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孤高のブナを求めて「中倉山」~「沢入山」

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中倉山(なかくらやま)

・標高:1,530m

・所在地:栃木県日光市

・稜線上にある「孤高のブナ」が有名

・登山口から尾根上までは急登が続く

・「中倉山」から「沢入山」に至る稜線は眺望がとても良い

 

「中倉山」は栃木県日光市足尾町にあります。「足尾」と聞いて多くの人がまず思い浮かべるのは「足尾銅山鉱毒事件」ではないでしょうか。

これは明治初期から渡良瀬川周辺で発生した"日本初の公害"と言われています。銅山の開発に伴う煙害や鉱毒水などにより環境破壊が進み、「田中正造」が決死の覚悟で明治天皇に直訴を試みる話を授業で教わった時は、子どもの頃にとても衝撃を受けたものです。

 

周辺の山々も環境破壊の影響を受け、この「中倉山」など多くの山林の植物が枯れてハゲ山となったそうです。銅山が閉鎖され50年近く経った今でも、荒廃した自然を復元するために治山事業が続けられています。

 

そんな「中倉山」ですが、山頂から延びる稜線上に1本だけポツンと立つブナの木があります。厳しい環境を生き抜いたこの木は「孤高のブナ」と呼ばれ、多くの人がこの木を見るために山を登ります。

この日は「銅親水公園」を起点にした一般的なコースで、「中倉山」とその先の「孤高のブナ」、「沢入山」まで行ってきました。

 

この日の山行記録

 

駐車場情報

銅親水公園(あかがねしんすいこうえん)の駐車場を利用しようと思っていましたが、忘れ物に気づき戻ったりなど色々あって到着したのがAM9時過ぎ。

 

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完全に遅い到着となってしまい、既に公園手前の道路には沢山の車が路駐。「ちょうど出る車がいたりして~」等と奇跡を期待しながら公園駐車場まで行ったものの、超満車状態。空いているように見えたスペースもバス用とのことでダメでした。なお、約20台は駐車可能のようです。

 

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係員の方に道路に駐車するよう促され、結局道路の最後尾まで戻って駐車しました。道路にも20台以上は駐車されていました。なるべく端に停めて、往来する車の邪魔にならないように気をつけます。そこからテクテク歩いて公園方面へ。

 

 

この日のコース

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銅親水公園前 ⇒ 車道・林道 ⇒ 登山口 ⇒ 分岐 ⇒ 中倉山 ⇒ 孤高のブナ ⇒ 波平ピーク ⇒ 沢入山 ⇒ 波平ピーク ⇒ 孤高のブナ ⇒ 分岐 ⇒ 登山口 ⇒ 車道・林道 ⇒ 銅親水公園前

 

往復距離:13.0km 累積標高差:(上り)1,200m(下り)1,200m

標準コースタイム(夏期)は、往路4時間10分、復路3時間20分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測です

 

 

 

銅親水公園 ⇒ 登山口

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登山前にトイレに行きたかったので、銅橋(あかがねばし)を渡って公園まで行きます。

 

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足尾ダムから水が流れ落ちる様はなかなか迫力がありました。7段に分かれて流れ落ちています。

 

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公園には資料館と喫茶店があり、トイレと飲料の自動販売機もあります。営業時間外(16:30~翌9:30)には建物裏にある仮設トイレが使用できるようです。

なお、冬期(12月~3月)は休館で使用できないのだとか。冬期は道路を麓の方へ少し下ると、トイレのある無料駐車場があります。

 

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公園の奥の方に進むと展望台まで上がれる道がありますが、さほど景色の良い展望台ではありませんでした...上の写真は途中に通る堰堤の端からの眺めですが、ここの眺めの方が良かったです。

 

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到着が遅くなったくせにトイレ以外にも寄り道をして、余計スタートが遅くなってしまいました。慌てて道路に戻ります。

公園前を過ぎるとゲートがあり、一般車両は通行できません。登山者は車両ゲート横から通って行きます。

 

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「松木渓谷」の案内図があります。この日は方向が違うので行けませんでしたが、“日本のグランドキャニオン”と言われるこの渓谷も行ってみたいです。

 

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道路を少し進んだところで途中で左に折れ、鉄板の橋を渡ります。人が歩く橋と言うよりはダンプなどの作業車が通るための橋という感じ。

 

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その先に分岐があるので左へ進みます。

 

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U字のカーブを周ったところでまた分岐があるので左の川の方へ下ります。

