金城山(きんじょうさん)
・標高:1,369m
・所在地: 新潟県南魚沼市
・巻機山の前衛峰
・山頂付近には断崖絶壁の岩稜帯があり、眺望もとても良い
・例年登山適期は5月~10月
「金城山」は新潟県の南魚沼にあり、「巻機山」の前衛峰と言われている山です。急峻で滑りやすい道が続くので、標高の割に結構きつい山です。
梅雨時季のつかの間の晴れ間に、最も登りやすいとされる「観音山コース」をピストンしてきました。
駐車場情報
この日に登った「観音山コース」は新潟県南魚沼市長崎にある「槻岡寺(きこうじ)」近くの登山口からスタートします。正式な駐車場はありませんが、県道28号に広めの路肩があるので、ここに駐車させてもらいます。10台は駐車可能だと思います。
この日のコース
登山口 ⇒ 東屋 ⇒ 赤松の巨木 ⇒ 分岐 ⇒ ビューポイント ⇒ 山頂標識 ⇒ 避難小屋 ⇒ 金城山山頂 ⇒ 避難小屋 ⇒ 山頂標識 ⇒ ビューポイント ⇒ 分岐 ⇒ 赤松の巨木 ⇒ 東屋 ⇒ 登山口
往復距離:8.7km 累積標高差:(上り)1,160m(下り)1,160m
標準コースタイムは、往路4時間00分、復路3時間10分です。
※往復距離と累積標高差は概測
登山口 ⇒ 東屋 ⇒ 分岐
朝7時頃、駐車スペースから「槻岡寺」の方向へ出発。曇り気味ですが、徐々に晴れになる予報。
左にあるのが登山口。右へ進むと「槻岡寺」です。
ちなみに路線バスも通っているようですが、「六日町駅」からの便は午後のみ。GoogleMapで調べたら、最寄りの「塩沢駅」からでも徒歩だと1時間以上かかるようなので、車が無いと厳しいですね。
登山口には登山ポストがあるので、届を出してから登りましょう。
「こぶし遊歩道」と書かれた看板をくぐって登り出します。序盤は緩やかな坂道が続き、この山そんなにきつくないのかな?と思ったりします。安心してください、後からグイグイ登りますよ(笑)
あまり展望の良くない「第一展望広場」。この「こぶし遊歩道」には所々に石仏が祀られています。
少し登ると東屋があります。東屋を見つけると座って休憩したくなりますが、先が長いので我慢。
しかもここ見晴らしも良いんです。田んぼと山ばかりの景色ですが、近所にこんな場所があったらしょっちゅう来たくなります。
東屋を通り過ぎ、少し登ると2合目の石仏群のある場所に着きます。「こぶし遊歩道」はここまで。
「こぶし遊歩道」が終わると徐々に坂の傾斜がきつくなってきます。3合目には赤松の巨木があり、折れた大きな枝の下をくぐって進みます。
序盤の緩やかな道と打って変わって急坂をぐいぐい登って行きます。雨が降ったら滑りやすそうな道が結構あります。
5合目に到着。ちょっと小休止。
ここで標高750mちょいですが、雲海も見えました。徐々に青空も出てきて気分が上がります。
山頂もだいぶ近づいてきた印象。「金」の字に似た山容が名前の由来らしいですが、まあ確かにそう見えなくもない。
日差しも強くなってきて暑くなってきた頃にタイミング良く樹林帯に突入。
木陰で少しは暑さをしのげますが、急登続きで汗ダラダラ。7合目でまたしばらく休憩。
休憩後も急登が続きます。ブナが綺麗なんだけど楽しむ余裕がなくなってきた(笑)
ロープの張られた坂が頻繁に出てきます。登りは大丈夫ですが、下りはロープ使わないと滑ってヤバい。
分岐に到着。「滝入コース」とここで合流します。
標柱の「雲洞」というのがこの日登ってきた「観音山コース」方面で、「大月、五十沢」というのが「滝入コース」方面。標柱が倒れているから参考になりませんが(笑)
分岐 ⇒ 金城山山頂
麓の方を見ると雲海はなくなりましたが、逆に南魚沼の街並みがよく見えます。
岩場、鎖場が増えてきます。ここは鎖を頼りに足場の悪い岩場をトラバース。でもよく見ると下の方に土の道があってそっちの方が渡りやすかったりします(笑)
難しい岩場はありません。手がかり、足がかりがちゃんとありますし、滑りそうなら鎖もあります。
所々見晴しの良いポイントがあります。写真中央の形の良い山は「坂戸山」。上から見るとこんな形してるんですね。
【坂戸山の記事はこちら↓】
見晴らし良いけど暑い...「溶けちゃう 助けてくれー」と言いながら樹林帯へ。
そしてまた急登の繰り返し。「あれ、ここさっきも登らなかったっけ?」等と愚痴をこぼしながら登ります(笑)
下りでコケた現場はこちら。
8合目。山頂までもうちょっと。
途中、「水場 60M」の看板があります。水分はちゃんと持って来ていたので寄りませんでした。というか、今まで寄ったことがないのでどんな水場なのか分かりません。
8合目と9合目の間にちょっとしたビューポイントがあります。
麓の景色がよく見えるポイントです。日差しが強かったものの、ちょうど良い風も吹いていたので景色を眺めながらちょっと休憩。
さあ、ラストスパート。
このコースは合目のポイントが休憩しやすくなっているのですが、9合目だけはあまりそういう感じではなくそのまま通過。
9合目過ぎに見える大規模な崩落地。初めて登った時からこんな感じなので、けっこう前に崩落したのだと思います。下の方には残雪がまだありました。
その後、ヒーヒー言いながら急坂を登って行くと上空が開けてきます。
目の前に巨岩が現れ、その先の稜線が見えてきたらゴールは間近です。
最後にこの鎖場を登ると...
