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残雪期「遠見尾根」で”武田菱”と後立山連峰を眺める(小遠見山~大遠見山)

遠見尾根(とおみおね)

・標高:2,106m(この日の最終地点の大遠見山)

・所在地:長野県北安曇郡白馬村

・白馬五竜スキー場のテレキャビンを利用して手軽に絶景ハイキングできる

・「五竜岳」、「鹿島槍ヶ岳」等の名峰を眺めながら登れる

・残雪期の「五竜岳」に現れる”武田菱”がよく見える

 

今シーズンは序盤にドカンと大雪が降ったりしましたが、雪解けも早く既に4月のような雰囲気です。「五竜岳」の”武田菱”の見頃も早めに迎えているようだったので、久々に「遠見尾根」へ行ってきました。

「五竜岳」へ登る際の通過点という印象の「遠見尾根」ですが、雪がある時期は白く染まった後立山連峰を眺めながらの尾根ハイクで人気です。テレキャビン(ゴンドラ)で標高を稼げるのも大きなポイントです。

 

 

駐車場情報

「白馬五竜スキー場」の駐車場に到着。スキー場なので目の前に広大な無料駐車場があります。ただし、好天時の土日祝日になると近くの第1~3駐車場が早々に満車になり、下方に離れた第4駐車場になることも。早めの時間に行かれることをお勧めします。

 

【公共交通機関を利用する場合】

公共交通機関でもアクセスしやすいスキー場です。頑張れば最寄の「神城駅」から歩いて行けます。無料のシャトルバスも出ています。詳しくは、スキー場のWebサイトをご確認ください↓

 

この日のコース

とおみ駅 ⇒(五竜テレキャビン)⇒ アルプス平駅 ⇒乗り換え(歩)⇒(リフト) ⇒ 地蔵の頭 ⇒ 一ノ背髪 ⇒ 小遠見山 ⇒ 中遠見山 ⇒ 大遠見山 ⇒ 中遠見山 ⇒ 小遠見山 ⇒ 一ノ背髪 ⇒ 地蔵の頭 ⇒ アルプス平駅 ⇒(五竜テレキャビン)⇒ とおみ駅

 

往復(周回)距離:7.6km 累積標高差:(上り)740m(下り)840m

標準コースタイム(夏期)は、往路2時間40分、復路2時間20分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測です

※ゴンドラ、リフト乗車時の距離と標高差、時間は含んでいません

※積雪時は夏期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう

 

 

とおみ駅 ⇒ アルプス平駅 ⇒ 地蔵の頭

テレキャビン営業開始の30分前に「とおみ駅」に着いたら、既に物凄い行列(笑)

 

営業開始時間になって「とおみ駅」内へ行列が進んでいきます。トレッキング目的の人は、改札でテレキャビン往復のチケットを購入するので時間がかかります。

既にICチケット(1日券等)を持っているスキーヤーやボーダーは、スムーズに進んでテレキャビンへ乗り込みます。

 

念のためテレキャビン最終時間を確認しておきます。

 

階段の途中で登山ポストがあるのですが、チケット購入の行列に並んでいるとちょっと使いづらい。

 

改札でチケットを購入します。テレキャビンだけにしようかと思いましたが、贅沢にリフト券(アルプス平→地蔵の頭)付にしました。これで2,400円(2023年3月時点)。最近巷では値上げラッシュですが、その割には良心的な金額。

そういえば前回来た時は、リフト券はリフト乗り場で別途購入した記憶があるのですが、システム変わったのかな。

 

ということで、テレキャビンで標高差700m程を稼ぎます。いやー楽ちん。

 

「アルプス平駅」に到着。テラスもあって、景色を楽しめます。ちなみにトイレはこの先に無いので、「アルプス平駅」で済ませて行きます。

 

その後、「アルプス平駅」から少し下方にある「第1ペアリフト」乗り場へ。ゲレンデを下るので、滑っている人に注意して端を歩きます。

リフト乗り場では紙チケットは自動改札を通れません。スタッフに案内されて別の入口からリフト乗り場に入ります。

 

