
ここ数年、全国的にクマによる人身被害、家畜・農作物等の被害が増えているようです。そのため、涼しくなって快適な登山ができる秋になったのに「クマが怖くて山に行くのをためらっている」という声がよく聞かれます。
でも、新潟県にはクマの心配をせずに登れる山域があります。
弥彦山塊(弥彦山、多宝山、角田山など)

日本海と越後平野の間にそびえる弥彦山塊。南から「国上山」、「弥彦山」、「多宝山」、少し離れて「角田山」などが連なっています。主峰は「弥彦山」(標高634m)です。
弥彦山塊にはクマが生息していないと言われています。2017年に目撃情報が1件あり、当時かなり話題になりましたが、その調査で足跡などクマの痕跡が全く見つからなかったため、イノシシか何かと見間違えたのだろうという説が濃厚です。
先述したように大部分が海と平野に囲まれていること、南側は「大河津分水」で遮られていることなどから、クマがわざわざ移動してくることは考えにくいとされています。
弥彦山(標高634m/弥彦村、長岡市)

弥彦山塊の主峰「弥彦山」は 、標高634mで東京スカイツリーと同じ高さです。麓には「彌彦神社」があり、そこから登る”表参道コース”が最も人気のコースです。

山頂からは日本海、越後平野の雄大な景色を楽しめます。
9合目には自動車やロープウェーでも上がることができ、売店や展望レストランもあるので、観光客も多く訪れます。
▼弥彦山の山行記事▼
多宝山(標高633m/新潟市)

「弥彦山」との双耳峰としてそびえる「多宝山」。人気のある「角田山」、「弥彦山」間にあり、なんとなく地味なイメージの「多宝山」ですが、新潟市の最高峰です。
山頂には気象レーダーの建物があり、日本海側の景色が見えないなど眺望はちょっと残念。そのせいか、隣の弥彦山へ縦走する人も多いです。

最も人気の”天神山コース”は、「天神山城址」を経由するので戦国時代や城跡が好きな人にはお勧めです。
▼多宝山の山行記事▼
角田山(標高481m/新潟市)

新潟市西蒲区の「角田山」は、標高500mにも満たない里山ですが、とても人気のある山です。その登りやすさや、登山コースの豊富さ(公式コースで7つ)、人口の多い新潟市中心部から比較的近い等が人気の理由です。

山頂は木々で囲われ眺望はありませんが、広い台地状で沢山の人が休憩できます。山頂から”稲島コース”で少し下った所にある「観音堂」も広く、越後平野や新潟の名峰が眺められるビューポイントです。
”灯台コース”は駐車場が広く、海を眺めながら登り下りできるのが魅力で、県外から訪れる人も結構多いです。
▼角田山の山行記事▼
国上山(標高312m/燕市)

弥彦山塊の南端にある「国上山」は、標高312mの里山です。「道の駅くがみ(SORAIRO国上)」から登りだすことができます。

さらに、中腹にある「燕市分水ビジターセンター」(標高130m程)まで車で行けるので、そこから登り出すこともできます。
山頂からの眺望はほとんどありませんが、ビジターセンター周辺の「国上寺」や展望台、吊り橋など登山以外でも楽しめる場所があるので、お子さん連れにもお勧めです。
▼国上山の山行記事▼
佐渡山塊(金北山、ドンデン山など)

クマがいないもう一つの山域は佐渡島です。佐渡はクマがいないだけでなく、イノシシやサル、シカもいないそうです。登山するには最高ですね。樹林帯でもビクビクすることなく歩けます。
小型の哺乳類はいるようで、実際に自分も大佐渡縦走時にウサギやイタチのような動物が走っていくのを何度か見かけました。

新日本百名山の「ドンデン山(尻立山)」、眺望の良い大佐渡の稜線歩き、最高峰の金北山へと至る縦走は天気が良ければとても楽しいです。クマがいないと分かっているので、安心しきって稜線の途中で寝転がって休んだりもしました。
ドンデン山(標高934m/佐渡市)

ドンデン高原一帯を「ドンデン山」と呼ぶそうで、『新日本百名山』に選ばれています。その名(鈍嶺)のとおり、丸みを帯びたたおやかな山容をしています。クマがいないので、のんびりとハイキングするにはとても最適な山です。天気が良ければ稜線からの眺望もとても良いです。「ドンデン山荘」に宿泊して散策するのがお勧めです。
金北山(標高1,172m/佐渡市)

佐渡島で最高峰の「金北山」。昔は「北山」と呼ばれていたそうですが、佐渡金山が発見され金が採掘されるようになってから現在の名になったそうです。
山頂からの眺望は、佐渡島の南側の景色が広く見渡せて、天気が良ければ本州の弥彦山塊なども見えます。

せっかく海を渡って佐渡に行くなら、世界文化遺産に登録された佐渡金山などの観光や、美味しい魚介類などの食事もぜひ楽しんでもらいたいと思います。ちなみに「ドンデン山荘」宿泊もお勧めです。
▼佐渡の山行記事▼
新潟県外

本州で唯一クマがいないとされているのは千葉県です。地理的に他の山地から離れているため、今後もクマが移動してくることは無いと言われています。
ただし、千葉県は全国一平均標高が低く、最高峰の「愛宕山」でも408mです。そのため登山目的で千葉県へ行く人は少ないと思いますが…
自分は千葉県の「鋸山」には登ったことがあり、結構楽しかったのでお勧めです。
▼鋸山(千葉県)の山行記事▼
その他、九州地方のクマは絶滅したと言われています。唯一いるのは『くまモン』ぐらいですかね(笑)
九州では登山をしたことがないのですが、登ってみたい山が沢山あるので、いつか登山目的でガッツリ訪れてみたいと思っています。
あと、佐渡にクマが生息していないのと同様に、「利尻山」(北海道)や「屋久島」(鹿児島県)などの離島の山にもクマは生息していないようです。利尻山には何年か前にヒグマが泳いで渡ってきたなんてニュースがありましたが、生息するまでには至らなかったようです。
まとめ
最近のクマ被害の多さから、家族や職場の同僚も今まで以上に心配なようで、色々と言われるのが悩みです…心配してもらえるだけありがたいのですが(笑)
一応、クマの多い山に行く際はクマ撃退スプレーを持っていくようにしています。いざという時にスムーズに取り出して使えるか、その時に向かい風だったらどうしよう等々の不安は尽きませんが、無いよりはマシですね。
あと、クマは攻撃する際に頭部を狙うとよく聞くので、ヘルメットを被っていた方が安全かもしれません。