テムレスの魅力
冬山に登る人には認知度が高い防寒手袋、SHOWAのテムレス。元々は寒い時季に冷たい水や雪、氷を扱う業務向けに作られた「防寒テムレス」が、冬山登山向けに改良されて「TEMRES」として今では登山用品店で普通に見かけるようになりました。
「薄くて軽くて疲れにくい!」というキャッチフレーズどおり扱いやすいことと、薄いのにとても暖かく、かつ透湿性もあって蒸れにくい、コストパフォーマンスが高いと魅力が満載のテムレス。雪山登山でも愛用する人が増えています。
- 薄くて軽くて疲れにくい!
- 寒くても柔らかく暖かい
- 透湿性能があるので蒸れにくい
- コストパフォーマンスが高い
- 雪山登山向けのモデルも発売
- その他のウインターアクティビティでも便利
- 雪かき、雪おろしにもとても便利
- まとめ
- 今回紹介した製品
薄くて軽くて疲れにくい!
雪用のグローブは防水性や保温性が高くないといけません。ほとんどのグローブではその分厚みがあったり、重さが増したりします。短時間のちょっとした運動や作業の場合はそれでも大丈夫でしょうが、雪山登山や降雪時の作業など長時間に及ぶとなるべく軽い方が疲れにくいです。薄手の方がアイゼンやスノーシュー、ワカン等のギア脱着がスムーズにできます。
寒くても柔らかく暖かい
外側は防水ポリウレタン、中間層は発泡ポリウレタン、内側は柔らかいボアタイプの裏起毛になっているので、風を通さず水分を弾きとても暖かいです。雪や氷を触っていても平気です。
また、マイナス60℃の環境下でも柔らかさを保つと言われているので、寒さの厳しい状況でもグローブが固くなって扱いづらくなるということがありません。
透湿性能があるので蒸れにくい
防水性や保温性の高いグローブでは、汗をかくと内側が蒸れて不快に感じることが多いのですが、テムレスは特殊なポリウレタンを使用していて透湿性も高いので、比較的蒸れにくいです。
これは結構大事なポイントで、蒸れて不快に感じる→グローブを外す→外したら手が冷える→またグローブをつける→内部は湿ったまま冷えてしまうので手が温まりにくい といった悪循環に陥ることがあります。蒸れをなるべく防ぐことで長時間快適に過ごすことができます。
コストパフォーマンスが高い
雪山登山に限らず、ウインターアクティビティは色々と道具を揃えなければならないので、なるべく費用を抑えたくなります。安い物を買うと機能性が劣っていることが多いのですが、テムレスではそのようなことが無いばかりか、逆に上回っている部分もあります。
雪山登山向けのモデルも発売
オリジナルの防寒テムレスは上の画像のとおり「防寒テムレス」とプリントされているのと、この鮮やかなブルーがいかにも業務用っぽいということで、雪山登山者の中でも一部のコアなユーザーのみに受け入れられている製品でした。
その機能性が注目を集め続け、雪山登山者やアイスクライマー等から他のカラーやデザインを求める多くの声がショーワグローブに寄せられたそうです。
そして2018年に「TEMRES 01 WINTER」の前モデルである「TEMRES 282-01」が発売されました。色はブラックで、プリントも「TEMRES」表記になりこれまで避けていたユーザーも購入するようになりました(私もその一人です)。当初は店頭で品薄状態が続き、メルカリやネットオークションで高値で売買されていた時期もありました。
現在は進化型の「TEMRES 02 WINTER」が発売されています。カフやドローコード、左右のグローブをつなぐバックルが備わり、さらに雪山登山向けとなったモデルです。
今では冬になるとほとんどの登山用品店で普通に売られるようになりました。しかもモデルも増えています。
その他のウインターアクティビティでも便利
雪山登山以外のウインターアクティビティでも使用者が増えているようです。私が見聞きしただけでも以下のものがあります。
・スキー、スノーボード
・釣り
・ロードバイク
・キャンプ(テント設営)
※キャンプではテントの設営時に使うのが便利ですが、ポリウレタンでできているので、防火性はありません。燃焼が拡大する危険性があるので、火気を扱うシーンでは使用しないようにしましょう。
雪かき、雪おろしにもとても便利
雪国で暮らしていると、冬は当然雪かきをすることになります。テムレスを使い始めるまでは、スキーグローブ等を使用していたのですが、生地が厚いのでスコップやスノーブラシが握りにくかったりします。でもテムレスは薄いので握りやすいです。
また、特殊な加工がされていてスベリ止め効果もあるので、道具が手から落ちにくいです。
それと、防水性が非常に高いので、雪や水に長時間触れても中に浸み込んできません。車の雪おろしをする時に、スノーブラシでは処理しにくい細かな箇所があるのですが、テムレスを装着した手でガシガシ雪を落とせます。
ついでに言うと、冬にタイヤ交換をしたり、タイヤチェーンを着けたりするのは手がかじかんでとても大変ですが、そんな時でも手が暖かい状態で作業できます。
まとめ
防寒テムレスはこのようにメリットが沢山ある冬用グローブです。見た目がどうしても気に入らないという人には向きませんが、そうでなければぜひ使ってみてもらいたいと思います。
ただし、厳冬期の荒れた天候ではテムレス1枚だけではちょっと保温性に心配な場合もあります。寒さの厳しい雪山山行の場合は、インナーグローブも装着することをおススメします。その場合、インナーグローブ分だけ大きさが増すので、通常より1サイズ大き目のテムレスを購入すると良いです。
今回紹介した製品
防寒テムレス
オリジナルの防寒テムレスはこちら。まず何と言ってもその安さが魅力です。思い切り「防寒テムレス」とプリントされているのと、このブルーの色がいかにも業務用っぽいのですが、逆にダサかっこいいと雪山登山でも使い続ける人が多いです。
TEMRES 01 WINTER
雪山登山向けに開発された防寒テムレス。機能性はそのままに、色はブラックになり、プリントも「TEMRES」表記になり、業務用っぽさがかなりなくなりました。オリジナルの防寒テムレスより少し高いですが、それでも大手ブランドのオーバーグローブと比べるとかなり安価です。
TEMRES 02 WINTER
上記の「01 WINTER」の進化版。カフが付いてさらにドローコードで袖口を絞れるようになったので、雪の侵入を防ぐことができます。また、コードにはバックルもついていて、左右のグローブをつないでおけます。