今度はリフトに乗ってワープ。ペアリフトですが、登山者は荷物を横に載せられるよう1人で乗ります。いやー楽ちん(2回目)。

ちなみに「アルプス平駅」~「地蔵の頭」間は、距離500m・標高差100m程。リフトを使わず登っていく人も多いです。

 

天気がとても良かったので、リフトに乗っている時点で「五竜岳」”武田菱”が見えました。

 

リフトを降りて、この時点で標高1,600m越え。滑る人の邪魔にならないよう端の方でアイゼンを装着。目の前の「地蔵の頭」へ登り始めます。

なお、「地蔵の頭」は向かって左から巻いて先へ進むことも可能です。

 

5分程登って「地蔵の頭」に到着。既にこの時点で素晴らしい見晴らしですが、この後どんどん良い景色を見られるので、長居せずに先へ進みます。

 

ゲレンデを滑るスキーヤーやボーダーも、「地蔵の頭」まで登ってきて景色を楽しめます。小さなお子さん達の目には、この絶景はどんな感じに映っているのでしょうか。

 

 

地蔵の頭 ⇒ 一ノ背髪 ⇒ 小遠見山

「地蔵の頭」から「小遠見山」方面へ進みます。前日に降雪があったのでワカンを持っていきましたが、既に先行者のトレースがしっかり刻まれていたのでアイゼンのまま進みました。

尾根へ上がる迄はちょっと急な箇所があるものの広々としているので、トレースの無い所をワカンやスノーシューで登るのも楽しいですね。

 

それにしても空が青い!天気が良くて無風状態だったので、気温が低いにも関わらず早くも汗をかき始めました。

 

尾根に上がり、開放感のある楽しい山歩き。

 

「五竜岳」とそこへ向かう尾根道がはっきり見えます。美しい。

 

後ろを振り返っても素晴らしい景色。

 

「一ノ背 髪」。BCのポイントとして人気。

 

「小遠見山」山頂が見えてきました。沢山の先行者が尾根を歩いているのが見えます。左の雪庇に近づかないように登ります。

 

「小遠見山」山頂までもう少し。

 

「小遠見山」に到着。標高2,007mです。大きな雪渓を抱いた「鹿島槍ヶ岳」、その奥には「爺ヶ岳」もよく見えます。

 

「小遠見山」山頂から眺める日本百名山「五竜岳」(右)「鹿島槍ヶ岳」(左)。この時点で眺望がとても素晴らしいので、「小遠見山」で折り返して下山する人も多いです。

 

 

小遠見山 ⇒ 中遠見山 ⇒ 大遠見山

「小遠見山」が混んでいたので、そそくさと「中遠見山」へ向かいます。なお、「小遠見山」から「中遠見山」までは標準コースタイムで往復45分です。

 

小さなアップダウンを繰り返していきます。

 

「小遠見山」と「中遠見山」間にある通称”OKの木”。指でOKサインをしているように見えるため、そう呼ばれています。

 

細尾根のポイントもあります。すれ違いに注意。避ける場合は、なるべく広い所に移動しましょう。

 

とても良い景色ですが、落ちると大変。

 

「鹿島槍ヶ岳」もどんどん近づいてきます。氷河として認定されている巨大なカクネ里雪渓”もよく見えます。

 

「中遠見山」(標高2,037m)に到着。標識とケルンは雪に埋まって、上部がかろうじて見えていました。ここは広くないので通過して「大遠見山」へ。

 

なお、「中遠見山」~「大遠見山」は標準コースタイムで往復1時間10分程。この区間も緩やかなアップダウンを繰り返して登っていきます。

 

強風だと怖い細尾根もこの日はほぼ無風。

 

遠くには「火打山」「妙高山」など新潟県境の名峰もよく見えました。

 

「大遠見山」手前の登り。ここから見ると雪庇が張り出しているのがよく分かります。

 

”武田菱”がどーんと見えます。

 

