立山 雄山(たてやま おやま)
・標高:3,003m
・所在地:富山県中新川郡立山町芦峅寺
・立山は日本百名山、新日本百名山、花の百名山
・雄山山頂には「雄山神社本宮」がある
・「立山」という独立峰はなく、一般的には「雄山」「大汝山」「富士ノ折立」を総称して立山と呼んだり、連峰一帯と室堂などを含めて立山と呼ぶこともある。
梅雨に突入した6月中旬、つかの間の晴れ予報が出ていた「立山」で、室堂から雄山~別山まで周回してこようと計画。ウキウキ気分で深夜帯に車で移動して「立山駅」付近の駐車場で車中泊。
翌朝起きて天気予報を確認したら、室堂および山頂はほぼ一日中曇り予報。曇り空だと登る気が急激になくなってしまう私。「やめようかな...」とちょっと悩みましたが、さすがにこのまま帰るのももったいないので、周回の計画を省略して室堂~雄山までピストンしてきました。
駐車場情報
富山側から向かう場合は、富山地方鉄道「立山駅」を起点にします。いつも立山駅とトイレに近い第1、第2無料駐車場にとめます。他にも駐車場が沢山あるのですが、ちょっと離れてしまいます。
第1、2駐車場の道路を挟んで向かい側に公共トイレがあります。近隣にコンビニなどないので、車中泊の場合のトイレはここを利用します。
立山駅から室堂ターミナルまで
始発の40分前から当日切符を販売するとのことなので、その時間に駅へ向かいます。
日によっては、かなり前の時間から行列ができていることもありますが、この日は混雑期ではない平日だったのですんなりと切符を購入できました。
富山県側の「立山駅」から「室堂」の往復乗車券です。黒部ダムなど観光もしたいという場合は、長野県側の「扇沢駅」を起点にするとよいでしょう。
※室堂までのアルペンルート行程は、立山駅からの方が乗り換えが少ないです。
【富山側】立山駅(ケーブルカー)→美女平(バス)→室堂
【長野側】扇沢駅(バス)→黒部ダム(徒歩)→黒部湖(ケーブルカー)→黒部平(ロープウェイ)→大観峰(バス)→室堂
燕が駅構内を飛び回っていました(笑)
喫茶コーナーや土産物の売店などあります。
自分の購入したチケットの時間が呼び出されるまで改札を通れないので、フロアで時間を潰します。アルペンルートの時刻表も置いてあるので、帰りの時間もチェックしておきましょう。
時間になったので改札でチケットチェックしてケーブルカーに乗り込みます。乗車時間は約7分で「美女平」に着きます。
「美女平」でバスに乗り換えます。バスの乗車時間は約50分で「室堂」に到着です。
「雪の大谷ウォーク」はここら辺が最高地点。2019年のピークは16mで、この日は9mだそうです。4月のオープン時が最も高いですが、5月中旬までが見頃かなーと思います。
「室堂ターミナル」に到着しました。青空も見えますが、山の方は完全にガスってました...
この日のコース
室堂ターミナル ⇒ ミクリガ池 ⇒ 室堂山荘 ⇒ 一ノ越山荘 ⇒ 雄山山頂
⇒ 一ノ越山荘 ⇒ 室堂山荘 ⇒ 室堂ターミナル
往復(周回)距離:5.2km 累積標高差:(上り)735m (下り)730m
標準コースタイムは、上り2時間00分、下り1時間45分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※室堂ターミナルまでの交通機関の移動は含まれていません
室堂ターミナル ⇒ 一ノ越
「雄山」は右の方ですが、ちょっと回り道して左の「ミクリガ池」方面へ行きました。
時間を潰している間にガスが抜けないかな。
「ミクリガ池」にはまだ雪が積もっていました。この日は曇り気味だったのでイマイチでしたが、夏の天気の良い日は湖面がとてもきれいに見えます。
それでは雄山へ向かいます。ちょっと青空広がってきた!
しばらく進むと「室堂山荘」が見えてきます。山荘の手前で右へ曲がります。
先にスタートした人たちが遠くの方に見えます。山の鞍部には最初の目的地「一ノ越山荘」が見えます。あそこまで1時間ぐらい歩きます。
8月になるとここら辺りも夏道の石畳になると思います。雪がゆるゆるで若干歩きにくいですが、傾斜があまりないのでツボ足で歩きます。
ちょっと振り返ってみる。
途中にあるベンチ。ここから先もツボ足で行けそうでしたが、傾斜がそこそこありそうだったので軽アイゼン装着。
やっぱりアイゼンを履くと登りが楽です。サクサク登れます。
一ノ越手前で雪が無くなり夏道になったのでアイゼンを外しました。
「一ノ越」に到着しました。「一ノ越山荘」があります。
山頂までの登りの前に一息入れましょう。山頂が見えていますが、あそこまで標高差約300m。標準コースタイムで1時間ぐらいかかります。 手前の建物はトイレですが、まだ冬囲いされた状態で使用できませんでした。
一ノ越 ⇒ 雄山山頂
それでは雄山山頂へ登り再開。ガレ場の急坂が続くので、石を落とさないように気をつけて歩きます。
ペンキマークに従って登って行きます。
割と早く山頂の建物が見えます。
「三ノ越」はなだらかな休憩ポイント。「一ノ越」から山頂までのちょうど半分くらいです。
青空!
