鬼ヶ面山(おにがつらやま)
・標高:1,465m
・所在地:新潟県魚沼市、福島県南会津郡只見町
・初夏はヒメサユリ、秋は紅葉がとても美しい
・鬼ヶ面山~浅草岳の間はアップダウンが多く健脚者向け
・例年11月上旬~4月は雪が多く残る
「鬼ヶ面山」は魚沼市入広瀬と南会津郡只見町にまたがり、六十里越登山口から「浅草岳」へと繋がる稜線上にある山です。
鬼ヶ面山と周辺の峰の迫力ある岩壁が特徴的で、その上を渡る稜線は眺めの良い道が続きます。初夏はヒメサユリが沢山咲くことで有名ですが、秋には紅葉を眺めながらの稜線歩きが人気です。
なお、この六十里越登山口から浅草岳まで至るコースは、距離やアップダウンもそこそこあり健脚者向けと言えますが、「鬼ヶ面山」までなら初心者でも十分登ることができると思います。
▼「浅草岳」へネズモチ平から登った時の記事はこちら▼
駐車場情報
国道252号の六十里越トンネルの新潟県側に駐車場があります。以前は砂利でしたが、今回訪れた時はきれいに舗装されていました。枠線はありませんが、約20台は駐車可能とのことです。ラインを引いて整備したらもっと駐車できそうな気がします。
なお、トイレはありませんので(上の写真の建物は東北電力の変電施設らしいです)、事前にコンビニなどで済ませてから行きましょう。
この日のコース
六十里越登山口 ⇒ 反射板 ⇒ 南岳 ⇒ 鬼ヶ面山 ⇒ 北岳 ⇒ ムジナ沢カッチ ⇒ 浅草岳前岳 ⇒ ムジナ沢カッチ ⇒ 北岳 ⇒ 鬼ヶ面山 ⇒ 南岳 ⇒ 反射板 ⇒ 六十里越登山口
往復距離:13.0km 累積標高差:(上り)1,530m(下り)1,530m
標準コースタイムは、往路4時間30分、復路3時間分です。
※往復距離と累積標高差は概測
六十里越登山口 ⇒ 鬼ヶ面山山頂
駐車場から国道252号を新潟県側に少し歩くと、「六十里越登山口」があります。登山ポストが目印です。ここで登山届を出してから登りましょう。
登り始めてすぐに大きな段差があります。体の小さな人は段差を越えるのに一苦労しそうですが、横の高くなっている箇所を木々を避けながら(掴まりながら?)登ると段差を回避できます。
大きな段差を越えてからは歩きやすい道になります。早くも紅葉がきれい。
少し登ると電線と鉄塔が見えてきます。このコース、前半に鉄塔や反射板など人工物がちょくちょく出てきます。
分岐があるので標識に従い右に曲がります。左は東北電力の作業道なので、間違えないように標識をしっかり確認しましょう。
紅葉を眺めながら緩やかな道を歩きます。
渡渉ポイントが何か所かありますが、一番水量が多い箇所でも特に問題なく通れます。
緩やかな道をテクテク歩いて行くと、また分岐があります。ここも標識に従って登って行きます。
分岐からちょっと登ると電線路の下に出ます。
鉄塔の立つ場所は広く開けています。
朝靄に包まれて鉄塔もいつもと違う印象に見えます。
鉄塔を過ぎると急登が続きます。
急登を登って行くと、マイクロ反射板があります。ここは広く開けているので休憩ポイントです。
少し休憩して、先へ進みます。遠くに浅草岳が見えます。
反射板から先はまた緩やかな道になります。
鉄塔が並ぶ横を進みます。左側が刈払いされていて見晴らしが良くなっていました。
なだらかな道をしばらく進むと分岐があるので、ここも標識に従って右へ。
そして分岐から再び急登。このコース、緩急の差が激しいです(笑)
時々見晴らしの良いポイントに来ると田子倉湖や周辺の山々の景色が。
黄葉のトンネルをぐいぐい登って行きます。
樹林帯を抜けると、紅葉している山々とその間に浮かぶ雲海、田子倉湖の景色。青空だし最高だなこれ。
「南岳」の荒々しい岸壁。
その奥には「浅草岳」。
細尾根を登って行きます。
「南岳」に到着。
「南岳」は広くありませんが、360°見晴らし抜群なので混んでいなければぜひ休憩して行きましょう。
「南岳」で景色を見渡して「鬼ヶ面山」へ向かいます。高度感のある稜線歩きで、少々足場の悪い箇所もあります。雨で道がぬかるんでいる時は要注意です。
「鬼ヶ面山」山頂に到着。標高1,465mです。「鬼ヶ面山」の山頂はあまり広くありませんが、風の強い日などは「南岳」よりも落ち着いて休憩できると思います。眺望は360°とはいきませんが、浅草岳や田子倉湖などがよく眺められます。
ここから浅草岳前岳までは標準コースタイムで2時間弱です。少々タフなアップダウンが続きます。体力や時間に不安を感じる人は無理せずここで下山しましょう。
鬼ヶ面山山頂 ⇒ 浅草岳(前岳)
それでは「鬼ヶ面山」から「浅草岳」を目指し進みます。
「浅草岳」がどんどん近づいてきます。ここから真っ直ぐ進めたら近いのに。
