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上越のマッターホルン「大源太山」~「七ッ小屋山」周回

大源太山(だいげんたさん)

・標高:1,598m

・所在地: 新潟県南魚沼市、南魚沼郡湯沢町

・南側から眺めた山容から「上越のマッターホルン」と言われる

・渡渉、ロープ・鎖場、急登が連続するため初心者向きではない

・例年登山適期は5月~10月

 

七ッ小屋山(ななつごややま)

・標高:1,675m

・所在地: 新潟県南魚沼郡湯沢町、群馬県利根郡みなかみ町

・谷川連峰を構成する山の一つ

・谷川岳”馬蹄形”縦走コースの山の一つ

・例年登山適期は5月~10月

 

「大源太山」は新潟県の南魚沼と湯沢の境にあり、谷川連峰の北端に位置する山です。”東洋のマッターホルン”とか”上越のマッターホルン”等と言われる尖った山容で、急登やロープ・鎖場が連続するなかなかタフな山です。

そして谷川”馬蹄形”縦走コースにある「七ッ小屋山」はあまり目立たない存在ですが、山頂から「蓬峠」間のたおやかな稜線がとても素敵です。

真夏は暑すぎて登る気がしないのですが、ようやく涼しくなってきたので「大源太山」と「七ッ小屋山」を周回してきました。

※群馬と新潟の県境、「三国山」~「平標山」間に同名の「大源太山」がありますが、そことは異なる山です。微妙に近いので、たまに間違えられます。

 

 

駐車場情報

湯沢町土樽の「旭原登山口」の駐車場を利用しました。GoogleMapでは「大源太山登山口」となっています(2022年9月現在)。県道457号の途中で林道に入り、その終点が駐車場です。林道の割には整備されて車も走りやすい方ですが、段差や狭い箇所があったりするのでご注意ください。

登山口駐車場にはトイレがありません。事前に麓で済ませてから行きましょう。ついでに言うと、今回のコース上にもトイレは無いので、携帯トイレを持って行くことをおススメします。

 

なお、県道457号をそのまま道なりに進むと「大源太キャニオンキャンプ場」があります。トイレに行き忘れていた場合は、ここの公衆トイレが登山口から一番近いです。

 

【公共交通機関を利用する場合】

JR「越後湯沢駅」から「旭原」までバスが出ています。「旭原」バス停から登山口までは徒歩で約40分です。時刻表は『南越後観光バス』のサイトで旭原・大源太線をご確認ください。

 

駅からタクシーで移動したい場合は『アサヒタクシー』が良いでしょう。

 

この日のコース

旭原登山口 ⇒ 渡渉ポイント① ⇒ 分岐 ⇒ 渡渉ポイント② ⇒ 大源太山山頂 ⇒ 分岐 ⇒ 七ツ小屋山山頂 ⇒ 蓬峠分岐 ⇒ シシゴヤノ頭 ⇒ 水場 ⇒ 渡渉ポイント① ⇒ 旭原登山口

 

往復距離:10.0km 累積標高差:(上り)1,240m(下り)1,240m

標準コースタイムは、往路(登山口→七ッ小屋山)3時間50分、復路(七ッ小屋山→登山口)4時間10分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

 

 

登山口 ⇒ 大源太山山頂

朝7時半頃、登山口から出発。登山ポストもあるので登山届を提出しておきます。

 

序盤はとてもゆるやかな道が続きます。この時点で気温12℃。薄手のアウターを着た状態でもちょっと肌寒いくらい。

しばらく歩くと一つ目の渡渉ポイント。前日に雨が降ったので水量多めでした。大雨が降った後は渡るのが危険なほど多い日もあるようです。その場合は無理せず撤退しましょう。

 

渡れそうな岩が続いていなかったので、面倒でしたが持参したクロックスに履き替えて渡渉します。水がきれい。でも冷たい!

