黒斑山(くろふやま)
・標高:2,404m
・所在地:長野県小諸市、群馬県嬬恋村
・浅間山の外輪山の一つで、その中の最高峰
・山頂からの浅間山の眺めが素晴らしい
・例年11月~4月は積雪期
「黒斑山」は長野県と群馬県の県境にあり、「浅間山」の外輪山です。山頂からの浅間山の眺めが素晴らしいです。特に冠雪時の浅間山は「粉糖をふりかけた”ガトーショコラ”のよう」と例えられ、多くの登山者を魅了します。
1月下旬、暖冬で雪が少な目でしたが、きれいなガトーショコラを見に黒斑山へ登ってきました。
※「浅間山」は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
駐車場情報
長野県小諸市の「高峰高原ビジターセンター」の無料駐車場をお借りしました。雪がなければ50台は駐車可能とのことです。なお、冬は除雪されていない箇所もあります。
標高2,000m弱なので、朝や夜は道路が凍結しやすいです。スタッドレスタイヤでもちょっと不安だったので、念のためタイヤチェーンも積んで行きました。
※ビジターセンターは冬期間休業です。
▼公共交通機関利用の場合▼
日に2本のみですが、高峰高原ホテル前までバスが出ています。JR小諸駅または佐久平駅から乗ることができます。行きと帰り1本ずつなので、注意が必要です。
バスの時刻は「JRバス関東」のWebサイトをご確認ください。
この日のコース
ビジターセンター駐車場 ⇒ (中コース) ⇒ トーミの頭 ⇒ 黒斑山山頂 ⇒ 蛇骨岳 ⇒ 黒斑山 ⇒ トーミの頭 ⇒ (表コース) ⇒ 槍ヶ鞘 ⇒ 車坂山 ⇒ 駐車場
往復(周回)距離:8.0km
累積標高差:(上り/下り)640m/640m
標準コースタイム(夏期)は、上り2時間10分、下り2時間15分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※積雪時は夏期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう
駐車場 ⇒(中コース)⇒ トーミの頭
道路を挟んでビジターセンターの向かい側に車坂峠の登山口があります。コース図、登山ポストなどもここにあります。
登山口から「表コース」と「中コース」に分かれています。一般的には「表コース」から登る人が多いです。
この日は「中コース」から登りました。「中コース」の方が「表コース」よりもアップダウンが少ないので、早く登頂できます。
まずはツボ足で登り始めました。「中コース」はトレースが薄かったですが、雪が少なかったので問題なく登れました。
天気も良く、絶好の登山日和。
しばらく歩くと樹林帯の中に入って行きます。
手書きのコース図。雪が多ければスノーシューでモフモフコースを歩くのもいいですね。
トレースが付いていますが、リボンでコースを確認しながら進みます。
ずっと木々の中を歩くわけではなく、開けていて景色が良く見える場所もあります。
「中コース」はひたすら登りが続くので、開けた場所で休憩しながら登ります。
徐々に雪が多くなってきました。
「表コース」との合流地点(分岐)に出ます。
ここで一気に視界が開けます。なお、「表コース」から登ってくるともっと早めに視界が開けます。
「トーミの頭」への登りです。その奥に「浅間山」が見えます。
「トーミの頭」までの登りは割と急坂です。
ふと崖の方で何かが動いているのが見えました。
カモシカでした!「何じゃワレ」と言っているような顔でじっとこちらを見ています。
見えなくなるまでずっと見られていました。そんな危ない所には行かないから大丈夫だよ(笑)
カモシカのおかげで急坂もつらく感じることなく、「トーミの頭」に到着!
浅間山どーん!!きれいなガトーショコラです。
麓はがっつり曇っていましたが、雲の上まで登ってみたら晴れていて雲海が凄かったです。
いやぁ絶景ですなー。「中コース」で近道したおかげで、「トーミの頭」独占状態。
トーミの頭 ⇒ 黒斑山山頂 ⇒ 蛇骨岳
次は「黒斑山」山頂を目指します。「トーミの頭」からは標準コースタイム(夏期)で30分ぐらい。冬は積雪状況などによりかかる時間は変化します。
ここからはアイゼン装着。
少し歩くと、「湯の平」(浅間山方面)へ下るコースとの分岐があります。黒斑山の方へ進みます。
樹氷がキラキラ光ってきれいです。
途中で人工物が現れます。
浅間山の火山活動を監視する設備です。監視カメラやスピーカーなどがあります。浅間山が活火山ということを改めて認識させられます。
浅間山が噴火したら外輪山の黒斑山も危険なので、事前に警戒レベル等を確認してから登っています。 ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
稜線上はときどき視界が開けて浅間山を眺めながら歩けます。
道が細い箇所もあるので、踏み外さないように気をつけて歩きます。
ちょっとしたアップダウンを繰り返しながら、黒斑山山頂(標高2,404m)に到着!
