の百名山、うつくしま百名山

・「沼ノ平」の爆裂火口は大迫力

・「硫黄川」で野湯を楽しむ人もいる

 

8月下旬に「安達太良山」に登ってきた時の記録です。

「安達太良山」は過去に何度も登っているのですが、いつも二本松市の「あだたら高原スキー場」(奥岳登山口)を起点としたコースでした。

今回は耶麻郡猪苗代町の「沼尻温泉」から登って沼ノ平をぐるっと周回するコースを歩いてきました。安達太良山の裏側の景色を眺めながら歩き、下山の途中で野湯(沼尻元湯)をちょっとだけ楽しんできました。

 

※安達太良山は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)

 

▼ロープウェイを使った安達太良山登山はこちら▼

 

 

駐車場情報

「沼尻登山口駐車場」です。駐車場は結構広く、最大で約50台駐車可能とのことです。登山道中にトイレは無いので、事前に麓で済ませてから向かいましょう。

※ここに至る道(田村屋旅館脇~登山口駐車場)は舗装されておらず、所々深い溝があるなど荒れています。タイヤがハマって身動き取れなくなることもあるらしいので注意して通りましょう。

 

この日のコース

駐車場 ⇒ 分岐 ⇒ 障子ヶ岩 ⇒ 船明神山 ⇒ 分岐 ⇒ 安達太良山

 ⇒ 分岐 ⇒ 鉄山 ⇒ 鉄山避難小屋 ⇒ 石楠花の塔 ⇒ 胎内岩 ⇒ 硫黄川 ⇒ 分岐 ⇒ 駐車場

 

往復(周回)距離:11.5km 累積標高差:(上り)910m (下り)910m

標準コースタイムは、上り3時間00分、下り3時間10分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

 

 

駐車場 ⇒ 障子ヶ岩 ⇒ 船明神山

以前は通れたという「白糸の滝」方面への道は柵が設置され通行止め。

 

こちらの登山口からスタート。おっかない顔のクマ出没注意の看板が立っていますが、前月にクマによる人的被害があったばかり。クマ鈴を着用してスタート。会話の声も大きめで歩きます!(笑)

登山ポストもあるので登山届を提出していきましょう。

 

序盤は歩きやすい道を登って行きます。

 

途中に展望台が2か所ありました。

展望台からはちょっと遠目ですが「白糸の滝」が見えます。温泉の滝ということで、寒くなると上部に湯気が見えるそうです。

 

樹林帯をつづら折りに登って行くと、少し視界が開けます。「障子ヶ岩」方面のこんもりした峰が見えてきます。地図によっては「沼尻山」という表記もあります。

 

途中に分岐がありました。左へ下って行くと「硫黄川」と沼尻元湯があります。今回は反時計回りだったので右手の「障子ヶ岩」方面へ進みました。

 

樹林帯の急坂が始まります。

 

急斜面&高い段差の道が続きます。路面も滑りやすかったので、下っている人は大変そうでした。

 

樹林帯を抜けると景色が一変。爆裂火口の沼ノ平、周辺を囲うようにそびえる安達太良山が見えて気分が上がります。

 

「障子ヶ岩」の岸壁。奥には吾妻連峰。

 

「安達太良山」山頂の通称”乳首”もはっきり見えてきました。

 

途中に池がありました。標識も無いし、色んな地図を見ても名前が出てきません。名も無き池?

 

「船明神山」のごつい岩場。普通の船というより艦船のような迫力です。あんな岩山どうやって登るの…

 

と思っていたら、途中で南側から巻いて行くようです。

 

そして横まで回り込んで巨岩の隙間を登って行きます。少しだけよじ登るような箇所もあります。

 

祠がありました。ここが「船明神山」の山頂のようですが、地図上の山頂はこの先にあるようです。

 

祠を越えたら分岐と山頂が見えてきました。

 

「船明神山」山頂手前の分岐。その奥が「船明神山」の山頂。

 

気象庁の火山観測局。近寄ったり触ったりしないでねと書いてありました。

 