 

渡渉が終わり、再び登山靴に履き替えて進みます。

「謙信ゆかりの道」入口(右手)の分岐があります。往路は道なりに進み、時計回りでここに戻ってくる予定。

 

ハシゴのあるポイント。ちょっとした沢のある窪地に下って、ハシゴで登り返します。

 

5年ぐらい前に来たときはグラグラしていて今にも壊れそうなハシゴでしたが、頑丈なハシゴに変わっていました。

 

その後、2つ目の渡渉ポイント。ここは大き目の岩に飛び移りながら渡れたので、靴を脱がずに済みました。でもコケたらずぶ濡れになる可能性大だったのでちょっと緊張。

 

2つ目の渡渉ポイントを過ぎると急登が始まります。休憩ポイントのような場所がほとんど無いので、少しでもなだらかな場所があればすかさず休みます。

 

ロープが張られたポイントが次々に現れます。正直しんどい。そして暑い。さっきまで涼しい~なんて思っていたのに、汗ダラダラになったので上着を脱いで半袖で登ります。

 

ある程度急登を登りきると、なだらかになり空も見えてきます。

視界が開けて「大源太山」や「七ッ小屋山」の山頂が見えてきます。

 

見晴らしが良くなって楽しいものの、気温上昇に日差しも加わり暑い…この日は風もほとんど無かったので余計暑く感じました。

いくつかのアップダウンを繰り返しながら登って行きます。木々が生い茂り日陰になる箇所もあるので、そこでちょっと休みつつ登りました。気温は20℃ちょいだったので、止まっていると涼しい。

 

山頂に近づくにつれ、岩場が増えてきます。

鎖が張られた岩場も出てきます。

 

登ってきた尾根道を振り返る。

 

ニセピークをやり過ごしながら、もうすぐ山頂。

 

「大源太山」山頂に到着。標高1,598mです。山頂はそれほど広くありませんが、団体さんでも来ない限りそんなに混むことはないかなと思います。360°ビューなので、景色を眺めながら長めの休憩をとりました。

 

 

 

 

大源太山山頂 ⇒ 七ッ小屋山山頂

山頂から登ってきたルートを振り返ります。麓の方には大源太キャニオンのキャンプ場やゴルフ場が見えます。さらにその奥には岩原スキー場や湯沢の街並み。

涼しくなってきたので、夏は激暑の「飯士山」も登りやすくなってきたかな?

 

これから向かう「七ッ小屋山」方面。その左手奥には「白毛門」、右手奥には「谷川岳」。

 

まだ昼ご飯には早かったので行動食で栄養補給をした後、「大源太山」から「七ッ小屋山」方面へ下ります。ここの下りは急な岩場が連続します。鎖やロープが設置されています。

 

鎖場の途中で振り返ったところ。鎖やロープだけに頼らず、足場をしっかり確認して重心がぶれないように下って行きましょう。

 

急坂の鎖場を終え、しばらく緩やかなアップダウンを繰り返す稜線歩き。

 

「七ッ小屋山」手前までは日差しを避ける場所が無いので暑かったです。

 

稜線上の半分位まできたところで振り返った「大源太山」。ここでようやく”マッターホルン”感のある山容が見られます。

ちなみに「上越のマッターホルン」という呼称ですが、「大源太山」があるのは新潟県中越地方です。

 

日差しを避けられる場所があっても、藪漕ぎっぽかったり急登箇所だったりして何気に疲れます。

 

ここからぐいぐい登ります。山頂着いたらコーラ飲むぞーってばかり考えて登りました。

 

ようやくなだらかになって、右手に「七ッ小屋山」の山頂標識が見えてきました。

「七ッ小屋山」山頂手前で分岐があります。ここを下って行くと「清水峠」と避難小屋があります。

 

そして左手を見ると、「朝日岳」や「笠ヶ岳」「白毛門」などの谷川馬蹄形の名峰が。

 

「七ッ小屋山」山頂はもうすぐ。

 

「七ッ小屋山」山頂にとうちゃーく。標高は「大源太山」よりも高く1,675mです。持参した冷えたコーラで乾杯(1人だけど)!

