北横岳(きたよこだけ)
・標高:2,480m
・所在地:長野県南佐久郡、茅野市
・ロープウェーを利用して標高2,200m程から登り出すことができる
・短い距離と標高差、アクセスの良さ、施設など初心者に優しい
・例年12月~3月は積雪期
今年も雪山シーズンが始まりました。登山を始めたばかりの頃は「雪山は危険!登らない!」と思っていたのですが、山仲間に誘われ(そそのかされて?)初めて登った雪山が「北横岳」でした。
「ロープウェー下りてちょっと登ったら山頂だよ」「景色いいよ~」「スノーシュー散策もできるよ」「アイゼン貸すよ」「途中にヒュッテもあるし危険じゃないよ」「騙されたと思ってついて来い」などなど、もう断れなくなるまで言いくるめられました(笑)
結果、その登りやすさと青空に映えた雪山の景色、眺望の良さなどから雪山にハマるきっかけとなった山です。ここ3年は「北横岳」に登っていないので、過去に何度か登った時の写真を織り交ぜながら(一応全部1月~2月の写真です)簡単にご紹介したいと思います。
駐車場情報
「北八ヶ岳ロープウェー(ピラタス蓼科スノーリゾート)」の駐車場を利用します。無料です。スキー場なので広大な駐車場です。まるで北欧のような外観の施設が出迎えてくれます。もうこの時点で気分が上がっています。
施設には飲料の自販機がありますし、売店やレストランもあります。もちろんトイレもあります。
休日のチケット売り場は混雑するので、ロープウェーが稼働する1時間前には到着して早めにしっかり準備しましょう。
この日のコース
ロープウェー山麓駅 ⇒ 山頂駅 ⇒ 坪庭 ⇒ 北横岳ヒュッテ ⇒ 北横岳南峰 ⇒ 北横岳北峰 ⇒ 七ッ池 ⇒ 坪庭 ⇒ 縞枯山荘 ⇒ 坪庭 ⇒ 山頂駅 ⇒ 山麓駅
往復距離:4.9km 累積標高差:(上り、下り)320m
夏期の標準コースタイムは、往路1時間10分、復路1時間15分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※距離や標高差、コースタイムにロープウェーでの移動は含んでいません
※無雪期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう
山頂駅 ⇒ 北横岳ヒュッテ
スキー・スノボ客と一緒にロープウェーに乗って、標高2,230m程の山頂駅に下り立ちます。北横岳のシンボル的なキツツキのオブジェがあります。ちなみにこのオブジェ、横に着いている紐を引っ張ると、動いて木をつつきます(笑)
広くなだらかな「坪庭」(ちなみに雪が無いとゴツゴツの岩だらけの場所です)で友人から借りた12本長爪アイゼンを装着。天気が良かったのと、先を急ぐ必要も無かったので、慣れるまで何回か着けたり外したり練習しました。
新潟に住んでいるので雪は見慣れているのですが、八ヶ岳連峰だし高山帯だし青空だしで想像していた雪山と全然違いました。
上を見上げると沢山の人が登っています。雪山登る人って意外と沢山いるんだなと。
まだ慣れないアイゼン歩行でしたが、聞いていたとおり緩やかな坂道が多くてそれほど疲れません。
景色の良さもあって、もう序盤で雪山の魅力に取りつかれてしまっていたように思います。
シラビソの樹林帯に入ると少し道が細くなり、人も多かったので渋滞気味。
渋滞もあってのんびり歩いていたら「北横岳ヒュッテ」に到着。ヒュッテの周りには沢山の人が休憩していました。ヒュッテの裏にはテーブルやベンチもありますが、人が多い日は争奪戦です(笑)
このヒュッテは基本的に宿泊者以外の利用ができません。宿泊者がいない場合は営業しない日もあるのだとか。トイレは宿泊者以外も100円で利用できました。アイゼンは外して利用しましょう。
北横岳ヒュッテ ⇒ 山頂 ⇒ 七ッ池
ヒュッテで軽く休憩して、山頂へ向かって登り再開。
雪でモコモコの樹林帯の中を歩いて行きます。
しばらく登ると視界が開けてきます。
「北横岳」の”南峰”に到着。標高2,472mです。八ヶ岳連峰の主脈がよく見えます。山頂まで来ると猛烈に冷たい風が吹きつけて一気に体温が下がるのが分かりました。慌ててバックパックからダウンジャケットを取り出して中に着こみました。