「船明神山」の山頂標識は見当たりませんでした。大体ここら辺が最高地点(標高1,667m)かなと思うところに立って勝手に満足。

 

 

 

船明神山 ⇒ 安達太良山 ⇒ 鉄山

先ほどの分岐に戻り、「安達太良山」へ向かいます。火口を眺めながらその縁を歩いて行きます。”牛ノ背”から眺めるのとはまた違った迫力があります。歩いている人が少ないので、自分達だけでこの広大な景色を独占しているような気分。

 

”牛ノ背”の分岐で右に折れて「安達太良山」の山頂へ向かいます。

 

”牛ノ背”の分岐に到着。ここまで来ると人が多いですね。

 

「安達太良山」山頂はちょっと寄り道気味になるのですが、せっかくなので行きました。

 

面倒だったので自分は”乳首”には登らず、ここで友人が下りて来るまで一服(笑)

 

横に見える雲がかっているのが「和尚山(おしょうやま)」かな?

 

雲が多めでしたが、終始青空が広がっていました。気温は高かったですが、山頂周辺まで来ると良い風が吹いていて気持ち良かったです。

 

友人が下りてきたので、先ほどの分岐まで戻って「鉄山」を目指します。

 

”牛の背”からの爆裂火口。超広角で撮らないと収まりきらない。

 

「矢筈森(やはずがもり)」手前で左に折れて「鉄山」へ。こちらは”馬の背”らしいです。

 

”馬の背”からの爆裂火口。奥には「磐梯山」もチラリ。

 

「鉄山」へ取り付きます。あんな岩山どうやって登るのパート2。

 

近づいてきましたが、ますます強くなる登れるのか?という疑問。

 

道なりに進んで行くと分かりましたが、どうやら「鉄山」も巻いて登れるようです。

 

登り切った地点から南側へ、方角的に戻る感じ。

 

「鉄山」山頂に到着。標高1,709mです。「安達太良山」(標高1,700m)よりも高いんですね。岩ゴロゴロの山頂かと思っていたら、意外とのどかな山頂でした。

 

「鉄山」から眺める爆裂火口。

 

「鉄山」にも火山観測の設備がありました。次は奥の稜線上に見える避難小屋へ行きます。

 

のんびりした坂を下って避難小屋へ。

 

「鉄山避難小屋」に到着。この日は気温が高くて、小屋内も暑かったです。風が吹いていて外の方が気持ち良かったので、小屋前で岩に腰掛けてお昼ご飯タイム。

今回は行きませんでしたが、左奥に見えるのが「箕輪山」。小屋の裏手から箕輪山への縦走路が伸びています。「箕輪山」は安達太良連峰で最高峰の1,728 mです。

 

 

 

 

鉄山 ⇒ 硫黄川 ⇒ 駐車場

ご飯も食べたので下山再開します。避難小屋から下方は、登山道が隠れるほどハイマツ等が生い茂っていました。こんな道が続いたら嫌だな~と思いましたが、すぐに終わりました。

 

しばらく進むと「石楠花(しゃくなげ)の塔」がありました。

 

1958年に自衛隊機の墜落事故があり、亡くなられた2名の自衛隊員を弔うために作られた供養塔とのことです。その事故機のプロペラが塔になっています。

 

「石楠花の塔」から下方は登山道が分かりにくいので、ルートから外れないように注意しましょう。

 

時々アップダウンもありました。岩に描かれた見たことの無い形のペンキマーク、何かのロゴに似ているような。

 

裏側から眺める爆裂火口。

 

「硫黄川」の流域が見えてきました。「磐梯山」もよく見えます。

 

「胎内岩」

 

迫力ある岩壁が続きます。ついつい崖縁まで寄りたくなりますが、危険なのでほどほどに。

 

”胎内岩くぐり”のポイント。上から越えることもできなくはないですが、くぐった方が安全。

 

