3PEAKS

新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

東洋一の大雪庇を眺めに「守門岳」(大岳~中津又岳)

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守門岳(すもんだけ)

・標高:(最高峰の袴岳)1,537m (大岳)1,432m

・所在地:新潟県魚沼市、長岡市、三条市

・「守門岳」は、大岳と青雲岳、袴岳の三つの峰からなる

・厳冬期の大雪庇は東洋一と言われるほど有名

・山開き後の5月下旬~10月までが夏道の適期

 

「守門岳」は冬の雪庇が有名で、”東洋一の大雪庇”と言われています。冬になるとこの大雪庇を眺めに多くの登山者とBCのスキーヤー、ボーダーが登ります。

この日は久々に自分の休日と新潟県内の天気がバッチリ。「大岳」と「中津又岳」を周回して雪庇と青空の雪山を楽しんできました。

 

 

駐車場情報

「大岳」まで登るのに最も近い登山口は「保久礼」登山口ですが、冬期は積雪量が凄くて車で途中までしかアクセスできません。魚沼市高倉から「二口」登山口方面へ進み、最終除雪地点手前に車をとめます。GoogleMapでは大体この辺↑

 

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終盤はすれ違いの厳しい道幅になっている箇所もあります。運転に不安がある人は慣れている人に連れて行ってもらいましょう。

 

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最終除雪地点手前には数台駐車できる分だけ除雪されています(あくまで除雪されている場合)。ここに駐車できない場合は、下方に路駐することになります。道幅が広めの場所を探し、なるべく端に寄せて駐車しましょう他の車が通れるスペースを確保して駐車しましょう

この日は平日でしたが、合計で20台以上は車があったと思います。ちなみに自分はいつもの寝坊癖で7時過ぎに到着したのですが、だいぶ下の方に駐車することになりました(笑)

平日でもこんな感じなので、休日で天気の良い日は早い時間でもかなり混雑します。

 

この日のコース

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最終除雪地点 ⇒ 長峰 ⇒ 保久礼小屋 ⇒ 大岳 ⇒ 中津又岳 ⇒ 保久礼小屋 ⇒ 長峰 ⇒ 最終除雪地点

往復(周回)距離:13.5km 累積標高差:(上り、下り)1,200m

このコースの標準タイムは不明です。雪の状態(積雪量、固さ、コースの変化など)によって大きく変化してきます。状態の良い日に登った場合、休憩込みで7~8時間位で登る人が多いようです。

 

「大岳」までのピストンの場合

往復(周回)距離:12.0km 累積標高差:(上り、下り)1,100m

「大岳」までのピストンの場合は距離と標高差の分だけ短縮できます。

 

※往復距離と累積標高差は概測

 

 

最終除雪地点~保久礼小屋

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最終除雪地点から雪壁を乗り越えます。

 

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壁を乗り越えた所で、必要であればアイゼンやワカン、スノーシューを着用します。この日は雪質も固めでしっかりしたトレースがあったのでツボ足でスタート。

なお、12本長爪アイゼンとスノーシュー、トレッキングポールを持って行きました。

 

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朝日が眩しい。久々の青空に気分が上がります。

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遠くに見える「大岳」までこれから登ることになります。しばらくなだらかな道(車道)を歩いて行きます。

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途中で橋を渡ります。橋の柵も雪に埋まっています。

 

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車道から外れ山道に入ります。急坂を登って尾根道に入ります。

 

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急坂を登った所で暑くなってきたので、中に着こんでいたダウンを脱ぎました。

 

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尾根上を進みます。

 

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林道歩きになり、なだらかな登りがしばらく続きます。ここの区間は完全に雪上お散歩気分でのんびり歩けます。

 

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林道歩きが終わり、「長峰」へ取り付きます。

 

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「長峰」の尾根に上がると緩やかなアップダウンの道が続きます。見晴らしも良くなり、天気が良ければ歩くのが楽しいポイントです。

 

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横を眺めると「八海山」や「越後駒ヶ岳」などがよく見えます。

 

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尾根上ののんびり歩きが終わり、少し下って「保久礼小屋」の地点へ。

 

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無人避難小屋の「保久礼小屋」です。冬期は屋根に雪がこんな感じで積もるのでその見た目から”角煮”と呼ばれています。ちなみに2階建ての小屋です。今シーズンは雪が多かったので”角煮も育ちましたね。

ここで一旦小休止。

 

夏期の守門岳と保久礼小屋はこちらをご参照ください↓

 

 

 

 

保久礼小屋~大岳山頂

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「保久礼小屋」から坂の勾配が徐々に上がって行きます。

 

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さらに踏み抜くことが多くなってきたので、ここでスノーシュー装着。

 

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元々雪質も固めだったのもありますが、スノーシューを履くことで踏み抜くことがほぼなくなりました。

 

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色んな方向にトレースがあり、どう進もうか悩みながら進みます。踏み跡の多いトレースは凸凹だらけで逆に歩きにくかったりしたので、踏み跡の少ないトレースやノントレースを歩いたり試行錯誤しながら登りました。

 

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「キビタキ避難小屋」が埋没している辺り。完全に埋まっていて屋根すらも見えませんでした。

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樹林帯を抜けた辺りから急激に体調が悪くなってきて大幅にペースダウン。

 

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休憩をちょこちょこ挟みながら景色を楽しみつつちょっとずつ登って行きます。

 

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無風で想定以上に暑いからかなと上着も脱ぎます。

 

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それでも足が進みません。山頂までそれほど距離が無いのに。最近登ってなかったから体力が落ちてしまったのかなぁなどボーっとした頭で色々考えます。

 

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「あ、そういえば今日何も食べてない!」とここでようやくシャリバテだったことに気づき、腰を下ろして行動食のブラックサンダーを3個食べながら10分ほど休憩。

 

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低血糖状態だったのでしょうか。糖分摂って少し休んだらかなり楽になりました。「大岳」山頂も見えてきたし、右横には大雪庇も少し顔を覗かせてきました。

 

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左を見ると「大岳」の後に行く予定の「中津又岳」も見えます。

 

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あともうちょっと!

