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残雪期の「月山」へ(月山スキー場から)

月山(がっさん)

・標高:1,984m

・所在地:山形県鶴岡市、東田川郡、最上郡、西村山郡

・日本百名山、花の百名山

・山頂付近には月山神社があり、白衣の修験者も多く登る

・遅い時季まで雪が残るため、夏期の登山適期は6月下旬~9月下旬

 

「月山」は山形県の中央部に位置する独立峰で「日本百名山」です。羽黒山、湯殿山とあわせて「出羽三山」と呼ばれています。夏期には高山植物の花が咲き誇り、「花の百名山」としても人気です。

以前は夏期に登った記録をご紹介しましたが、今回は残雪期です。春にならないとオープンしない「月山スキー場」。オープンしてリフトに乗れるようになったので行ってきました。

 

 

 駐車場情報

「姥沢駐車場」に車を停めます。300台駐車可能とのことです。駐車場に入る際に協力金(環境整備等に使用される)を支払います。

 

公共交通機関を利用する場合は 月山スキー場のWebサイトをご参照ください。 

 

この日のコース

駐車場 ⇒ リフト下駅~(リフト)~リフト上駅 ⇒ 姥ヶ岳 ⇒ 月山山頂 ⇒ リフト上駅~リフト下駅 ⇒ 駐車場

 

往復(周回)距離:8.5km 累積標高差:(上り)660m(下り)1,000m

標準コースタイムは、往路2時間15分、復路2時間00分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

※リフトを利用した分の標高差と距離、時間は含まれていません

 

 

駐車場 ⇒ 姥ヶ岳

駐車場で準備を済ませ、道路を挟んで向かいにあるトイレで用を済ませます。トイレの横から眺めた景色が既に絶景。

 

夏期は道路をてくてく歩いてスタートしますが、雪が多い時期は駐車場横の雪壁を乗り越えてちょっとだけ近道することができます。

 

このリフト駅まで上る坂が微妙にきついとのもっぱらの評判(笑)

 

リフト1回券(大人600円/2022年時点)を購入してリフトに乗ります。

 

お子さん連れで春スキーを楽しんでいる光景。自分が子どもの頃は4月にはスキー道具はとっくに倉庫にしまっていたなぁ。

 

リフトから降りて、アイゼンを装着するなど登る準備を整えます。スキーやボードの人がほとんどで、登山の人は1割ぐらいでした。

 

まずは「姥ヶ岳」を目指します。ここで標高1,500mちょいですが、森林限界を超えているので低い樹木しか育ちません。この時期はそれらも雪の下なので、序盤から広大な雪面が広がっています。

 

途中まで登って振り返ったところ。リフトから降りた後は、そのままスキー場を滑り降りる人、姥ヶ岳を経由せず月山山頂を目指す人、自分たちのようにまず姥ヶ岳を目指す人など分かれます。

 

夏期は木道階段をくねくね登って行きますが、この時期は道が決められていないので直登していきます。雪が融けると様々な高山植物が咲き誇ります。

 

序盤からヒーヒー言いながら登って行きます。

 

「姥ヶ岳」山頂(標高1,670m)に到着。

 

お隣の「湯殿山」は大きなクラックが多数入っていました。

 

姥ヶ岳山頂の湿原には着氷した植物がキラキラ。奥に見えるのは月山山頂。

 

 

姥ヶ岳 ⇒ 月山山頂

姥ヶ岳を後にし、月山山頂を目指します。

 

違うルートで登っていた人たちが集約されてどんどん人が増えてきます。

 

所々パックリとクラックがあるのでなるべく近づかないように歩きます。

 

広大な雪面上の点々は人です。ご飯の上にかけたゴマより小さい(笑)

 

スキーヤーはつづら折りに登っている人が多かったです。

 

徐々に勾配がきつくなってきました。

 

途中まで直登して行きましたが、後半の勾配がなかなかキツい!(笑)

 

ようやく鍛冶小屋跡まで辿り着きました。台座の上のお地蔵さんがいなくなっていました。どこいったのかなー。

 

雪の時期は取り外されるのでしょうか、鍛冶稲荷神社の小さな鳥居もありませんでした。

 

岩が露出している箇所が増えてきたのと、ここから山頂まで傾斜が緩やかになるので、ここで一旦アイゼンを外しました。

 

月山頂上小屋と月山神社が見えてきました。小屋の営業期間は7月~9月中旬までなので、この時期は当然閉まっています。というか半分以上雪で埋まってます。

 

月山神社本宮も。こちらはもっと短く、7月と8月のみとのこと。

 

神社のもうちょっと先にある月山山頂標識に到着。標高1,984mです。そしてその奥に見える冠雪した山は「鳥海山」。今年は久々に鳥海山も登りたいなぁ。

 

 

月山山頂 ⇒ 駐車場

羽黒山口(弥陀ヶ原)コース方面もまるでスキー場のような雪面。

登っている時は暑かったのに、山頂付近は風が冷くて寒くなってきました。ちょっと落ち着ける場所まで下ります。

 

絶景絶景。

 

朝日連峰と、奥に薄らと飯豊連峰。この景色を眺めながら昼食タイム。

 

昼食をサクッと済ませ、再びアイゼンをつけて下山開始。この広大な斜面を所々ヒップソリで下って行きました。ただし、クラックに注意しながら安全そうなポイントを選んで滑ります。

 

緩やかな斜面はもちろん歩きます。

 

滑った跡。

 

姥ヶ岳の下まで戻ってきました。というか調子に乗って下り過ぎました...

登り返しの途中にあったクラック。ロープが張られて立ち入り禁止になっていましたが、その外側まで広がっていました。

 

リフト上駅まで戻ってきました。右側の沢沿いのコース(月山スキー場のゲレンデ)を下ります。スキーやボードの人の邪魔にならないよう、端っこを歩いて下山しましょう。なお、この時期はリフトに乗って下山できないのでご注意ください。

 

さよなら月山。またグリーンシーズンに来たいな。

 

帰りは駐車場までのんびり下山しました。おしまい。

 

 

残雪期の月山の感想

月山スキー場で、今シーズンの営業が始まってすぐに不幸な事故が起きました。そのため、普段以上に雪の状態に気をつけながら行動しました。

グリーンシーズンの月山も良いですが、雪のある月山もとても素晴らしい景色が広がっていました。写真等で見ていたのである程度予備知識はありましたが、実際に歩いてみるとこれだけ広大な雪原なのかと驚きました。これは毎年行きたくなりますね。

なお、今年は例年以上に雪解けが早そうなので、計画されている方はお早目に!そして安全に!

 

 

下山後に立ち寄った温泉

志津温泉郷にある「つたや」さんの日帰り温泉を利用しました。あまり広くない浴場ですが、とても雰囲気の良い温泉でした。露天風呂から眺める景色も良かったです。混雑期は日帰り利用できないこともあるのでご注意ください。

 

この日持って行った主な道具

ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)

ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。

 

前後にコバの無いブーツの場合はこちら。

 

ブラックダイヤモンド(Black Diamond) アルパインゲイター

生地がしっかりしていて、少しぐらいアイゼンの爪が擦れても破れません。ベルクロだけでなくジッパーが付いているので、雪や水の侵入をしっかり防ぎます。ベルトの調節もしやすいです。

 

MAGIC MOUNTAIN 登山用 アルミわかん ラッセル2

シンプルなアルミフレームのワカンです。ワカンはスノーシュー程浮力はありませんが、軽量なのと小回りが利くので、急坂や細道の多い雪山登山に適しています。

 

SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック

作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。

 

サーモス 山専用ステンレスボトル900ml

暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。