嵩山(たけやま)
・標高:789m
・所在地:群馬県中之条町
・様々な岩場鎖場を巡ることで距離や標高差以上の充実感を味わえる
・随所に見晴らしの良いポイントがあるのも魅力
・道の駅「霊山たけやま」から登るのが一般的
せっかくの休日なのに、新潟県内で予定していた山行が雨で中止に。こんな時に頼りになるのが群馬県。隣県はどこも天気予報がいまいちでしたが、群馬は天気が良さげ。
手軽に登れて楽しい「嵩山」というお山があるので、ドライブも兼ねて行ってきました。
駐車場情報
駐車場は、群馬県中之条町の道の駅「霊山たけやま」を利用しました。ここで標高が540m程あります。道の駅だけあって、トイレも自動販売機もあるし、地産の野菜なども買うことができます。蕎麦屋もあります。子どもが遊べる遊具も設置されています。
毎年4月下旬~5月中旬には、道の駅と嵩山の間に鯉のぼりが揚げられます。
この日のコース
道の駅駐車場 ⇒ 西の峰(小天狗) ⇒ 不動岩 ⇒ 中の峰(中天狗) ⇒ 経塚 ⇒ 烏帽子岩 ⇒ 五郎岩 ⇒ 経塚 ⇒ 東の峰(大天狗、嵩山山頂) ⇒ 経塚 ⇒ 弥勒穴 ⇒ 胎内くぐり ⇒ 道の駅駐車場
往復距離:3.5km
累積標高差:(上り/下り)510m/510m
このコースでの標準コースタイムは、上り1時間50分、下り1時間20分だそうです。
※往復距離と累積標高差は概測
道の駅~小天狗~不動岩
道の駅の建物裏にある「表登山口」へ進みます。道の横にある青い箱には竹の杖やスキーポールが入れてあり、自由に使えるようです。
遊具もあり、沢山の親御連れで賑わっていました。長い滑り台を見ると滑りたい衝動に駆られますがグッと我慢(笑)
岩登り禁止の大きな看板が立っていました。この山は一時ロッククライミングで人気だったようですが、霊山を守ろうと信仰者の方々によって岩登りが禁止されたそうです。
その裏に「一番」と書かれた標識があります。33体あるという観音像巡りが始まります。巨岩の下に「一番」の観音像がありました。像がいくつもあってどれが一番の観音像?状態。たぶん一番右。
登山道へ戻り、なだらかな樹林帯をゆるゆる登って行きます。急登箇所では階段も整備されており、とても登りやすい道が続きます。
途中にこんなものが掲示されています。東京スカイツリーと高さを比較したがるのは新潟県でもよく見かけます(笑)
要所でこの地図が設置されているので、今どの位置にいるのか、33体の観音像がどこらへんにあるのかよく分かります。というか、これを見ないと観音像がどこにあるのか探すのにとても苦労します。「三十三番」だけ異様に遠いのはなぜか。
途中からつづら折りの道に変わります。
つづら折りの道が終わると、岩場に『岩登り禁止』の看板があります。「一休さん」の『このはし渡るべからず』という看板を思い出しました(笑)
そこに「二番」の観音像への小径があったので行ってみました。
滑りやすい道を下って行くと大きな岩があり、その岩の下に「二番」観音像。
登山道へ戻って、少し先に「三番」の標識。
標識の方向へ進むと今度は頭上に大きな岩。観音像はどこだー。
ありました!こんな風に、まるで宝探しでもするように観音像巡りを楽しむことができます。
再び登山道へ。もう「八合目」。
観音像探しをしながらのんびり歩いていると、徐々に空も広がってきました。
「天狗の広場」という広い分岐に着きました。左は「小天狗」、右は「大天狗」と書かれているので、まずは左へ。
「小天狗」の手前には展望台と東屋があります。
ではその先の「小天狗」へ。
ちょっとした岩場を登るとすぐに「小天狗」に着きます。
「小天狗」の岩の上はちょっと狭いけど、とても良い見晴らし!
