子持山(こもちやま)
・標高:1,296m
・所在地:群馬県渋川市、沼田市、高山村
・登山道中にある「獅子岩」からの大展望が素晴らしい
・スリルある岩場の登り下りを楽しむことができる
・12月、1月には雪が積もる場合もある
天気の悪い新潟を抜け出し、晴れを求めて群馬県へ。冬になると群馬へ行く機会が増えます。関越自動車道で群馬県へ抜けるたびに、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」(川端康成)の逆現象を楽しみます(笑)
さて、群馬県の中部にある「子持山」は、かつて火山として活動していた痕跡が沢山残っています。その活動によって生まれた「獅子岩(大黒岩)」や「屏風岩」などの断崖絶壁の景色を楽しむことができます。また、その巨岩の上から眺める大展望は壮大でとても魅力的です。
駐車場情報
駐車場は、群馬県渋川市中郷の「子持神社」の前を通り、「5号橋駐車場」(約15台駐車可能)を利用しました。その先の「6号橋駐車場」(約5台駐車可能)もありますが、休日はすぐに満車になります。
※最深部に「7号橋駐車場」もありましたが、落石や道路崩壊などで現在は利用できなくなっています(2020年12月時点)
この日のコース
5号橋駐車場 ⇒ 獅子岩(大黒岩) ⇒ 柳木ヶ峰 ⇒ 子持山山頂 ⇒ 柳木ヶ峰 ⇒ 獅子岩(大黒岩) ⇒ 屏風岩 ⇒ 5号橋駐車場
往復距離:5.8km
累積標高差:(上り/下り)740m/740m
このコースでの標準コースタイムは、上り2時間20分、下り1時間50分だそうです。
※往復距離と累積標高差は概測
5号橋駐車場~獅子岩(大黒岩)
5号橋駐車場に車を駐車しスタート。しばらく舗装路を歩いてきます。
案内板があるので一応この日のルートを確認。
標識に従い、さらに舗装路を登って行きます。
「6号橋駐車場」の手前で、右手に大きな岩と登山ポストが見えてきます。この日はここを右に曲がって、反時計回りで行く周回ルートにしました。
道は狭くなりますが、まだ舗装路を歩きます。
地味にきつい舗装路を登って行くと左手に標識があり、ようやく山道に入ります。
樹林帯の中を直登気味に登って行きます。序盤から割と急坂。登山道という感じはあまりしません。人工林の中をピンクテープを目印に登って行きます。
尾根に上がります。晩秋なので葉が落ちて見通しが良いです。涼しい風もよく通り、急坂で熱くなった体を冷やしてくれました。
緩やかな道もありますが、アップダウンが多いです。
標識がちょくちょく出てくるので迷う心配はあまりありません。
徐々に岩が増えてきてちょっと急坂が続きます。
電波反射板のある場所に出ます。
反射版を通過し獅子岩方面へ進みます。
この標識から先は高度感のある尾根歩きが楽しめます。
平に割れたような大きな岩の横を登って行きます。
細尾根に岩が乗っかっているような道が続きます。単に歩くだけでなく、手を使ってよじ登るような箇所もあるので、なかなかスリリングで楽しいです。高所恐怖症の人は避けた方がいいかも(ここに来た時点では既に手遅れですが)。
でもここは見晴らしがとても良くて解放感もあって気持ちが良いのです。
ここまで来ると「獅子岩」の迫力ある絶壁も良く見えます。この南壁でクライミングを楽しむ人も多いです。凄いですね~。
少し落ち着いた地点で振り返るとこんな感じ。
細尾根の岩歩きも終わり。
ここで「7号橋」からのルートと合流します。
「獅子岩」手前にある奇岩。
「獅子岩」手前から急登が続きます。なお、「獅子岩」に登らずに右から巻いて山頂方面へ進むこともできます。
この解説板がある所は平らなスペースがあるので、ここでバックパックをデポして登るとよいです。
まずこの鎖梯子で登り、
次にこの鎖で登ります。
「獅子岩(大黒岩)」に到着!岩の頂点には石碑があり、真ん中に大きく「御嶽山神社」、その左右にそれぞれ「八海山神社」、「三笠山神社」と刻まれています。
獅子岩(大黒岩)~子持山山頂
「獅子岩」からの展望はとても素晴らしいです。浅間山や赤城山、武尊山、榛名山などの山々、群馬の街並みが見渡せます。この日は天気が良かったので、遠くに富士山も見ることができました。
獅子岩の上はあまり広くないので、登山者が多い日はあまり長居できません。景色を楽しんだら再び鎖と梯子で下ります。
「獅子岩」から「子持山」山頂までは距離にして1.2km。
山頂までもいくつかのアップダウンを繰り返すのですが、足場の狭い箇所も多くあるので気をつけましょう。
巻き道と合流。
名もなき?峰に到着。それほど広くありませんが、平らなスペースがあるので休憩ポイントです。
山頂方面へ向かいます。途中、笹がたくさん生えている道を登って行きます。
山頂手前の「柳木ヶ峰」に到着。ここで浅間ルートと合流します。
それでは山頂へ。
再び岩場が増えてきます。
それほど難しい岩は無いですが、混んでいる時は渋滞することもしばしば。
岩場登りが終わると一気に緩やかな道になります。
「子持山」山頂(標高1,296m)に到着!
