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新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

真田氏ゆかりの「岩櫃山」で岩場と鎖場を楽しむハイキング

岩櫃山(いわびつやま)

・標高:802m

・所在地:群馬県吾妻郡東吾妻町

・どの登山口からでも標準コースタイム1時間程度で登頂できる

・岩場や鎖場があるため、距離と標高差以上の充実感を味わえる

・山頂からの眺望がとても良い

 

2月上旬の休日、新潟県内で雪山ハイキングの予定でしたが、天気予報がイマイチで中止に。でもどこかに登りたいなーと思って、こんな時に頼りになる群馬県の予報を見てみるとバッチリ晴れそうです。

この時点で朝8時過ぎだったので、移動時間を考えると手軽に登れる山がいいなと思い、数年ぶりに吾妻郡の「岩櫃山」に行くことにしました。

「岩櫃山」は真田氏ゆかりの山として有名で、NHK大河ドラマ「真田丸」のオープニング映像でも使われていたとか。低山ですが、岩場や鎖場があって距離や標高差以上に登りごたえがあります。

 

※「岩櫃山」は例年12月~3月まで”冬期登山自粛期間”となっています(禁止されているわけではないそうです)。この期間は積雪や凍結が発生していることがあるので、なるべく状況の良い日に登りましょう。登る場合は、念のためチェーンスパイクや軽アイゼン、グローブ持参をお勧めします。

 

 

駐車場情報

駐車場は「平沢登山口駐車場」を利用しました。ここは広くて駐車しやすく、80台駐車可能とのことです。案内図や登山口を示す看板も立っていて親切です。

 

駐車場前の通りを少し上がると、観光案内所とトイレがあります。トイレは冬期間使用できないので、事前にコンビニ等で済ませて行きましょう。飲料の自動販売機は冬期間でも稼働しているようです。

 

この日のコース

平沢登山口 ⇒(沢通り)⇒ 櫃の口 ⇒ 岩櫃山山頂 ⇒ 天狗の架け橋 ⇒(密岩通り)⇒ 密岩登山口 ⇒ 赤岩登山口 ⇒(十二様通り、尾根通り)⇒ 岩櫃城址 ⇒ 平沢登山口

 

往復距離:5.3km

累積標高差:(上り/下り)560m/560m

このコースでの標準コースタイムは、往路1時間10分、復路2時間10分です。

※往復距離と累積標高差は概測

 

平沢登山口~九合目

観光案内所の先を進むと平沢登山口があります。雪が少し残っていました。登山口横には休憩所の建物。ちなみにここで既に三合目です。

 

休憩所内。色々なパンフレットが置いてあります。ノートは入山届も兼ねているのかな?

井森美幸さんと中山秀征さんのポスターは群馬に来るとよく見かけますね(笑)

 

登山口から先にすぐ分岐があります。真直ぐ道なりに進むと沢通り、左手に進むと尾根通りです。

 

”沢通り”から登ることにしました。緩やかな道でのんびり歩いて行きます。

樹林帯に入ると雪がなくなりました。毎日雪を見ていると、土の上を歩けることに喜びを感じます(笑)

 

徐々に傾斜が高まって尾根上に出ます。ここの分岐で左手に進むと「岩櫃城址」がある”尾根通り”になります。「岩櫃城址」は最後に行くことして、山頂方面の右手へ進みました。

 

”沢通り”という名のとおり、沢沿いの道を登っていきます。ちなみに”沢通り”で水が流れているのを見たことがありません。雨が多いときは流れてるのかな?