 

「七ッ小屋山」山頂はさらに狭いですけど、360°ビューで眺望がさらに良いです。

 

振り返って「大源太山」。右奥には「巻機山」も見えます。景色を眺めながらお昼ご飯。山頂で休んでいる間に、日帰りで馬蹄形縦走している人が来て少しお話。ここまででへばっている自分からしたら凄いとしか言えません。

 

 

 

七ッ小屋山山頂 ⇒ 登山口

お昼ご飯も食べたので下山開始です。「七ッ小屋山」から「蓬峠」、そしてその先の馬蹄形縦走路の景色が圧巻です。

 

笹の草原が広がる中を伸びる稜線。「蓬峠」まではのんびり歩きます。馬蹄形やってる人、もう見えないんですけど…(笑)

 

いやー、気持ちええどすなー。

 

ちょっとだけ木道の箇所あり。

 

そこにはちょっとだけ池塘あり。

 

ここら辺でようやく良い風が吹いてきて、さらに気持ちいーい!

 

「蓬峠」分岐に着きました。気持ちの良い時間はあっという間に終わってしまいますね。

 

ここから「蓬峠」まで約600m(標準コースタイムで片道20分)。「旭原」駐車場までまだ6kmあるので、この時点で「水が足りないかも」「トイレに行きたい」という人は、寄り道になりますが「蓬ヒュッテ」に行きましょう。ちなみにトイレは500円かかります。


分岐で少し休憩した後、「シシゴヤノ頭」を目指して進みます。ちょっと笹薮があります。

 

「シシゴヤノ頭」までいくつかアップダウンを繰り返していきます。なかなかのんびりさせてくれません。

 

この日の行動食は「チョコえいようかん」


そろそろ見えなくなるので「大源太山」と「七ッ小屋山」を振り返る。「大源太山」ガスってる…

 

「シシゴヤノ頭」に到着。

 

「シシゴヤノ頭」からは急坂を下って行きます。

 

急坂が終わったと思ったら、今度は激細の滑り落ちそうな道。

 

そしてまた急坂。「謙信ゆかりの道」という歩きやすそうな名前の道ですが、正直とても歩きにくい…

 

こんな細い道で”軍馬を揚げた”と言われても、嘘だろとしか思えない(笑)

 

途中にある水場。飲料はまだ十分残っていましたが、暑かったので冷たい水をガブ飲み。

 

徐々に道が歩きやすくなってきました。

 

「謙信ゆかりの道」入口の分岐に戻ってきました。

 

そして一つ目の渡渉ポイントへ。クロックスに履き替えてジャブジャブ渡りました。

 

登山靴で蒸れた足がクールダウンできて一石二鳥。水は冷たかったですが、逆に気持ちいい。

 

ここから駐車場までは歩きやすい道が続くので、渡渉後もクロックスのまま歩いて帰りました。

 

無事に下山完了。おしまい。

 

大源太山、七ッ小屋山の感想

「大源太山」は、渡渉やハシゴ・ロープ・鎖場などアスレチック的な楽しみが多いのが魅力です。山頂からの景色もとても素晴らしいので、つらい急登を登るだけの価値があります。今回は周回でしたが、ピストンでも十分に楽しめます。

また、「七ッ小屋山」はさらに眺望が良いのと、「蓬峠」までのたおやかな稜線歩きは天気が良いととても気持ちが良いです。「シシゴヤノ頭」からの下山は細くて滑りやすい箇所が多いのでご注意ください。

なお、今回のコースは増水時に渡渉ポイントが通れなくなる場合もあるので、大雨が降った後は避けた方がよいです。それと、ルート上にトイレが無いので念のため携帯トイレを持って行きましょう。

 

 

下山後に立ち寄った温泉

「岩の湯」は大きくは無いですが、それほど混雑しないのでいつも快適に利用させてもらっています(スキーシーズンは混むかも)。共同浴場なので料金も良心的。露天風呂はありませんが、かけ流しの温泉で気持ちが良いです。

 

この日持って行った主な道具 

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド)  クラッググローブ

鎖や岩や木々を掴むような急坂が多い山では、手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付 熊鈴

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利なクマ鈴です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。

 

クロックス(crocs)サンダル クラシック

つま先が保護され、踵にベルトが付いていて、軽量で持ち運びしやすいです。今回のような渡渉ポイントがある場合や、テント泊・小屋泊の時に持って行くことが多いです。

 

ポンチョトイレ

ポンチョをかぶって用を足すことができる緊急用トイレです。