秋から春にかけては、周囲の木々の葉が落ちて夏期以上に見晴らしが良いです。
子持山山頂~屏風岩~5号橋駐車場
山頂には三座同定盤があるので、山の景色を眺めながら楽しみましょう。
「十二山神」の石碑奥には谷川連峰もよく見えます。
ちなみに山頂標識はこんな感じでかなり控えめ(笑)山頂標識の奥には高山村からのルートがあります。
さて、景色もご飯も堪能したので下山します。
この日のコースは「獅子岩」手前まで同じルートで下山です。急な岩場は登りよりも下りの方が苦手。
「子持山」は展望の良いポイントが多いです。
「柳木ヶ峰」
「獅子岩」は裏から見るとこんな感じです。
帰りは「獅子岩」に寄らずに巻き道を下山。
途中で分岐を「屏風岩」方面へ進みます。途中まで急坂に落ち葉でけっこう滑ります。
樹林帯をテクテク下山。この辺りは危険箇所ほとんど無いです。
巨岩があちこちに転がっています。
「屏風岩」へのルートとの分岐がありますが、この日はパス。「屏風岩」からの展望も素晴らしいのですが、既に「獅子岩」などで景色を堪能した後だったため、満腹状態でした(笑)
ちなみにここから「屏風岩」への道は滑りやすい急坂が続くので、行かれる場合はご注意ください。
「屏風岩」を下から眺めながら下山。迫力があります。
鳥居と「太鼓橋」が見えてきます。
垂直にそびえ立つ屏風岩。落石があっても避けられなそう。
「太鼓橋」を渡ります。橋が朽ちて穴も開いていたため、渡る時はご注意ください。
巨岩を眺めながら木道を下って行きます。
登山口に下りてきました。時計回りで登る場合は、ここから登り出します。
ここからは舗装路で駐車場まで戻ります。
岩の下に建てられた奥の院。
7号橋近くの仮設トイレは現時点で使用禁止。
7号橋駐車場は10台ほど駐車できるスペースですが、現時点で利用不可です。
その理由は、こんな落石があったり
こんな道路の崩落等があったためです。
この後、6号橋駐車場を経て5号橋駐車場へ戻りました。おしまい。
子持山の感想
「子持山」は今回利用したルートで行けば距離や標高差もそれほど無く、比較的楽に登れます。体力的には初心者でも登れますが、高度感のある岩場・鎖場の登り下りもあるので、経験者に同行してもらうことをおススメします。
今回のコースで物足りない人は、近くの「浅間山(せんげんやま 1,088m)」を周回するコースもありますし、「子持神社」から登るコースなどもあるので、ぜひ試してみてください。
この日使用した主な道具
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
鎖や岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
ARC'TERYX(アークテリクス) Delta LT Jacket
登山中は暑くなって不要でも、休憩中にアウターの下に着られる薄手のフリースやダウンジャケットがあると良いです。バックパックに最低1枚は入れて行きましょう。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。夏には氷を沢山入れて持って行き、山頂でキンキンに冷えた飲み物を味わえます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。