飯縄山・飯綱山(いいづなやま)
・標高:1,917m
・所在地:長野県長野市、上水内郡飯綱町・信濃町
・飯縄山、霊仙寺山、瑪瑙(めのお)山を含めて「飯綱山」と呼ぶこともある
・山頂標高は1,917mあるが、累積標高差は800m程で初心者でも比較的登りやすい
・登山適期は例年5月~11月中旬
冬になると曇天の日が多い新潟。青空を求めて隣県にお邪魔することが多くなります。ここ長野市に位置する「飯縄山(飯綱山)」は”北信五岳”の一つで、新潟県に近く、厳冬期でも比較的登りやすい山として新潟の登山者にも人気の山です。山頂からの眺めもとても良いので、個人的に大好きな山の一つです。
この日は久々に平日休みがとれたので、「飯縄山」に登って、下山後に「善光寺」へ参拝してきました。
▼夏期の飯縄山の記事はこちら▼
この日の山行記録
駐車場情報
最もメジャーな”南登山道”をピストンするルート。長野市上ヶ屋に広い駐車場があります。トイレと飲料の自動販売機もあります。
※冬期は除雪の影響で駐車できる台数が減ります。
【公共交通機関を利用する場合】
ちなみにすぐ近くにバス停もあるので、公共交通機関を利用して登る人も多いようです。長野駅から「アルピコ交通」の戸隠線で行けます。
この日のコース(ピストン)
駐車場 ⇒ 登山口 ⇒ 駒つなぎの場 ⇒(冬道)⇒ 天狗の硯岩 ⇒ 飯縄神社 ⇒ 飯縄山山頂 ⇒ 飯縄神社 ⇒ 天狗の硯岩 ⇒(冬道)⇒ 駒つなぎの場 ⇒ 登山口 ⇒ 駐車場
往復(周回)距離:7.5km 累積標高差:(上り)840m(下り)840m
標準コースタイム(夏期)は、往路2時間45分、復路2時間20分です。
※往復距離と累積標高差は概測です
※積雪時は夏期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう
駐車場 ⇒ 駒つなぎの場
駐車場の端から標識に従い「一の鳥居苑地」を歩いて行きます。
道路を歩いてもそれほど距離は変わりませんが、踏み跡が多ければこちらの方が歩きやすいと思います。
しばらく歩くと道路に出ます。
別荘地が広がる道路を歩いて行きます。バッチリ除雪してあって有難いのですが、圧雪されて滑りやすかったので慎重に歩きます。
駐車場からのんびり歩いて15分程で「一の鳥居」に到着。夏期はこの付近にも数台駐車できるスペースがあるのですが、冬期は除雪しないと駐車できません。
狛犬も雪を被っています。
鳥居をくぐってスタート。
緩やかな雪道を登っていきます。
少し登った所で「奥宮一の鳥居」があります。ここが本当の登山口?
アイゼンを装着。冬のルートは急坂があるので長爪のアイゼンが良いです。
少し登った所で右手にトレースがあったのでちょっと寄り道してみました。
登山ルートから少し外れた所に開けたポイントがあり、山頂方面がよく見えました。
登山ルートに戻り、13体あるという石仏を数えながら登っていきます。積雪量が多いときはこれらの石仏も雪に埋もれて見えなくなります。
天気が良くて気持ちの良い雪山ハイキング。
冬になると宿木の姿がよく見えるようになるのもいいですね。
「駒つなぎの場」に11番目の石仏があります。
そしてその先は雪崩の危険性が高い夏道(右手)が閉鎖されていて、冬道(左手)を登ることになります。この冬道区間が急登なので、ここでちょっと休憩。
※雪が少ないと夏道が閉鎖されないこともあります。
駒つなぎの場 ⇒ 飯縄山山頂
夏道はつづら折りに登っていく区間を、冬道は直登していきます。これがなかなかきつい!
