越後白山(えちごはくさん)
・標高:1,012m
・所在地:新潟県五泉市、加茂市
・全国の白山十峰の一つ
・山頂近くに2階建ての避難小屋がある
・例年12月~3月は積雪期
「越後白山」は新潟県五泉市と加茂市の境界線上にある山です。「加賀白山」などと区別するために「越後白山」と呼ばれていますが、地元では”越後”は付けずに単に「白山」と呼ばれます。
ここは川内山塊の一つで梅雨~残暑期にかけて山ビルが出現するため、私は涼しい(寒い)時期にならないと登りに行きません。山頂近くには立派な2階建ての避難小屋があるので、積雪期でも割と人気な山です。
1月中旬ですが、暖冬で雪が少ない越後白山に登ってきました。
駐車場情報
五泉市の「黄金の里会館」前の駐車場を利用しました。広めの無料駐車場で50台ぐらいは駐車できます。トイレもありますが、冬期間は閉鎖されているので、事前に済ませて行きましょう。
「黄金の里会館」では飲食ができます。お蕎麦や麦きりが美味しいです。秋には囲炉裏で焼いた鮎の塩焼きなんかも食べられます。なお、冬期間(12~3月)は休業です。
この日のコース
駐車場 ⇒ 慈光寺 ⇒ (尾根線) ⇒ 避難小屋 ⇒ 白山山頂 ⇒ (田村線) ⇒ 慈光寺 ⇒ 駐車場
往復(周回)距離:8.2km
累積標高差:(上り/下り)970m/970m
標準コースタイム(夏期)は、上り2時間30分、下り1時間40分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※積雪時は夏期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう
駐車場~(尾根線)~5合目
駐車場奥の橋を渡ってスタート。左手に見える小さな建物はトイレですが、冬期間閉鎖のためこの日は使用できず。
新潟県の天然記念物に指定されている「慈光寺の杉並木」を歩いて行きます。樹齢500年を超えるものもあるそうです。
不動堂前には沢山のお地蔵さんが並んでいます。
それにしても雪が全然無い...
室町時代に開山されたという慈光寺。境内には「天狗の清水」と言われる白山水が湧き出ています。
ここに書かれている「白山神社」とは、新潟県を代表する神社の一つです。場所はここから少し離れていて、新潟市中央区にあります。
白山神社の御祭神、菊理媛大神(白山大神)は別名を、白山比咩(しらやまひめ)大神と言い、加賀の霊峰白山頂上に祀られている女神さまで、 この神様を勧請して新潟の地に祀ったものです。菊理媛大神(くくりひめのおおかみ)は農業の神、海上の神、そして国家、 郷土の守り神として広く人々より尊崇されていました。
▼加賀の霊峰「白山」に登った記事はこちら▼
「越後白山」~「粟ヶ岳」間を縦走する人もいます。うーん、疲れそう(笑)
ここで真っ直ぐ進むと「尾根線」に入ります。左へ進むと「田村線」です。
「尾根線」へ進みました。ここの分岐の標識は低いので雪が積もると見えなくなることもあります。
沢沿いの平坦な道をテクテク歩いて行きます。
1合目の標識。ここから上り坂が始まります。
いきなり急登が続きます。3合目までは急登が多いので、のんびり登りましょう。
「尾根線」の名の通り、細尾根を登って行きます。
ところどころ大きな段差で登りづらい箇所もあります。
3合目に到着。ここに祀られている「白山明神」が山名の由来だそうです。広目のスペースがあるので、急登で疲れた体を少し休めましょう。
3合目から先はしばらくなだらかな道が続きます。
やっぱりなだらかな道はいいですね~。
徐々に雪が増えてきました。
5合目に到着。
5合目~白山山頂
奥の方に山頂が見えました。
7合目を過ぎた辺りで少し視界が開けます。
木の高い位置にテープが巻いてあります。今年は雪がそれだけ少ないということですね。
8合目辺りで雪が深くなってきて急坂だとズルズル滑ります。2歩進んで1歩下がるみたいな状態が続くと、さすがに疲れてきます(笑) でもアイゼンつけるのが面倒なのでツボ足のまま進みました。
9合目過ぎ。ここら辺はなだらかで快適。
視界も片側が開けて良い景色です。
終盤に枝をかき分けながら進む箇所もあったりして、
避難小屋に到着!2階建てのしっかりした避難小屋です。真冬は積雪が多いので2階から出入りすることが例年なのですが、今年は雪が少なく1階から入れました。
避難小屋はきれいに管理されています。2階も合わせるとけっこうな人数が入れます。
小屋の横に分岐があり、山頂方面と「宝蔵山」への縦走路に分かれます。山頂方面へ進みました。
避難小屋から山頂はほぼ平行移動ですぐに着きます。
「越後白山」山頂(標高1,012m)に到着!