くぐり終えた所から振り返って撮った写真。なかなか狭かったので、大柄な人はバックパックを降ろして通った方がよいかも。

ロープがあったので「これ使えば上から越えるの楽じゃね?」と思いましたが、細い木の枝に結ばれていただけなので逆に危ない(笑)

 

その後も巨岩の隙間を縫うように下りて行きます。

 

「胎内岩」から下りて来ると「硫黄川」までもうすぐ。

 

細くて滑りやすそうなトラバース道があったので、注意して渡りました。

 

透き通った水が流れていました。温泉かな?と思って触ったら冷たかったです。

 

立入規制の看板がありました。「沼ノ平」は有毒ガスのため立入禁止です。規制エリア外でも絶対に安全とは言えません。少しでも異常を感じたら身を守る行動をすぐとれるように注意しましょう。

 

「硫黄川」沿いを歩いて下ります。

 

建物が見えてきました。

 

この建物は作業小屋のようです。現在は使われていない感じでした。

その先にも立入禁止の看板。

 

「白糸の滝」方面のルートも現在は通行禁止になっているので、ここで硫黄川を渡って対岸へ。硫黄川はここで既に温かいです。

 

何だか色々と荒れている感じですが、温泉パイプは現在も使われているのでしょうか?

 

硫黄川には沼尻元湯に山からの沢水が入り込み、温めの温泉という感じでした。友人は水着に着替えて野湯を楽しんでいました。

通行禁止になっていたので行きませんでしたが、もうちょっと下方に行くと熱めのポイントもあるのだとか。

 

自分は暑かったので”足湯”ならぬ”足水”。山から流れてくる冷たい沢水に足を浸してクールダウンしました。これはこれでとても気持ち良かったです。

 

しばらく野湯と足水を楽しんだので、下山再開します。下山というか、最初の分岐に戻るためにここから上の尾根へ登るのですが...

 

刈払いされた後だったようですが、けっこう鬱蒼とした草木の間を登って行きます。

 

ある程度登ってきた所から見下ろすと、先ほどの硫黄川と小屋が見えました。なかなか壮観です。

 

最初の分岐に到着。

 

あとはひたすら樹林帯を下って行くだけ。

 

無事、駐車場に着きました。おしまい。

 

沼尻から周回コースの感想

今回初めて沼尻登山口から登りましたが、想像していたよりも景色が良く、岩場や野湯など色々と楽しめる周回ルートでした。樹林帯の箇所は急登が多く眺望も楽しめないですが、それを抜けてしまえばなだらかな道が多く、荒涼とした安達太良山の地形を楽しみながら歩くことができます。

なお、今回通ったルート上にはトイレが無いので、不安な人は携帯トイレ持参で登りましょう。また、「鉄山避難小屋」以外は雨風をしのげる場所が無いので、天候不良の日は避けた方が良いと思います。

それと、安達太良山は有毒ガスで立入禁止になっているエリアが多く存在するので、注意書き等をよく確認して決して立ち入らないようにしましょう。規制がかかっていないポイントでも危険が全く無いとは言えないので、少しでも異変を感じたらなるべく安全そうな場所まで直ぐに移動するようにしましょう。

 

 

▼ロープウェイを使った安達太良山登山はこちら▼

 

下山後に立ち寄った温泉

「沼尻温泉 田村屋旅館」は昭和の雰囲気漂う歴史ある温泉旅館で、日帰り入浴も対応しています。駐車場から車で下ってきて最初にある温泉旅館なので、多くの人はここを利用するのではないでしょうか。露天風呂が気持ち良かったです。

 

この日使用した主な道具

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。

 

ハッカ油スプレー

虫よけに使用します。塗ると気化熱で清涼感があるので、暑い日の必需品になっています。なお、顔へ直接スプレーすると目に入って痛い思いをするので、手にとってから塗ると良いでしょう。

 

井村屋 チョコえいようかん

時間が無いときに簡単にカロリー補給できるミニようかんのチョコ味。水が無くても食べられます(あった方が良いですが)。最長5年間保存可能なので、災害備蓄品としてもおススメです。