 

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「大岳」山頂(標高1,432m)にとうちゃーく!雪庇どーん!

 

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冬の「大岳」には3回登っていますが、この日が一番疲れました。雪質も今までで一番登りやすい感じだったのに。皆さん、ご飯をちゃんと食べてから登りましょう。

ということで、自分にお疲れ様のコーラ。雪で冷やしたコーラで火照った身体を一気に冷やしました。

 

大岳~中津又岳~最終除雪地点

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「大岳」に着いてからは写真撮影会。雪庇を踏み抜いてしまう危険があるので、あんまり前に出過ぎないように気をつけます。

 

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登り返すのが面倒だったので、少しだけ「青雲岳」方面に下って撮ってみます。稜線上にずっと雪庇が続いているのがよく分かります。

 

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霞んできてしまいましたが、「越後駒ヶ岳」や「八海山」も良く見えました。ちなみに「中ノ岳」はここからの角度からだとほとんど見えません。

 

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麓の方面を眺めても山が多いです(笑)遠くに薄ら見える白い山は「米山」。

 

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この後に進む「中津又岳」方面。奥には「粟ヶ岳」もよく見えます。

 

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この日のカップ麺は銀座「篝」の鶏白湯soba。美味しかったですが、やっぱりお店で食べたいなぁ。

 

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カロリーしっかり摂取したのでもうシャリバテの心配もありません。「中津又岳」方面へ向かいます。ちなみに多くの登山者は「大岳」ピストンですが、余裕がある人はぜひ「中津又岳」も周回してみてください。めちゃんこ余裕のある人は、「青雲岳」や「袴岳」を目指しましょう。ただし、無理はしないように。

 

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鞍部から眺める景色も好きです。

 

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ここも雪庇からなるべく離れて歩きます。

 

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途中で「大岳」方面へ振り返ったところ。点のように見える登山者。雪庇の大きさがよく分かります。

 

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「中津又岳」山頂手前で雪庇にパックリ割れたクラックがありました。近づくのは危険なのでズームで。

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別の角度から。こんなにきれいな断面のクラックは久々に見ました。

 

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「中津又岳」(標高1,388m)に到着。

 

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ここから眺めると雪庇がぐるーっと長く続いているのがよく分かります。ドローンで空撮して全景を眺めてみたい。ドローン持ってないけど。

 

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クラックと雪庇をズームで。自然の作り出す迫力ある造形は美しくもあり、怖さも感じます。右上に写っている人との対比でその大きさと迫力がよく分かります。

 

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雪庇の景色を堪能したので下山します。広大な雪原を下って行きます。

 

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所々急斜面では100均で買ったアルミシートをソリ代わりにして滑り降りました。楽だし、時間短縮。

 

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気温も上昇して雪が緩くなってきました。ツボ足の踏み抜き跡が沢山ありましたが、スノーシューのおかげでサクサク歩けました。

 

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「保久礼小屋」手前の下りがけっこうな急坂。ここがこの日一番歩きづらかったです。スノーシューは大きいので急坂の下りにはあまり向いていません。

 

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「保久礼小屋」に戻ってきました。

 

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「保久礼小屋」からは往路と同じルートで戻りました。下山ですが少しだけ登り返し。

 

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後は景色を眺めながらゆるゆる下って行きます。

 

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BCの人たちが描くシュプールも絵になります。

 

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序盤の橋まで戻ってきました。

 

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最終除雪地点に到着。ここでスノーシューを外して車へ戻りました。途中シャリバテで苦しみましたが、天気も景色も良く楽しく歩けました。おしまい。

 

 

冬の守門岳(大岳)の感想

冬期の守門は雪が多いため通常の登山口まで辿り着くまでが長いです。ある程度雪山歩きに慣れている人、そこそこ長い距離を歩ける体力のある人以外にはおススメしません。雪の状態や天気によっては「大岳」まででもとても厳しい登山になります。

でも天気が良ければ大雪庇をはじめとした素晴らしい景色を楽しめるので、ある程度経験を積んだ人にはぜひ登ってほしい山です。なるべく朝早く登り出すようにしましょう。

最初は「大岳」までのピストンがよいと思いますが、余裕があれば「中津又岳」周回もおススメです。体力バリバリで時間にも余裕がある場合は最高峰の「袴岳」まで目指すのもよいでしょう。ただし、体力と時間を考慮して安全な登山を心掛けましょう。

 

 

この日使用した主な道具

MSR REVO エクスプローラー

「エクスプローラー」シリーズはMSRのスノーシューの中で比較的緩やかな斜面への登り向けのモデルです。脱着がとても簡単です。より登攀に向いているのは「アッセント」シリーズです。スノーシューはお高い(特にMSR)ので焦って購入せず、色々と調べて専門店の店員さんなど詳しい人に聞いて購入しましょう。

なお、シーズンに入ると在庫も減ってネットなどでは通常よりも高い値段で販売されていたりするので、シーズン前に購入することをおススメします。

 

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暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。