 

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するとすぐにまた分岐があるので標識に従い左の「仁田元」方面へ。

 

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そして2つ目の橋を渡り、突き当りを左へ進みます。

 

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治山事業の一環で沢山植林しています。つい最近も小学校で植林したようですね。かわいい絵にほっこりします。

 

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徐々に坂道になってきます。工事現場との分岐がいくつかありますが、道なりに進めば大丈夫。

 

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遅いスタートだったため、登山道の途中まで登山者を全く見かけませんでした。でも猿は何匹も見かけました(笑)

 

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公園から標準コースタイムで45分。ようやく右手に登山口が現れます。

 

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登山口には小さな標識が2つ設置されピンクテープもついています。晩秋で落葉していると色的に目立たないかも?

 

 

 

登山口 ⇒ 中倉山山頂

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登山口からいきなり急登が続きます。急登と言っても大きな段差や階段があるわけでは無く、なかなかの勾配の道が地味に続くのです。これといった休憩ポイントもありません。徐々にボディーブローが効いてくる感じです(笑)

 

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途中にこんな感じのぐるぐるになった木や倒木があったりする箇所を通るのが唯一の楽しみ?

 

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緑が生い茂る夏期は日陰も多くなるようですが、落葉しているのでずっと日当たりが良かったです。急登も相まって想像以上に汗をかきかき、ようやく尾根上に出ます。

 

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尾根上に出た所はちょっとした休憩ポイントになっています。ここからの尾根登りは少し緩やかになるものの、まだしばらくは割と急登。

 

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徐々に笹が増えてきました。緩やかな峰のアップダウンがあります。

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左手奥に「中倉山」山頂方面とその先の「孤高のブナ」らしき木が見えました。

 

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写真では分かりにくいですが分岐があり、右手に進むと山頂まで少し遠回りになりますが絶景ポイントがあります。山頂に早く到着したい場合は左手に進みます。

 

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右手に進んで行くと、ガレ場の絶景ポイントが現れます。

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これまで樹林帯続きだったのもあって、うひょーって叫んでしまうほど見晴らしの良いポイントでした。高度感も感じられて解放感が凄い。

 

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中央奥の方にちょこんと頭が出ているのは「男体山」。本当はこの日登りたかったのですが、登拝期間を過ぎてしまっていたため入山禁止。また来年以降に登りに行きたいと思います。

 

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見晴らしの良いガレ場を後にし、中倉山山頂へ進みます。

 

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山頂に近づくにつれ、徐々に周辺の木々が減って行きます。

 

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一気に開けてなだらかな稜線に出ます。中倉山山頂が見えてきました。

 

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「中倉山」山頂(標高1,530m)に到着。山頂周辺は遮るものがなく360°の眺望が楽しめます。

 

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「男体山」の手前にはこちらも気になっている「半月山」と「社山」。栃木も登りたい山が沢山あります。

 

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これから進む方向の稜線。いいですね~。ワクワクします。奥の方にちょこんと顔を覗かせているは「皇海山」。

 

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荒々しい北側とは異なり、南側の斜面は笹の草原が広がっていました。この写真では分かりませんが、遠くにうっすらと富士山も見えました。

 

 

 

 

中倉山山頂 ⇒ 孤高のブナ ⇒ 沢入山山頂

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山頂から少し進んで振り返ったところ。う~ん、控えめに言って最高の気分です!

 

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「孤高のブナ」が近づいてきました。中倉山山頂から沢入山方向へ向かう稜線上にあります。

 

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「孤高のブナ」です。ようやく会えました。樹齢100年以上あるそうで、公害で環境が悪化した中でも生き抜いてきた象徴的な存在となっています。周囲は保護のためロープが張られ立入禁止になっています。

 

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「孤高のブナ」がある場所の南側は草原が広がる緩やかな斜面。ここでのんびり休憩している人が多かったです。天気も良く気持ちよさそう。

 

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少し下の方から撮ってみました。これからも長く生き抜いて欲しいものです。

なお、「孤高のブナ」までであれば、距離10.2km 累積標高差910m(上り・下り)程です。

 

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せっかくなので「孤高のブナ」の先へ稜線上を進みます。

 

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ゴツゴツの岩場を越えて行くポイントがあります。慎重に歩けば特に問題はありません。左下方に巻き道もありますが、道幅が狭そうなのと下山者が多く使っている印象だったので、往路では岩場を越えて行きました。

 

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岩場を越えたらまた歩きやすいのんびりした稜線。

 

