不忘山(ふぼうさん)
・標高:1,705m
・所在地:宮城県白石市、刈田郡
・別名で御前岳(ごぜんだけ)とも言われる
・夏期の登山適期は5月中旬~10月下旬
屏風岳(びょうぶだけ)
・標高:1,817m(最高地点は1,825m)
・所在地:宮城県刈田郡
・宮城県の最高峰
・夏期の登山適期は5月中旬~10月下旬
「不忘山」と「屏風岳」は蔵王連峰の南に位置し、”南蔵王”と呼ばれています。”北蔵王”と比べて火山活動が少ないため、全体的に樹木が育ち緑に覆われています。
「不忘山」と「屏風岳」の間の稜線は6月になると高山植物の花が咲き、天気の良い日は素敵な景色を眺めながらの稜線歩きが楽しめるということです。今回、お誘いを受けて初めて登ってきました。
駐車場情報(蔵王白石スキー場)
この日は「蔵王白石スキー場」の駐車場から登るコースでした。
スキー場の駐車場なのでとても広く、ちょっと遅めの到着でしたが余裕で駐車できました。
この日のコース(周回)
白石スキー場駐車場 ⇒ 白石女子高小屋跡 ⇒ カエル岩・不忘の碑 ⇒ 不忘山(御前岳) ⇒ 南屏風岳 ⇒ 屏風岳 ⇒ 水引入道 ⇒ 白石スキー場駐車場
往復(周回)距離:12.5km 累積標高差:(上り)1,280m(下り)1280m
標準コースタイムは、往路4時間20分、復路3時間10分です。
※往復距離と累積標高差は概測
駐車場 ⇒ カエル岩・不忘の碑
駐車場から舗装路を歩いてゲレンデへ向かいます。
途中で登山コース図があるので確認して行きます。この図で左から登って右から下りてくるコースです。
「市営無料休憩所」の建物があり、トイレと飲料自販機がありました。登山ポストもあるので、ここで登山届を出していきます。洗い場もあったので、下山後に靴も洗えます。
標識に従って「不忘山」方面へゲレンデを登って行きます。
この時点で標高1,000m近いので見晴らしが良かったです。ただし、写真では分かりませんがけっこう虫がブンブン。慌ててハッカ油スプレーをふりかけます。
ゲレンデを抜けて樹林帯へ。
しばらく歩くと「白石女子高小屋跡」のポイントに着きます。
その名称から男子はちょっとワクワクしてしまいますが、特に何もない広場でした(笑)ここからようやく登山道らしくなります。
序盤は歩きやすい道が続きます。樹林帯に入って虫が少なくなって快適でした。
樹林帯ではヤマツツジやウラジロヨウラクが沢山咲いていました。
途中から階段の箇所が増えてきます。前日の雨なのか、もともとこういう道なのか分かりませんが泥でグチャグチャの道が続きます。
眺望の無い樹林帯歩きがけっこう続きますが、色々な花が咲いていたので楽しめました。青空も見えてきて気分が上がります。
「弘法清水」の標識がある広めのポイントに着きましたが、どこから清水が出ているのか分からず。
急登を登って行くと広めのガレ場がありました。
眺望も良かったので、ここで岩に腰掛けながら少し休憩。
それではリスタート。
「カエル岩」が見えてきました。
「カエル岩」。確かに蛙に見えますね。
「不忘の碑」。岩がゴロゴロ。「ガンバレ」と書かれた岩があり、新潟の「米山」を思い出します。 奥に見える不忘山の山頂まであともうちょっと。
カエル岩・不忘の碑 ⇒ 不忘山 ⇒ 屏風岳
山頂までの道が素敵です。
一気に登って「不忘山」山頂(標高1,705m)に到着!山頂は岩が多いですが、広くて360度の眺望が素晴らしかったです。
ハクサンイチゲも沢山咲いていました。
「南屏風岳」から「屏風岳」へ伸びるたおやかな稜線と急峻な山肌が素敵です。こんな景色を眺めながらちょっと早めのお昼休憩。
お昼休憩も終わり、「屏風岳」方面へ進みます。
道中にある祠。新しめな感じ。
風も吹き、気持ちの良い稜線歩き。一度鞍部へ下り、「アイハギの峰」へ登ります。
ハクサンイチゲが沢山。
見晴らしの良い「アイハギの峰」から不忘山を振り返る。
続いて「南屏風岳」へ。
「南屏風岳」へ近づくにつれて曇ってきてしまいました。
「南屏風岳」。広くて休憩しやすそうなちょうどいい岩がゴロゴロ。
でもどんどん曇ってきたので休憩せずに先へ進みます。
「南屏風岳」から「屏風岳」への稜線はとてもなだらかな気持ちの良い道が続きます。
雲が増えてきたので急ぎ足になってしまいましたが、天気の良い日だったらのんびり楽しみたいと思える稜線でした。ここはぜひ天気の良い日に再訪してみたい!