「大遠見山」山頂に到着。標高2,106mです。「大遠見山」山頂は広く、休憩しやすいです。眺望もとても良いので、風が強くなければここでまったり食事休憩する人も多いです。

 

「唐松岳」へ続く「八方尾根」。

 

「鹿島槍ヶ岳」の北峰はずっと見えていましたが、ようやく南峰も見えてきて双耳峰の山容が分かります。

 

まだまだ余裕があったので、さらに先の「西遠見山」まで行こうか迷いましたが、翌日朝早くからの仕事が頭をよぎったので早めに下山することにしました。景色もかなり楽しめたので十分満足。

ちなみに「大遠見山」~「西遠見山」往復は標準コースタイムで1時間半ほどです。

 

 

大遠見山 ⇒ とおみ駅

素晴らしい景色を眺めながらのんびり下山しました。

 

「鹿島槍ヶ岳」と飛行機。

 

まだ時間が早かったので、どんどん登ってくる人がいます。人気があるのも頷ける景色の良さです。

 

「中遠見山」への登り返しが地味にきつい。

 

登り返しで熱くなったので、途中でコーラタイム。

 

今回行きませんでしたが、「小遠見山」から「天狗岳」へと向かう積雪期限定ルートがあります。

 

「小遠見山」から下山します。「唐松岳」とその奥には「白馬三山」を眺めながら。

 

麓の景色も良く見えて凄くお気に入りのポイント。

 

帰りも「地蔵の頭」へ寄っていきました。

 

「地蔵の頭」からゲレンデへ下ります。ちなみにリフトは下山利用できません。

 

滑っている人に注意しながら「アルプス平駅」までゲレンデを下って行きます。

 

「アルプス平駅」から「とおみ駅」まではテレキャビンで楽々下山。天気も景色も良くて楽しかったです。おしまい。

 

 

下山後に立ち寄った温泉

「白馬五竜スキー場」からはちょっと離れていますが、「唐松岳」の下山後にもよく利用する「みみずくの湯」に立ち寄りました。露天風呂から白馬三山など北アルプスの雄大な景色を眺めながら湯に浸かれます。施設はあまり大きくありませんが、清潔感があります。シャワーやカランが自動停止しないのも個人的にポイント高いです(笑)

 

お腹が空いたので、「みみずくの湯」敷地にある「みみずく茶屋」でかき揚げ蕎麦を食べて帰りました。美味しかったです。ドリンクや軽食もあるので、ついつい寄ってしまいます。

 

残雪期の遠見尾根の感想

「遠見尾根」は花が沢山咲く夏期もとても魅力的ですが、雪がある時期も冠雪した美しい後立山連峰を眺めながらハイクできるのでとてもお勧めです。テレキャビンとリフトを使えば「小遠見山」まで手軽に登れます。時間と体力があればその先の「中遠見山」、「大遠見山」、「西遠見山」と足を伸ばしてみるのも良いでしょう。

ただし、天候が悪化することもありますし、降雪が続いた時は結構ラッセルを強いられることもあります。きちんと雪山装備、防寒対策をして登りましょう。

  

この日使用した主な道具

ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)

ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。

 

前後にコバの無いブーツの場合はこちら。

 

ブラックダイヤモンド(Black Diamond) アルパインゲイター

生地がしっかりしていて、少しぐらいアイゼンの爪が擦れても破れません。ベルクロだけでなくジッパーが付いているので、雪や水の侵入をしっかり防ぎます。ベルトの調節もしやすいです。

 

MAGIC MOUNTAIN 登山用 アルミわかん ラッセル2

この日は使用しませんでしたが、ワカンも一応持っていきました。シンプルなアルミフレームのワカンです。ワカンはスノーシュー程浮力はありませんが、軽量なのと小回りが利くので、急坂や細道の多い雪山登山に適しています。

 

SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック

作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。雪の里山登山に最適です。「01 winter」にカフやストラップが付いてさらに便利になっています。

 

サーモス 山専用ステンレスボトル900ml

暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。