 

看板や標識があるのはありがたいのですが、たまに情報量が多すぎる所も(笑)

 

巨岩に挟まれた道を登っていきます。下から見上げると迫力があって楽しいのですが、念のため落石に注意しながら登ります。

 

「櫃の口」。ちょっとした岩場を通過します。

 

「天狗の蹴り上げ岩」。梯子で登り下りできます。

 

ちょっと細い岩のトンネル。ここの「一本槍」というのが何を示しているのか未だに分かりません。ご存じの方いらしたら教えてください。

 

7合目。大きな倒木が横たわっています。

 

八合目で尾根に上がります。

 

九合目。広いポイントなので休憩しやすいです。

 

九合目には眺望の良い岩場もあって、ここでご飯を食べている人も多いです。冬期間でしたがこの日も沢山の登山者がいらっしゃいました。

 

 

九合目~山頂~密岩登山口

九合目にはこんな細めの岩場もあります。回避することもできますが、眺めが良くて楽しいので必ず登ります。

 

ここ、柵が無いと結構怖い。ちなみに山頂はちょっと先のニョキっと突き出ているところ。右手奥には冠雪した「浅間山」がきれいに見えました。

 

「榛名山」は位置や形が分かりやすいですね。

 

中央手前に三並山(小野子山、中ノ岳、十二ヶ岳)。奥に「赤城山」や「日光白根山」、「武尊山」など。

 

九合目と山頂間の鞍部へ下ります。鎖と梯子を使って下ります。この写真は下りてから撮ったもの。

 

そして細い道を鎖を頼りに渡っていきます。

 

鞍部から山頂へ取りつきます。慣れている人は鎖を使わなくても登れますが、下りでは使うと安心です。

 

最後は梯子。

 

「岩櫃山」山頂に到着。標高802mです(正確には802.6m)。山頂は広くない岩場の上なので、周囲は安全のため柵が設置されています。

 

見晴らしはとても良いです。高度感もなかなか。遠くの山を眺めるのも楽しいですが、自分は麓の景色を眺める方が好きです。人々の生活の営みが感じられるのが楽しいです。

 

山座同定盤もあります。このQRコードをスマホでスキャンすると、山頂から眺められる山のパノラマ画像をダウンロードすることができます。もちろんインターネットにつなぐ必要があるので、機内モードにしている場合は一度解除します。

 

一番高いところから先ほどの九合目の方を眺めるとこんな感じ。九合目で休憩していた人たちが手を振ってくれました。

 

山頂で景色を堪能したので下山開始。この日は周回なので「郷原駅」と示された方向の”密岩通り”へ。ここから先は自分にとって未知のルート。

 

山頂を巻くように進んでいきます。途中には鎖と柵が設置された足場の悪い細道があったので気をつけて渡りました。

 

でも景色が良いので楽しい。

 

ちょっとした岩場を登ってすぐにまた梯子と鎖で下ります。

 

「御厩」という岩のトンネルをくぐります。

 

くぐった先は滑りやすい岩場の急坂を鎖を使って下ります。

 

その後も断続的に現れる岩と鎖場。ナイフリッジまではいかないですが、左右が切れ落ちた細い岩場。ここはかなり鎖に頼って下りました。

 

でも下りてから見るとそんなに怖くないんですよね。下る時は足場が見えにくいから怖い。

 

その先にある「天狗の架け橋」

 

ちなみに「天狗の架け橋」は通行禁止。過去に登った時はこのコースを通らなかったので全然知りませんでしたが、事故が相次いだのと台風で一部崩落があったので2019年から通行禁止になったのだとか。

 

迂回路も梯子を下ったり、鎖が張られた細道を渡ったりとなかなかのもんでした。奥に見える穴の開いた岩が「天狗の架け橋」のようです。数年前に来ていたらあの上を通っていたのか…

 

鞍部の六合目まで下りてきて落ち着ける場所があったので、ここで一服。”密岩通り”はその名のとおり確かに岩が濃密でした(笑)

 

少し休んだ後に、急坂を下っていきます。階段がありますが、けっこう滑りやすい。

 

ここにも梯子や鎖が設置されている箇所がありました。

 

落ち葉が積もった箇所は階段も見えなくなり、めちゃめちゃ滑りながら下りました。岩場より緊張したかも(笑)

 

その後、樹林帯に突入し下っていくと登山口が見えてきました。

 