山頂標識もかろうじて顔を覗かせていました(笑)
山頂で景色を眺めながらブランチ。
白山山頂~(田村線)~駐車場
下山は「田村線」から。「尾根線」と比べて通る人が少ないです。
しばらく枝をかき分けたり、匍匐前進で進んだりする箇所がありました(笑)
枝の攻撃箇所が終わり、川内山塊の山々を眺めながら快適に下山して行きます。
田村線7合目には「天狗の腰掛け」と呼ばれるブナの大木があります。
雪山の登りはきついですが、下りは楽ですね。もちろん危険箇所は例外ですが、サクサク下りて行けるし、転んでも痛くないし汚れないので楽しいです。
サクサク5合目まで下りてきました。
5合目から下は滑りやすい箇所が多いので、下山時は特に注意です。
だんだん雪が無くなってきて、ついに土の道になってしまいました。濡れた土と落ち葉の道が続いてペースダウン。
送電の鉄塔が見えてきました。
鉄塔の下はこんな感じに開けています。暖かい季節ではここで休憩している人もよく見かけます。
1合目。「天狗堂」が見えてきました。
「天狗堂」からは石の階段を下りて行きます。
慈光寺の裏手に出ます。
「田村線」から登る場合は、この天狗の面がついた鳥居をくぐってスタートします。
最初の分岐点に戻ります。
あとはなだらかな杉並木の道をテクテク歩いて駐車場へ。
「黄金の里会館」裏手の沢で泥を落として帰りました。おしまい。
※滑りやすいので、沢に落ちないように気をつけましょう(過去に落ちた人より)
越後白山の感想
越後白山はそれほど危険箇所もなく、歩きやすい山です。ちょっと序盤の急登で心が折れそうになりますが、夏期なら時間をかけてゆっくり登れば初心者でも登頂できると思います。
雪のある時期は、雪山初心者の練習としてもおススメです。避難小屋で寒さを避けて休憩できるのも魅力です。
この日はちょっと曇り気味でしたが、晴天の日ならもっと素敵な景色を眺められます!
下山後に立ち寄る温泉
五泉市の山に登る時はたいてい「さくらんど温泉」に寄ります。ご飯も食べられます。
この日使用した主な道具
ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)
ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。
前後にコバの無いブーツの場合はこちら。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) アルパインゲイター
生地がしっかりしていて、少しぐらいアイゼンの爪が擦れても破れません。ベルクロだけでなくジッパーが付いているので、雪や水の侵入をしっかり防ぎます。ベルトの調節もしやすいです。
MAGIC MOUNTAIN 登山用 アルミわかん ラッセル2
この日は使用しませんでしたが、ワカンも一応持っていきました。シンプルなアルミフレームのワカンです。ワカンはスノーシュー程浮力はありませんが、軽量なのと小回りが利くので、急坂や細道の多い雪山登山に適しています。
SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック
作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。
サーモス 山専用ステンレスボトル900ml
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。