磐梯山(ばんだいさん)
・標高:1,816m
・所在地:福島県猪苗代町、磐梯町、北塩原村
・日本百名山、花の百名山
・南側は表磐梯、北側は裏磐梯と言われ、山容が大きく異なる
・山頂手前の弘法清水には、営業小屋が2つある
・例年登山適期は5月~10月
「磐梯山」は南側から見た山容が富士山のように見えることから、”会津富士”と呼ばれるそうです。逆に、北側は荒々しい噴火口跡を見ることができ、一つの山で大きく異なる表情を見せる山です。
磐梯山の登山ルートはいくつかありますが、この日は「猪苗代登山口(表登山口)」から「赤埴山」を経由して登ってきました。
※磐梯山は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
▼他の登山口からの記事はこちら▼
駐車場情報
「猪苗代スキー場」の駐車場を利用させていただきました。到着時、センターハウス前には既に30台位駐車されていました。センターハウスには飲料の自動販売機もあります。トイレは道路を挟んで向かいの駐車場にあるそうですが、リサーチしていなかったので事前にコンビニで済ませて行きました(磐梯山はトイレが無いのでご注意!)。
それと、到着してから看板を見て知ったのですが、今年(2021年)の8月1日から9月20日まで試験的に登山リフトが運行されていたようです。2022年以降は運行されますかね~?
この日のコース
猪苗代スキー場駐車場 ⇒ (ゲレンデ) ⇒ 赤埴山 ⇒ 沼ノ平 ⇒ 弘法清水 ⇒ 磐梯山山頂 ⇒ 弘法清水 ⇒ 沼ノ平 ⇒ 赤埴山(巻き道) ⇒ (ゲレンデ) ⇒ 猪苗代スキー場駐車場
往復距離:11.8km 累積標高差:(上り)1,210m(下り)1,210m
標準コースタイムは、往路3時間30分、復路2時間40分です。
※往復距離と累積標高差は概測
駐車場 ⇒ 赤埴山山頂
駐車場から猪苗代スキー場のゲレンデを登って行きます。既に磐梯山の山頂が見えています。
序盤はこのような砂利道(作業路)を登って行きます。
この砂利道歩きがまた長い!それと、スキー場のゲレンデを登るコースなのでなかなかの勾配。滑り降りるのはあっという間ですが、自分の足で登るとほんと時間がかかります。
その後、砂利道登りを終え、草に覆われたゲレンデを登って行きます。
あーリフトで上がりたい。
長いゲレンデ歩きを終え振り返ったところ。ここまで標準コースタイムで1時間です。猪苗代湖の大きさがよく分かります。
つかの間のなだらかな道を歩きます。
この木が立ち並ぶポイントの裏に登山道があります。
地図が無いとけっこう分かりにくいかもしれません。
ようやく登山道っぽくなりました。やっぱりゲレンデ歩きより楽しいです。
「天の庭」というポイント。この日はとても良い天気。
「天の庭」から先はしばらく緩やかな道になります。
徐々に大きな岩が増えてきます。
振り返ると良い景色。
磐梯山山頂もはっきりと見えてきます。
途中で分岐があり、左へ進むと「赤埴山」を巻いて「磐梯山」山頂方面へ進めます。「赤埴山」へ登る場合は右へ。
右へ進み「赤埴山」山頂を目指します。
赤土のザレ場を登って行きます。火山活動で噴出した鉄分が酸化して赤土や赤い岩が多いのだそう。
猪苗代湖がよく見えて広々とした気持ちの良い場所があります。
そこから少し登った先に「赤埴山(あかはにやま)」の山頂があります。標高1,430mです。
「二合目赤埴山」と刻まれた石がありました。磐梯山は弘法清水で四合目、山頂で五合目らしいです。
「磐梯山」と「櫛ヶ峰」がドーンとよく見えます。両方一緒にこれだけ良い角度で見られるのは「赤埴山」山頂だからこそという感じですね。
赤埴山山頂 ⇒ 磐梯山山頂
それでは「赤埴山」から少し下って「沼ノ平」を経由し、「磐梯山」山頂を目指します。
「赤埴山」直下は少し急でしたが、岩がちょうど良い足場になって下りやすかったです。巻き道との合流地点まで来ると道がかなりなだらかになります。
緩やかな道が続き気持ちいい。
途中、磐梯山山頂への最短コースと言われる「赤埴林道口」からの道と合流します。休憩中にお話しした地元のベテランさん曰く「赤埴林道は登山コース的には最も楽だけど、登山口までの車道が荒れていて長いから運転で疲れるかも」とのことです。
徐々に硫黄の香りがしてきます。
沼ノ平湿原。
なだらかな道をテクテク歩いて行くと、「渋谷登山口」からのコースと合流します。
火山性ガスに関する注意書きがありました。「登山道から外れず、異常を感じたら安全な場所に避難してね」という内容です。
沼ノ平のゆるやかな道も終わり、「磐梯山」と「櫛ヶ峰」間の稜線へ上がって行きます。
稜線上に出ました。「櫛ヶ峰」がかっこいい。ここで「川上登山口」コースと合流。
ようやく裏磐梯の景色が眺められます。手前には銅沼、遠くに桧原湖が見えます。
ここら辺は眺めも良く広々としているので良い休憩ポイントです。
裏磐梯の荒々しい山容を眺めながら登って行きます。真ん中の尖っている岩は「天狗岩」。
「黄金清水」という水場があります。
弘法清水の手前で分岐があります。右へ進むと「八方台」や「裏磐梯」コース。
「弘法清水」に到着。磐梯山はここが四合目(実質的には九合目?)。
小屋は2軒とも今年の営業を終了していました。そして人が少ない!ゴールドラインが閉鎖されると八方台登山口から登る人がいなくなるので一気に人が少なくなります。
ここで景色を眺めながらご飯休憩。
それでは山頂へ。
夏場は必ずここで水分補給する「弘法清水」ですが、さすがに寒い時季は水分消費が少ないので手を洗っただけ。
ここから山頂まで標準コースタイムで30分位。
途中まではいつもどおり登って行きました。
ところが途中から雪(というより氷)が増えてきてツルツル滑って登りにくい!