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この先の通称「波平ピーク」が近づいてきます。

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お腹が空いてきたので、その手前でお昼ご飯。「波平ピーク」を眺めながら、家から持ってきた不格好なごま塩おむすびを食べます。

 

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南側と異なり北側の景色は荒涼としています。向かいの山脈(半月山、社山、黒檜岳など)との間の谷は「松木渓谷」。

 

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ご飯も食べたので、「波平ピーク」へ登ります。取り付きの序盤はなかなかの急登。

 

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遠くから眺めていた時は上を登ると思っていた岩場。裏に巻き道があったんですね。

 

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ピークが見えてきました。

 

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「波平ピーク」に到着。お分かりでしょうか?岩が密集した場所に木の枝が立てられていて、「波平」さんの頭のようだということで「波平ピーク」と呼ばれています。もちろん正式名称ではありませんので、登山地図にも載っていません(笑)

 

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「波平ピーク」から先は緩やかな稜線が続きます。稜線フェチにはたまらない。

 

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こういう解放感のあるなだらかな稜線が大好物です。思わず走り出したくなります。

 

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「沢入山」山頂手前の登りで疲れたので走るのはやめました(笑)

 

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「沢入山(そうりやま)」山頂(標高1,704m)に到着。山頂はあまり広くなく、山頂標識も小さくて少し寂しい感じ。

 

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沢入山山頂の先にもたおやかな稜線が続いていました。稜線の先、遠くにちょこんと「武尊山」が見えました。その左のきれいな三角形は「皇海山」。もっと早く家を出ていればもうちょっと歩けたのにと残念でしたが、ここで折り返します。

 

 

 

 

沢入山山頂 ⇒ 駐車場

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それでは、登ってきた道で下山します。こういう開けた稜線上では下山の方が景色が見渡せていいですね。

 

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ふと視線を感じた先を見ると、木の根にミミズクの置物が。「安全祈願」「無事祈願」と書かれたシール(テプラ?)が貼られていました。

 

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下りはスイスイ。あっという間に「波平ピーク」。

 

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「波平ピーク」下方の岩場は巻き道がありますが、ザレているので下山では滑りやすいです。

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「孤高のブナ」まで戻ってきました。先ほど賑わっていた場所も、戻ってきたら人がほとんどいなくなっていました。気兼ねなく写真を撮りまくる(笑)

 

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ポカポカ陽気で気持ちいい。まだ13時くらいでしたが、この時季にもなると暗くなるのが早いのであまりゆっくりしていられませんね。

 

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帰りは「中倉山」山頂を通らず、巻き道で下山しました。

 

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巻き道の途中に景色の良さそうな岩場があったので寄り道。

 

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巻き道でも楽しめるポイントがあるなんて、いい山です。

 

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巻き道は楽ですね。スイスイ進んで尾根上の道と合流。

 

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尾根道が終わり、急坂を下って行きます。

 

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ここぬかるんでいたら絶対に滑るよねって感じのポイントを無事に通過。

 

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コケずに無事に登山口まで戻ってきました。

 

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ここからは長い林道&舗装路歩き。

 

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銅親水公園まで明るい内に下山できましたが、やはり日が傾くのが早いですね。早い時間に下山を心掛けましょう。

 

 

 

中倉山の感想

初めて登った「中倉山」でしたが、想像以上に素敵な山でした。特に、見通しの良い眺望抜群の稜線歩き、「孤高のブナ」は一見の価値ありです。再訪したい山リストに載りました(笑)それほど危険箇所は無い印象だったので、初心者でも体力があれば登れる山ですね。

今回訪れたのは晩秋で落葉した樹林帯歩きが多かったですが、夏期には緑が生い茂るようです。ハゲ山にこれだけ多くの植生物が育まれてきたのは、長年の治山事業の成果でしょう。

なお、この辺りは冬期でもそれほど多くの雪は降らないようですが、積もる時は積もります。アイゼンなど冬装備はしっかり持って行きましょう。また、自家用車で行く人はスタッドレスタイヤ装着を忘れずに。

 

この日使用した主な道具

「ARC'TERYX(アークテリクス) Delta LT Jacket」

冬の山での休憩中には急激に体が冷えます。登山中は暑くなって不要でも、休憩中にアウターの下に着られる薄手のフリースやダウンジャケットがあると良いです。バックパックに最低1枚は入れて行きましょう。

 

「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」

暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。

 

 「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル

ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。

 

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