「金城山」山頂に到着!標高1,369mです。でも本当の山頂はもうちょっと先で、この標識が立っている地点は標高1,340mちょいなのだそうです。
金城山山頂 ⇒ 避難小屋 ⇒ 登山口
山頂はあまり広くありませんが、眺望はとても良いです。岩場から落ちないように気をつけましょう。
巻機山、右奥には谷川連峰も見えます。
ここで終わりにしても良いのですが、もうちょっと先にある本当の山頂まで行って、戻ってくる途中の岩場でお昼ご飯を食べる計画です。
稜線上の細い道を下ったり登ったりしながら進みます。岩稜帯の上は通りません。
山頂標識〜避難小屋の途中に見える壮大な岩壁。「百間ベザイ」と言われるこの岩壁の景色は、このポイントからが最もよく見えます。
避難小屋に到着。まだ山開き前なので、避難小屋入口は閉ざされていました。緊急時には板を抜けば入れます。
避難小屋よりもう少し奥に進むと湿地帯があり、この辺が最高地点のようです。看板や標識などは何もありません(笑)
とりあえずピークを踏んだということにして、来た道を戻ります。
巨岩の間の細い道を通るので、すれ違う際は譲り合いながら通りましょう。
絶壁に鎖が張られた箇所がありました。もちろんこんな所は通りません(笑)
裏の安全な道を通ります。
戻る途中の岩稜帯に人気の休憩ポイントがあるので寄り道。ここは上部が平らになっていて、5~6人は座って休憩できる岩の上です。
平らと言っても少し傾斜しているので、不用意にペットボトルなどを横にすると転がって落ちてしまうのでご注意ください。
ここで巻機山などの景色を眺めながらお昼ご飯。
反対側を向けば坂戸山や麓の景色。
すぐ横の岩には石碑が3つ立っています。以前は4つありましたが、1つどこかに行ってしまったようです。小さな岩がちょこんと置かれていました。
ご飯も食べてまったり休憩できたので、山頂標識へ戻って下山します。
石碑と平らな岩の隙間を通って登山道へ戻ります。
戻る際も細い道を踏み外さないように気をつけます。
山頂標識まで戻ってきて振り返ったところ。赤い矢印の所が休憩していた平らな岩。
名残惜しいですが、下山しますかね。
登りが急だったので、下りも当然急です。
下りは麓の景色を眺めながら。
急坂ではコケないよう気をつけていましたが、2回こけました(笑)
同行者がどんどん下って行くのであっという間に赤松の巨木に到着。
2合目の石仏群まで着いたらあとは遊歩道なのでお散歩気分。
東屋。
往路では死んでいた鯉のぼりも帰路では元気に泳いでいました。もう6月中旬ですが。
やっぱりこの東屋の場所好きですわー。
無事に下山完了。下山時、「こぶし遊歩道」看板の下をくぐる際は頭をぶつけないようにご注意ください(笑)
おしまい。
金城山の感想
「金城山」は何と言っても山頂付近の岩稜帯の迫力と眺望の良さが魅力です。急坂を苦労して登って辿り着いた先には素晴らしいご褒美が待っている、そんな山です。
自分は春や梅雨時季しか登ったことがありませんが、紅葉がまた素晴らしいとの評判です。近くの「裏巻機渓谷」の紅葉が素晴らしいので、きっと金城山もそうなのでしょう。
ちなみに北側の中川新田からの「水無コース」や「滝入コース」もありますが、「観音山コース」よりもさらに急峻で滑りやすいので、不慣れな人は避けましょう。
下山後に立ち寄った温泉
軽く汗を流したいという人には、近くて安い「金城の里」がおすすめです。内湯一つだけなので色々な湯を楽しみたい人には物足りないかもしれませんが、日中は混雑することもほとんどなくゆっくりできます。
この日使用した主な道具
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
鎖や岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。
伊藤園 フローズンレモン
凍らせて持って行くとフローズン状に溶けて行くので、シャリシャリ食感が楽しめます。味も最初だけ濃いということが無く、最後まで同じ味で飲めます。