でも稜線上を歩いて行くので、左の方へ折れていくつかの峰を越える必要があります。奥に見える「北岳」の急登がこのコースで一番キツいところ。
まずは手前の峰に。ここからグッと下ってグワっと登ります。
鞍部から眺める景色。
途中にある洞穴。特に何もなかった記憶なので、そのまま通過。
ぐいぐい登ります。さっきまで涼しかったのに、日も上がってきて急登で汗が吹き出します。
「北岳」に到着。
でも「北岳」の本当の山頂はもうちょっと奥にあります。ちょっと藪漕ぎしなければならないのと、山頂には特に何もないのでこの日は行かず。
少しお腹が空いてきたので、ここで行動食。最近お気に入りの「えいようかんチョコ味」。食べやすいしあまりベトベトしないし、暑くても溶けないのでチョコが好きな人には特におススメです。
カロリー摂取して少し休憩もしたので進みます。再び下って行くのですが、この「北岳」からの下りが滑りやすくて毎回苦労します。この日は前日の雨でぬかるんでいたので、登りよりも疲れた気分でした。
鞍部に到達し、また登ります。むしろちょっとした登りの方が歩きやすい。
「浅草岳」の方からは見えない「ムジナ沢カッチ」の岩壁。ここも迫力あります。
「ムジナ沢カッチ」もなかなかの急登が続きます。
「貉沢(ムジナ)沢カッチ」に着きました。
目立たない所に標識。
ここも眺望が素晴らしい。
そしてカッチから先はまた下ります(笑)
岩壁の間から沢が田子倉湖方面へ伸びているのが見えます。
「前岳」手前で再び急登。鬱蒼とした登りにくい道が最後に控えていますが、あと少しなので無心でひたすら登ります(笑)
浅草岳「前岳」に到着。
ここで「桜ゾネコース」と合流。この季節は「桜ゾネコース」の草紅葉がきれいです。
この日は「浅草岳」山頂は行きませんでしたが、混んでいなければここから10分ぐらいで着きます。人が写り込まないタイミングで写真を撮っていますが、短時間に沢山の人が登って行ったので、あまり広くない山頂はけっこう混んでいたかもしれません。
浅草岳(前岳) ⇒ 六十里越登山口
人の少ないこの場所でおにぎりを食べて少し長めの休憩。涼しいそよ風を感じながらのホットコーヒーが美味しいです。
でも急登で火照った身体も、休んでいたらどんどん冷えてきたので慌ててジャケットを着ました。
それでは帰ります。
登ってきた稜線がよく分かります。
手裏剣のような形に見える田子倉湖は終始よく見えていました。
下山なのに登りが多いです(笑)
特にこの「北岳」。
滑りやすい急坂を今度は登って行きます。
「北岳」を越えるとだいぶ楽になります。
紅葉した山を眺めながら。
「鬼ヶ面山」から。
「南岳」手前の細尾根。
黄葉のトンネル。
反射板まで戻ってきました。
下山中に急激にお腹が空いてきたので、残っていたおにぎりを食べました。もう少しきれいに海苔を巻けばよかった(笑)
お腹も満たされたのでサクッと下ります。
終盤は紅葉を間近で眺めながら。
登山口に戻ってきました。おしまい。
鬼ヶ面山の感想
「鬼ヶ面山」はヒメサユリや紅葉の時季はとてもおすすめの山です。隣の「浅草岳」と比べると登る人は少ないですが、その分静かな山歩きが楽しめます。少々アップダウンが激しいですが、稜線上に出てからの見晴らしの良い山歩きは楽しいです。真夏は直射日光がきついので、春~初夏や秋がおススメです。
体力に自信の無い人は「浅草岳」まで行かずに「鬼ヶ面山」で折り返すのがよいでしょう。それでも高度感のある景色と山歩きは十分に楽しめると思います。
下山後に立ち寄る温泉
「寿和温泉」は温泉だけでなく温水プールもあったりする複合型温泉施設です。ここは内湯と露天風呂が別料金で切り離されているので、それぞれ入るには両方の料金を支払い、一度服を着て外に出る必要があります(笑)。なので私は毎回露天風呂だけ利用しています。
この日使用した主な道具
井村屋 チョコえいようかん
時間が無いときに簡単にカロリー補給できるミニようかんのチョコ味。水が無くても食べられます(あった方が良いですが)。最長5年間保存可能なので、災害備蓄品としてもおススメです。
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
「ARC'TERYX(アークテリクス) Delta LT Jacket」
冬の山での休憩中には急激に体が冷えます。登山中は暑くなって不要でも、休憩中にアウターの下に着られる薄手のフリースやダウンジャケットがあると良いです。バックパックに最低1枚は入れて行きましょう。
「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル」
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。