黒斑山山頂から見た浅間山。黒斑山の山頂はそれほど広くありませんが、人が少なければゆったりと休憩できるだけのスペースはあります。
この日はこの先の「蛇骨岳」まで行く予定だったので、早々にリスタート。
ところが、「蛇骨岳」山頂手前で腰までハマるようになり、あっさりとギブアップ(笑) 下山中にすれ違った方に聞いたら、冬は樹林の中を登って行けば楽だったみたいです。失敗。
ということで、ちょっと戻ったところで浅間山を眺めながらご飯休憩。風が強くなく、日差しもあったので寒い思いをせずに気持ちよく休憩できました。
蛇骨岳 ⇒(表コース)⇒ 駐車場
まったりと休憩できたので戻ります。
気持ち良すぎ。
帰りの黒斑山、トーミの頭はいつの間にか沢山の人がいました。
トーミの頭から下る坂は急ですが、アイゼンを履いていたので楽に下りられました。カモシカさんはもういなくなっていました。
「表コース」と「中コース」の分岐に出ます。帰りは「表コース」から。「槍ヶ鞘」へ登ります。
「槍ヶ鞘」に登った所で振り返った浅間山とトーミの頭。
「槍ヶ鞘」から下ります。
「表コース」の途中にあるシェルター。
内部はこんな感じで扉がありませんが、噴火した場合に逃げ込むシェルターなので。あと、天気が荒れた時にも使えますね。
曇ってきたのでサッサと下ります。
「四阿山」がよく見えました。雪のある内に行きたいと思います。
広いガレ場があります。雪が少なく岩が露出していたのでここでアイゼンを脱いじゃいました。
アイゼンを外して下り始めてから、この先に「車坂山」への登りがあるのを思い出しました。
「車坂山」は大した登りではないのですが、沢山の人が歩いた道は踏み固められていたので、滑って登りにくかったです。アイゼンを外したことをちょっと後悔(笑)
でも登りはすぐに終わって「車坂山」のピークに出ます。標識は小さくてとても控えめです。
その後はゆるゆると下っていくだけ。
登山口が見えてきました。
無事に下山完了しました。「山之神神社」にお礼をして帰りました。おしまい。
黒斑山の感想
車坂峠から登る黒斑山は、距離や標高差がそれほど無く、比較的登りやすい道が多いので、初心者におススメの山です。雪山シーズンでは雪山初心者におススメです。冠雪した浅間山をはじめとした絶景が眺められます。
今回は「中コース」から登りましたが、最初は眺めの良い「表コース」から登られる方が良いと思います。
下山後に立ち寄る温泉
①下山後にすぐ温泉に入りたい場合、登山口目の前の「高峰高原ホテル」の日帰り入浴です。露天はありませんが、眺めの良い温泉があります。
②自家用車で移動される方は、菱野温泉「常盤館」もおススメです。ケーブルカーに乗って行く露天風呂があります。
この日使用した主な道具
ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)
ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。
前後にコバの無いブーツの場合はこちら。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) アルパインゲイター
生地がしっかりしていて、少しぐらいアイゼンの爪が擦れても破れません。ベルクロだけでなくジッパーが付いているので、雪や水の侵入をしっかり防ぎます。ベルトの調節もしやすいです。
MAGIC MOUNTAIN 登山用 アルミわかん ラッセル2
この日は使用しませんでしたが、ワカンも一応持っていきました。シンプルなアルミフレームのワカンです。ワカンはスノーシュー程浮力はありませんが、軽量なのと小回りが利くので、急坂や細道の多い雪山登山に適しています。
SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック
作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。
サーモス 山専用ステンレスボトル900ml
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。