でもまたガッスガス。
「四ノ越」の祠。あともうちょっとです。
「五ノ越」に到着です!雄山神社本宮と社務所があります。社務所が開いているのは7~9月のみです。その期間は参拝料を支払ってお祓いをしてもらえます。
山頂は鳥居の先の本宮です。柵があり通れないように見えますが、開いている箇所があるのでそこを通って登ります。
雄山の山頂に到着です!標高3,003m。令和になって初の3,000m峰でした。
雄山山頂 ⇒ 室堂ターミナル
晴れていれば壮大な景色が眺められるのですが、ガッスガス...とりあえず社務所前まで下ります。
鳥居手前に標柱があり、左へ進むと「大汝山」への縦走路があります。
「大汝山」は連峰最高峰の3,015mです。雄山~大汝山は往復で40分くらいなので、余裕があればぜひ行ってみましょう。
晴れるのを期待して昼食を食べたりブラブラしながら待機。強風でガスの流れが速いのですが、山にかかる雲が消えてくれません。
一瞬だけですが、「別山」の奥に「剱岳」もチラリ。少しでも見れて良かった!
室堂方面は少しずつ青空が広がっていました。いい景色ですね~。
一瞬見えた「針ノ木岳」、「蓮華岳」などの北アの山々。
山座同定もこのガスではほとんどできません(涙)
晴れないけど、日差しもあるからまだいい方か。
晴れそうで晴れない。では下山します。
「一ノ越」までのガレ場の急坂は滑りやすいので慎重に下山します。自分が転ばないようにするのと、石を落として下の人に当たらないように注意が必要です。
「ミクリガ池」が見えます。
一ノ越山荘とその奥に「浄土山」、「龍王山」。
「一ノ越」まで戻って来ました。ここから「室堂」まで戻ります。
帰りの雪道は、滑るように下りたのであっという間。
ガスが多くて分かりにくいですが、立山のスケール感は凄いです。
ここは斜面に細い道が刻んであるだけなので、滑り落ちないように少し慎重に歩きました。
室堂山荘が見えてきました。
帰りは山荘前には行かず、そのまま「室堂ターミナル」の方へ進みました。
ターミナルへ戻ってきました。観光客が沢山!
室堂ターミナル ⇒ 立山駅
ターミナル内は海外からの旅行客が沢山。むしろ日本人が少ない(笑)
「雪の大谷フェスティバル」はここから外に下ります。
もうだいぶ低くなった大谷ウォークですが、沢山の人が列をなしていました。数年前のピーク時に見に行っているので、今回はパス。
これはターミナル内のディスプレイを撮影したものですが、さすがにここまで凄いのは見たことありません。
そういえば今日は見ていない雷鳥。雷鳥平の方へ行くと結構います。(これもターミナルのディスプレイ)
長野方面(黒部ダムなど)の改札。私は逆側の富山方面改札からバスに乗り込みます。
「美女平」でバスからケーブルカーに乗り換え。
「立山駅」に戻ってきました。
その後温泉で汗を流して、白エビ天丼を食べて帰りました。終始ガスが多い日でしたが、楽しかったです。おしまい。
立山(雄山)の感想
立山は雪が消えるのが遅いので、この時季でも残雪歩きが楽しめます。当然、下界よりもかなり涼しい(寒い)ので、きちんと防寒装備を持って行きましょう。
夏になると色々な高山植物が花を咲かせます。ミクリガ池もとてもきれいです。また、今回は雄山しか登りませんでしたが、天気が良くて体力が十分であれば、ぜひ雄山~大汝山~富士ノ折立~真砂岳~別山と周回してみてください。ダイナミックな稜線歩きと間近で剱岳が眺められます。
▼夏に雄山~別山を周回した記事はこちら▼
下山後に立ち寄る温泉
少し街中へ下りますが、駐車場も広く露天風呂が気持ちいいのでおススメです。
この日使用した主な道具
oxtos 6本爪ラチェット式アイゼン
6本爪の軽アイゼン。ラチェット式なので装着が簡単です。
Black Diamond ストームライン ストレッチレインシェル
撥水性があって軽量のストレッチジャケットです。脇下にベンチレーションもあるので体温調節がしやすいです。厳冬期には薄いので、春~秋用です。
THE NORTH FACE バーブパンツ
適度な厚みがあって撥水性もあるので残雪期には最適なパンツだと思います。ストレッチ性もあるので、厚みを感じないぐらい動きやすいです。
SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック
作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。
サーモス 山専用ステンレスボトル900ml
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。