稜線の終盤に「水引コース」との分岐があります。とりあえず「屏風岳」の山頂へ行きます。
分岐から「屏風岳」山頂まで400m。でもなだらかな道が続くのであっという間。
「屏風岳」山頂(1,817m)に到着。宮城県の最高峰です。
「屏風岳」の山頂は樹木に囲まれているため、眺望は「不忘山」や「南屏風岳」ほどではありません。
それでも所々刈払いされているのか、見晴らしの良い場所もありました。
ちなみに山頂標識のある場所は標高1,817m。地図を見ると、最高地点は1,825mとなっていて、もうちょっと奥にあるようです。
というわけで、もうちょっと奥まで行ってみましたが、特に標識などもなくこの辺かなぁという所で折り返しました(笑)
屏風岳 ⇒ 駐車場
「屏風岳」を後にし、下山開始。
分岐まで戻ってきました。ここから「水引コース」で下山しましたが、下山するには思っていたより過酷なコースだったので、あまりおススメしません(笑)
まずは細い急坂をずるずる滑りながら下ります。
藪漕ぎほどはいきませんが、視界の遮られた箇所も多く。
ようやくなだらかになったと思ったらグチャ泥の道が続きます。
「水引き平」という湿地帯。池塘には蛙の卵が沢山ありました。
「水引き平」を過ぎてからは「水引入道」への急登。
「水引入道」に到着。
「水引入道」から谷の方へ下ります。
樹木の生えていない荒々しいガレ場。風が当たりやすい箇所なのでしょうか。なぜこの一帯だけこんな状態に?
「ジャンボリーコース」との分岐があります。「水引コース」よりも「ジャンボリーコース」の方が傾斜は比較的ゆるやかなのだとか。でも「ジャンボリー」って何。。。
見晴しが良かったのはここまで。
「水引コース」では、ここから藪に近い足元の見えない急坂を下りることになりました。
下山道の写真を撮っているのですが、全然そうは見えないですね(笑)
藪っぽい箇所は終わったものの、ひたすら続く急坂の下り。急坂は沢のポイントまで続きます。
ようやく沢が見えてきました。
濡れた岩場を鎖を頼りに下ります。足元が滑りまくり。
そしてなかなか流れの激しい沢を飛び越えて、さらにその先の急な岩場を鎖を使って登ります。
その後もなかなかスリリングな道が続きます。
2つ目の渡渉ポイント。
しばらく進むと危なっかしい道は終わり、なだらかなアップダウンの道になります。
倒木がありましたが、上を通って迂回できました。
長い樹林帯歩きを終え、スキー場に出ます。
ゲレンデを歩いてスタート地点まで下りました。その後は休憩所で靴を洗って駐車場まで戻りました。おしまい。
不忘山、屏風岳の感想
”南蔵王”には初めて登りましたが、不忘山から屏風岳に至る稜線歩きは眺望も良く、花も沢山咲いていたので想像以上に楽しかったです。”北蔵王”の荒々しい岩稜帯とは異なる景色で、広大な蔵王山の新たな一面を見ることができました。
ただし、下山で通った「水引コース」はちょっと危険な箇所が多かったので、初心者にはあまりおススメできない感じでした。山歩きに慣れていて渡渉や鎖場、岩場が好きな人なら大丈夫です(笑)
刈田岳から縦走した方が標高差も少なく道も良いらしいので、次回行く機会があればそちらからも登ってみたいと思いました。
この日持って行った主な道具
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。
ハッカ油スプレー
虫よけに使用します。自分は露出している肌だけでなく、ウェアや帽子などにもスプレーします。帽子のツバにスプレーしておくと、顔の周りにあまり寄ってこないです。なお、顔へ直接スプレーすると目に入って痛い思いをするので、手にとってから塗ると良いでしょう。
「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。
「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル」
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。