”密岩通り”の登山口に到着。

 

 

密岩登山口~赤岩登山口~岩櫃城址~平沢登山口

密岩登山口から下っていくと、住宅地に出ます。

 

住宅地の道路を歩きながら、赤岩登山口へ向かいます。「岩櫃山」南側の荒々しい岸壁が眺められます。

 

途中にある「古谷T字路」を道なり(左手)に進みました。ちなみに右手に下りていくと、「古谷登山口」と駐車場、「郷原駅」方面です。T字路に案内図があるので、不安な場合はルートを確認できます。

 

住宅地を進んでいる間も、標識があって助かります。

 

途中、猫と出会ったりしながら住宅地を歩いて行きました。さて、猫はどこにいるでしょう。

 

てくてく歩いて「潜龍院跡」に到着。


そこには「赤岩登山口」があります。当初はここから”赤岩通り”へ進む計画でした。

 

でも奥の方に気持ちの良さげな開けた場所があったので、そのまま道なりに進んでみました。

そこにはベンチやテーブルのある広場がありました。日当たりも良く暖かくなってきて気持ち良かったので、ここでもちょっと休憩。

 

ここから眺める「岩櫃山」も格好良かったです。

 

広場の奥から進めるルートがあるようなので、そこからまた登ることにしました。

 

こちらのルートは”十二様通り”と言われるようです。先ほどの”赤岩通り”が直登気味に登る区間を、割と緩やかに登っていけるルートだそうです。

 

途中にある「郷原城跡」

 

歩きやすい道を淡々と登っていきます。

 

このルートにも落ち葉が積もって滑りやすい細道がありました。濡れていると本当に滑り落ちそう。

 

五合目で”赤岩通り”と合流。

 

”赤岩通り”の方をちょっと覗いてみたら、確かに急坂。そして確かに赤い!

 

尾根に上がると分岐があります。ここで山頂方面と、「岩櫃城址」方面に分かれます。

 

山頂方面を見ると、序盤に通った「櫃の口」が見えました。

 

ここからは「岩櫃城址」方面の”尾根通り”を進んで下山しました。

 

”尾根通り”途中にある「天狗岩」。天狗の鼻のような形だから?

 

五合目。広いです。

 

のんびり歩いて行くと「岩櫃城址」が見えてきました。

 

「岩櫃城址」に到着。ちなみに平沢登山口から「岩櫃城址」までなら30分で登れます。

 

ちょっと開けている所があるものの、あまり眺望はありません。城の名残を眺めたり、解説板を読んだりして遺跡の雰囲気を楽しみましょう。

 

東屋もあるので、良い休憩ポイントです。

 

では二の丸方面から下山再開。

 

途中にもベンチあり。

 

無事に登山口まで戻ってきました。その後、道路を歩いて駐車場に戻りました。この日はあまり汗をかかなかったので温泉には寄らず。

 

でもお腹が空いていたので、人気焼肉店の「あおぞら」でカルビラーメンを食べて帰りました。これ美味しいのでお勧めです。

 


 

 

岩櫃山の感想

「岩櫃山」は距離や標高差があまり無いので、短時間で簡単に周回できます。岩場や鎖場がありますがそれほど難しいポイントは無いので、高所が苦手でなければ初心者でも楽しめると思います。

山頂間を往復するだけでも結構楽しいので、過去2回は他の山から下山した後に2座目として寄ったりしていました。でもできれば時間に余裕をもってゆっくりと観察しながら周回することをお勧めします。

 

この日使用した主な道具

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド)  クラッググローブ

岩場や鎖場ではグローブをしていると手を保護できるし、滑り止めが効いて岩や鎖を掴みやすいです。

 

サロモン TRAILBLAZER20

超軽量バックパックです。今回のように鎖場や狭い箇所を通過する日帰りトレッキングの場合は、コンパクトな装備で行くと楽です。

 

THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900

暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。

 

snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル

ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

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