横を見ればボコっとした形の「蓼科山」。間近で日本百名山を一度に眺めることができる贅沢さ。
眺望の良さも確かに嘘ではありませんでした。ちなみにもうこの時点で「雪山道具買いに行く」という話をしていた記憶があります(笑)
ちなみに「北横岳」の最高地点はもうちょっと奥にある”北峰”なので、そちらへ向かいます。「もうちょっとってどれぐらい?」って聞こうとしたら、奥にもう見えていました(笑)
"北峰"は"南峰”から5分くらいで着きます。
「北横岳」"北峰”に到着。標高2,480mです。
なお、正式名称は「横岳」らしいのですが、南八ヶ岳の「横岳」の方がメジャー?なのでこちらは「北横岳」と呼ばれているとか。
北峰から眺める「蓼科山」がまた良いです。
ちなみに山頂はそこそこ広めですが、冬期の風が強い日はとても寒いので、ご飯を食べている人はいませんでした。北横岳ヒュッテ周辺でご飯休憩する人が多いです。
では登ってきた道を戻ります。
「北横岳ヒュッテ」まで戻り、「七ッ池」に寄り道しました。
厳冬期は「七ッ池」も氷と雪に覆われ、上を歩き回ることができます。ヒュッテ周辺は変わらず混んでいたので「七ッ池」でご飯休憩。山頂よりは寒く無かったです。
七ッ池 ⇒ 縞枯山荘 ⇒ 山頂駅
ご飯も食べたのでヒュッテまで戻り下山再開。坪庭まで戻ります。
せっかくなので「縞枯山荘」にも寄ってみました。
坪庭から「縞枯山荘」の間およびその周辺はアップダウンがあまり無いので、スノーシュー歩きを楽しむ人も多いようです。
「縞枯山荘」に到着。ここはテレマークスキーのスクールもやっているので、安全に山スキーを楽しんでみたいという人は下記のサイトをご参照ください。
その後はロープウェー山頂駅までのんびりお散歩しながら戻りました。
物足りなければ周回してみましょう
物足りないな~という場合は、比較的容易に登れる他の峰にも足を延ばしてみましょう。
片道プラス30分~1時間ぐらいで「縞枯山」展望台や「茶臼山」など見晴らしの良いポイントがあります。
ロープウェー山頂駅には「縞枯山荘」経由で戻ってもいいですし、周回して戻ることもできます。
ロープウェーを使用しないで登る場合
ついでに紹介すると、ロープウェーを使わずに山麓駅~山頂駅間を登り下りすることもできます。標準コースタイムで登り2時間、下り1時間30分が追加で必要です。往復距離でプラス約5km、累積標高差はプラス約470m(上り・下り)。
途中、ロープウェーの下を通ったり
ゲレンデの横を歩いたり、ゲレンデを横切ったりするポイントもあります。滑っている人に注意して歩きましょう。
特に危険箇所も無いので、時間と体力があればロープウェーを使用せずに登るのもよいでしょう。ただし、厳冬期で降雪量の多い日が続くとラッセルを強いられることもあります。
雪山初心者はまずロープウェーを使用することをおすすめします。
北横岳(雪山)の感想
「北横岳」はロープウェーを利用することで楽に登ることができます。山頂の眺望もよく、八ヶ岳や蓼科山、天気が良ければ南アルプスや中央アルプス、北アルプスなんかも眺められます。手軽に標高2,500m級の山まで登れて絶景を楽しめるので、冬だけでなく無雪期も初心者を連れて行けそうです。
また、周辺の峰(雨池山、縞枯山、茶臼山など)にも短い距離と標高差で周回することができるので、初心者でなくても十分に楽しめると思います。沢山歩きたい人はロープウェーを利用せずに登るのもよいでしょう。
下山後に立ち寄る温泉
「小斉の湯」は露天風呂が魅力の日帰り温泉施設です。以前は宿泊も営業していたようですが、現在は日帰りのみとのこと。
男女ともに内湯と2つの露天風呂があります。露天風呂への移動には渡り廊下を通る必要があるので、脱ぎ着しやすい服を準備して行くとよいです。
この日持って行った主な道具
「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル」
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。