ツボ足で下って行く人たちには滑って転んでいる人も何人かいました。もうこの時季はせめてチェーンスパイクを持って行かないと危険ですね。
弘法清水からいつもより1.5倍の時間をかけて山頂に到着。
磐梯山山頂(標高1,816 m)に到着。いつもより登山者が少ないと言っても山頂付近には10人位の人がいました。山頂からの景色は360°見渡せてとても眺望が良いです(晴れていれば)。
ちなみに磐梯山は山頂が五合目ということですが、これには諸説あるそうです。富士山の約半分だからという説や、噴火で五合目より上が吹き飛んだ等などあります。個人的には、吹き飛んだ説は無いと思っています(笑)
磐梯山山頂 ⇒ 駐車場
山頂の「岡部小屋」とその横に山頂標識。この小屋が営業している所は未だ見たことがありません。
「櫛ヶ峰」や「沼ノ平」が見えます。霞んで見えにくいですが、奥の方には「吾妻連峰」や「安達太良山」も見えます。
標識の方には「翁島登山口」コースがあります。それにしても猪苗代湖大きいですね~。
それでは下山します。念のため凍結路が無くなるまでチェーンスパイクを装着。それでもちょっと滑る箇所もありました。
「弘法清水」に戻ってきました。途中で外していたチェーンスパイクをバックパックにしまって下山します。
「櫛ヶ峰」とその周辺の荒々しい景色が好きです。日本じゃないみたい。
分岐を猪苗代登山口方面へ。
ちょっと小腹が空いたのでお菓子タイム。この日の行動食は「ミロ」のチョコレート。
下山はほとんど登りがないのと、歩きやすい道が多いのでどんどん進みます。沼ノ平はほぼフラットなのでついついスピードが上がります。
「赤埴山」の分岐。下山は巻き道で帰りました。
赤埴山の巻き道は緩やかでとても楽でした。
「天の庭」。残り1.8km。
スキー場のゲレンデまで戻ってきました。復路は往路と異なるルートで下山(直滑降)。土の面を歩くと滑りやすかったので、草の面を歩いて下りました。
途中でまた砂利道(作業路)へ。
あとはひたすらテクテク下っていきます。
駐車場に戻ってきました。明るい内に下山できて良かったです。
帰宅前にお腹が空いたので、道の駅で「ソースかつ丼」を食べて帰りました。おしまい。
磐梯山の感想
「磐梯山」に猪苗代登山口(表登山口)から登ったルートですが、距離や累積標高差がそこそこあるので初心者向きではないと思います。でも、特に危険箇所は無いので体力のある人であれば初心者でも十分に登れるでしょう。
難点はスキー場のゲレンデ区間が長いことでしょうか。それを除けば景色もよく歩きやすい道が多いので、おススメのコースです。特に「赤埴山」は天気が良ければ巻き道ではなく、ぜひ山頂を経由してみてください。
下山後に立ち寄った温泉
「休暇村 裏磐梯」
迷ったときは「休暇村」(笑)日帰り入浴800円です(2021年時点)。
この日使用した主な道具
Unigear 18本爪 チェーンスパイク
チェーンスパイクは軽量でコンパクトに収納でき、脱着もとても簡単です。しかも安価です。冬は念のためバックパックに入れて行くと良いです。
THE NORTH FACE ベンチャージャケット
春や秋に持って行きやすい薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。