「榛名山」の山々が特徴的。
下の方には次に行く「不動岩」。初めて来た時は、「あれ登れるのかな…」と不安になったものです。
冠雪している「浅間山」がきれいに見えました。
「大天狗」方面。ではそろそろ下ります。
「小天狗」手前の分岐まで戻り、「不動岩」方面へ。
観音像を探しながら歩きます。
「不動岩」手前まで来ました。
「不動岩」はこの日回ったルートの中で一番スリルがある感じです。高所恐怖症の人、鎖場に慣れていない人は無理しない方が良いでしょう。
「不動岩」のてっぺんに登りました。観音像ではなく、不動明王像があります。
先ほど立っていた「小天狗」が見えます。「不動岩」の方が下の位置にありますが、ここも見晴らしがとても良いです。ただし、狭いので混んでいる時は速やかに下りないと後がつかえてしまいます。
不動岩~中天狗~烏帽子岩~五郎岩
「不動岩」から下りる時はちょっと緊張(汗)
「天狗の広場」まで、来た道と違うルートで戻りました。途中で「石門」があります。
「石門」といっても、巨岩が積み重なった隙間です。一人通れるぐらいの大きさ。先ほど不動岩へ向かった道とつながっています。
通り道に分かりやすく立っている観音像もあります。
「天狗の広場」に戻ってきました。
「大天狗」方面へ進みます。
途中に東屋と「三社神社」があります。
途中の分岐で「中天狗」(右)経由のルートを進みました。
「中天狗」。この奥に「大天狗」方面へつながる道があります。
「中天狗」のちょっと下の方に見晴らしの良いポイントがあります。
さらにその下の方に「弘法の筆跡」があるという岩があります。写真と見比べてみますが、どれが筆跡なのかいまいち分かりません(笑)
「中天狗」へ戻り、奥の道から「大天狗」方面へ。
見晴らしの良いポイントがちょくちょく出てきて楽しいです。
コの字型に並んだ観音群が見えてきます。
「実城の平」と呼ばれる嵩山城の山城本丸跡だそうです。
「経塚」手前にある東屋。
いよいよ「大天狗」へと思って向かったら、まさかの大渋滞。どうやら団体でカラビナの掛け替えやロープワークなどの練習をしている模様。なぜここでやるのか…
ということで、後で周る予定だった「烏帽子岩」と「五郎岩」に行くことに。
以前訪れた時はスルーしていた「烏帽子岩」。登れるのかな~と思いながらぐるっと裏へ回ってみましたが、これはちょっと登れなそう。下から見上げると本当に烏帽子のようです。
よく見ると、前回来たときに拝めなかった「二十七番」がありました。
「烏帽子岩」を後にして「五郎岩」へ。
五郎岩の手前。「二十八番」がありますが、さてどこでしょう。
「五郎岩」に登ったところで休憩。ここは比較的広めで見晴らしの良い場所もあります。
渋滞がなくなるまで時間つぶしのため「五郎岩」でまったり。道の駅で買った「ピリ辛野沢菜まんじゅう」を食します。麓で蕎麦を食べたばかりだったので、なぜ甘い饅頭にしなかったのかちょっと後悔。美味しかったですが(笑)
休憩後、「五郎岩」の周りに3体ある観音像を探しました。
さて「三十番」観音像はどこでしょう?
五郎岩~大天狗(嵩山山頂)~道の駅
しばらく時間をつぶしたのでそろそろいいかな?と、「大天狗」方面へ戻りました。
「経塚」から「大天狗」へ登ります。
「大天狗」には少し長めの岩場を登って行きます。鎖が設置されていますが、傾斜はそれほどでないですし、ホールドもあるので慣れている人なら鎖を使わずに登れます。
ちなみに、岩場を通らずに登れる迂回路も横にあります(笑)
岩場を登り切り少し歩くと「嵩山」山頂の「大天狗」に到着(標高789m)。
せっかくなので山頂の岩にも登ってみます。鎖がありますが、横の割れ目から割と簡単に登れたりします。
ちょっと曇り気味になってきましたが、良い眺めです。
ゴルフ場が見えます。
先程までいた「烏帽子岩」と「五郎岩」。
それでは下ります。
岩場を登ってきている人たちの邪魔にならないように、迂回路から下りました。
「経塚」まで戻り、そこから「東登山口」方面へ。
つづら折りに下りて行きます。大きくハングした岩の下に観音像がいくつかあるのですが、通行止めのためスルーします。
下っている途中で「十九番」と「二十番」へ寄り道。
急峻な岩場を鎖を使って縦に登ると「十九番」。その後、横に伝って穴の中に「二十番」。
登っている途中、上の方に大きなスズメバチの巣に気づく。こんな不安定な場所でスズメバチに襲われたら嫌なので、「二十番」を拝まずにそそくさと下りました...
登山道へ戻り、「胎内くぐりから小天狗へ」と書かれた標識の方へ進みます。
岩の下にひっそりと「十八番」。設置した人も楽しんでいるとしか思えない(笑)
「胎内くぐり」へ。
滑りやすい土の坂を鎖を使って登って行くと、「十一・十二・十三番」観音像。
その奥に「胎内くぐり」。狭いのでバックパックをおろして横向きに通ります。いざ、メタボ判定。
無事に通れました(笑)
その後、「三社神社」のある東屋まで戻りました。
「小天狗」を経て、序盤に登ってきた道を下りました。
「表登山口」から道の駅まで戻ってきました。
せっかくなので「東登山口」も紹介。
「東登山口」です。登山口周辺は広く、東屋が2つあります。こちらを利用して登るのもおすすめです。
嵩山の感想
「嵩山」は距離や標高差があまり無いので、初心者でも簡単に周回できます。岩場や鎖場が苦手な人は無理に登らずに、安全なルートだけ歩くこともできます。休憩ポイントも沢山あります。奇岩を眺めたり、観音像探しをしながら歩くだけでもけっこう楽しいです。ちなみに33体ある観音像のうち、この日確認できたのは7割ぐらいでした。
天気が良ければ、短時間で素晴らしい眺望を楽しむことができるので、ぜひ登ってみてください。
この日使用した主な道具
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
鎖場ではグローブをしていると手を保護できるし、滑り止めが効いて鎖を握りやすいです。
サロモン TRAILBLAZER 20
超軽量バックパックです。今回のように鎖場や狭い箇所を通過する日帰りトレッキングの場合は、コンパクトな装備で行くと楽です。
サロモン(SALOMON)X ULTRA PIONEER MID GORE-TEX
この日履いていったシューズの後継モデル。片足重量410g(27.0cmの場合)程度と軽いです。フィット感良く、ゴアなので多少の雨やぬかるみでも問題ありません。蒸れも軽減。
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簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。