正月太りした体には余計きつい(笑)
ヒーヒー言いながら夏道との合流地点に到着。
そこからちょっと登ると「天狗の硯岩」がありますが、雪に埋まって見えません。とりあえずここで小休止。直登で火照った身体を冷やします。
先ほどの急登よりは幾分か楽になりますが、まだまだ登ります。
13番目の最後の石仏。
樹林帯を抜けると見晴らしが良くなります。素晴らしい景色が広がっていました。
遠くにはうっすらと「富士山」も見えました。「飯縄山」から「富士山」を見たのは初めてかも。その横には八ヶ岳。
左手を見ると広大な壁のようにそびえる北アルプス。
そんな景色を楽しみながらなので、急登も多少楽に登れる(ような気がします)。
右奥に「富士山」、左奥に「浅間山」。
南峰を登り切れば楽になるので、疲れてきていますが頑張って登ります。
急登が終わり、”戸隠神社中社コース”と合流しながら細道のトラバース。
南峰ピーク手前に鳥居と祠、大きな岩があります。
「南峰」に到着。ここまで来たらほぼ登頂したような気分。右に見える屋根は「飯縄神社奥宮」です。長野市方面の麓からガスが上がってきていたので、神社は帰りに寄ることにして急いで山頂方面へ進みました。
南峰から「飯縄山」山頂を望む。一度鞍部へ下って山頂へ登りなおす感じですが、それほど高低差は無く楽です。
携帯トイレのブースがありますが、冬期は閉鎖されているので使用できません。登山前にトイレは確実に済ませておきましょう。
ガスが上がってくる前に登頂しようと小走りしていたら、アイゼンの爪をゲイターに引っ掛けて派手にコケてしまいました。雪まみれになったカメラレンズを拭いたりして余計にタイムロス(笑)
山頂までもうちょっと。
「飯縄山」山頂に到着。標高1,917mです。平日だったので山頂は結構空いていました。掘り起こされた山座同定盤がまるでマンホールのよう。
長野市方面はもくもくガスが上がってきて麓が見えませんでしたが、上空は青空が広がり「富士山」など遠くの山も見えました。
新潟方面。「黒姫山」、「妙高山」、「火打山」、「焼山」などもよく見えました。
戸隠連峰と北アルプス。
「霊仙寺山」、「瑪瑙(めのお)山」方面は兎のトレースしかありませんでした。
本日のお昼ご飯はカツサンドとホットコーヒー。サーモスの山専ボトルとスノーピークのダブルチタンマグは冬も重宝します。雑な撮り方で全然美味しそうに見えない(笑)
飯縄山山頂 ⇒ 駐車場
ご飯も食べたし景色も堪能したので下山開始します。
南峰に向かって進む時の景色がまた良いのです。
南峰も眺望がとても良いです。右下には首だけ出ているお地蔵さん。
「飯縄神社」に寄って行きました。
「お邪魔しました。下山も無事にできますように。」
神社の前は崖になっているので、あまり前に乗り出さないように気を付けましょう。
登山ルート上に戻って下山再開。下山時の景色マイベスト3に入るぐらい好きなポイント。
樹林帯に入る迄は楽しくて仕方ない。
樹林帯に入り、冬道の急坂ゾーンへ。「STOP!尻滑り」の注意書きが。
写真では分かりにくいですが、結構な斜度が続きます。気温が上がってきて雪が緩みだしたので、ちょっと下りにくかったです。
急坂が終わり夏道と合流。ようやく歩きやすくなります。
急坂さえ終われば、後はのほほんと歩きます(笑)
「奥宮一の鳥居」を通過。
「一の鳥居」に戻ってきました。道路に出るのでアイゼンを外しました。
道路は緩やかですがツルツルの下り坂だったので、何度か滑ってコケそうになりながら戻りました。なるべく端っこを歩くと良いです。
いつも気になる「ゴミ無し地蔵」(笑)
「ゴミ無し地蔵」の先で「一の鳥居苑地」へ入ります。
「一の鳥居苑地」をのんびり歩いて駐車場へ帰還。けっこう厚着していたので、気温が上がってきた後半は暑くて暑くて。「冷たい炭酸が飲みたい」とずっと言っていました。
駐車場の自動販売機はダイドー。あまり見慣れない飲み物の中から迷った挙句にクリームソーダを買いましたが、ちょっと失敗でした(笑)
下山後に立ち寄った温泉
「飯縄山」の下山後によく立ち寄る「天狗の館」。施設は清潔感があり、露天風呂からの景色が良いです。食事も美味しいです。キャンプ場やスキー場も近くにあるので、割と年中賑わっている印象です。
せっかくなので善光寺へ
早めに下山できたので、温泉に入って身を清め(笑)善光寺に参拝へ。
お線香1束100円也。全身に煙を浴びたい!
本堂へ。中は撮影禁止でお見せできないのが残念。平日は空いていて良いですね~。
鐘楼も立派です。
濡れ仏と六地蔵。
仲見世通り。お蕎麦を食べたかったのですが、中途半端な時間だったので目当ての蕎麦屋が準備中。代わりに色んな味の”おやき”を買って食べながら帰りました。
冬の飯縄山の感想
冬の「飯縄山」南登山道は雪山としても登りやすい山です。駐車場も広くてトイレや自販機もあるので便利です。それなりにトレースがついていれば雪山初心者にもお勧めです。
ただ、冬道の急登箇所はなかなかの斜度があるので、長爪アイゼンと、ピッケル(又はトレッキングポール)を持っていくと良いでしょう。
この日使用した主な道具
ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)
ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。
前後にコバの無いブーツの場合はこちら。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) アルパインゲイター
生地がしっかりしていて、少しぐらいアイゼンの爪が擦れても破れません。ベルクロだけでなくジッパーが付いているので、雪や水の侵入をしっかり防ぎます。ベルトの調節もしやすいです。
MAGIC MOUNTAIN 登山用 アルミわかん ラッセル2
この日は使用しませんでしたが、ワカンも一応持っていきました。シンプルなアルミフレームのワカンです。ワカンはスノーシュー程浮力はありませんが、軽量なのと小回りが利くので、急坂や細道の多い雪山登山に適しています。
SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック
作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。
サーモス 山専用ステンレスボトル900ml
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。