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新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

千葉県「鋸山」で採掘跡と東京湾の絶景、石仏巡りを楽しむ(浜金谷駅往復)

鋸山(のこぎりやま)

・標高:329m

・所在地:千葉県安房郡鋸南町、富津市

・正式山名は「乾坤山(けんこんざん)」

・観光用にロープウェーがある

・日本百低山の一つ

 

先日、学生時代の友人たちとの忘年会があり、久々に千葉県へ行ってきました。せっかく千葉まで行くので日帰りは勿体ないと、1泊して人気の「鋸山」へ登ってきました。

千葉に住んでいた頃は、山の存在を感じない生活を過ごしていました。それもそのはず、千葉県は国内で最も平均標高が低く、最高峰の「愛宕山」でも標高408mと低いのです。そんな千葉県で最も有名な山が、観光名所としても人気の「鋸山」です。新潟県長岡市にも同名の山があるので、何となく気になっていたものの、一度も登ることなく千葉を離れてしまいました。

この山では江戸時代から採石が盛んに行われ、残された山肌の岩が鋸の刃のようだということで、この名前で呼ばれるようになったのだとか。中腹にある「日本寺(にほんじ)」境内エリアにはロープウェーや車で上がることができ、様々な石仏や、東京湾を望む展望台など見どころが沢山あります。

この「鋸山」を登るルートはいくつかありますが、ロープウェーを使うのはさすがに物足りないので、最寄り駅の「JR浜金谷駅」から徒歩で往復してきました。

 

 

最寄り駅

今回は電車移動。最寄り駅の「浜金谷駅」まで行きました。

 

「浜金谷駅」は無人駅です。トイレと飲料自販機があります。

 

駅前にある釣具店では、パンやお菓子等も売っています。料金を払うと荷物を預かってくれるそうです。電車旅行のついでに鋸山へ登る際には便利ですね。

 

この日のコース

浜金谷駅 ⇒ 車力道分岐(下部) ⇒ 車力道入口 ⇒ 車力道分岐(上部) ⇒ 東京湾展望台 ⇒ 鋸山(乾坤山)山頂 ⇒ 車力道分岐(上部) ⇒ 百尺観音 ⇒ 地獄のぞき ⇒ 日本寺大仏 ⇒ ロープウェー山頂駅 ⇒ 百尺観音 ⇒ 車力道(下部) ⇒ 浜金谷駅

 

往復(周回)距離:9.0km

累積標高差:(上り/下り)890m/890m

 

標準コースタイム(夏期)は、上り1時間50分、下り3時間30分です。下りの時間が長いのは、登頂後に観光ポイント巡りをしたためです。

 

※往復距離と累積標高差は概測

※標準コースタイムに休憩時間は含まれていません

 

 

浜金谷駅 ⇒ 車力道分岐(上部)

駅前にある「関東ふれあいの道」の看板でこの日のルートを確認。「車力道」から登って、「ふれあいの道」で下山する計画。

 

しばらくは街中を歩いて行きますが、登山道を示す標識も随所に立っているので分かりやすいです。不安な人は、YAMAPやヤマレコ等の登山用GPSアプリを活用しながら進みましょう。

 

「ミートショップ笹生精肉店」で左に曲がります。下山後にここで買って食べたコロッケが美味しかったです。

 

車力道分岐(下部)

道路をテクテク歩いて行くと「車力道分岐(下部)」があります。ここで3つに道が分かれます。左の道を進むと「車力道」。真ん中の階段を上ると「ふれあいの道」。右の道はどこに行くのか分かりません(笑)

 

登りは「車力道」を進みました。「車力道」の読み方は”しゃりきみち”です。

 

ここで左手に進みます。ようやくアスファルト歩きが終わりました。

 

スタート早々にベンチが沢山ある休憩ポイントがありました。鋸山の登山道には沢山のベンチがあるので、疲れたらすぐに座って休憩できますね。

 

各所に解説板が立っているので、これを読みながら歩くと、この土地の歴史を知ることができて楽しいです。

 

採掘された石を運ぶのは女性の仕事だったそうです。逞しいですね。

 

岩を切り抜いて作った道。

 

途中、東京湾がよく見える休憩ポイントがあります。

二手に分かれる分岐が現れました。右手に進むと「猫丁場」というポイントがあるそうです。石壁に掘られた猫やハート形オブジェ等があるとのこと。猫好きですが、本物以外には興味ないので寄りませんでした(笑)

 

「車力道分岐(上部)」に到着。ここを真直ぐ進むと「石切り場」方面。先に登頂を済ませておきたかったので、左へ折れて山頂方面へ。

 

 

 

車力道分岐(上部) ⇒ 東京湾展望台 ⇒ 鋸山山頂

分岐を過ぎてからしばらくすると、石の階段が連続する道になります。

 

連続の階段登りで嫌気が差してきた頃に、再び海が見えるポイントで癒されました。富士山も端っこに見えています。

 

階段が終わり、広い分岐に出ました。「東京湾を望む展望台」と書かれた標識の方向に進みます。

 

東京湾を望む展望台

展望台に上がると、東京湾がドーンと広がっていました!奥には富士山も見えました。これは素晴らしい眺めです。

 

ベンチもあるので、座りながらゆっくりと景色を眺めることができます。360度パノラマビューです。房総半島の景色も良いですね~。

 

展望台から下りて、先ほどの分岐に戻ります。標識に従って、鋸山山頂方面へ。

 

せっかく登ってきたのに下ります。山頂まではアップダウンが何度もあるので、標高や距離の割に登りごたえがありました。

 

山頂手前に電波塔がありました。「千葉テレビ」の電波塔らしいです。千葉に住んでいた頃は、よく観ていました。

 

「鋸山(乾坤山)」の山頂に到着しました。標高329.5mです。

 

鋸山(乾坤山)山頂

山頂からの眺望はまずまずといった感じ。先ほど寄った展望台の方が、正直言って眺望良かったです。というか、あそこが良すぎた。

ちなみに、鋸山に観光に来た人の多くが、この本当の山頂を知らずに帰っていきます。ロープウェー山頂駅や、「地獄のぞき」のある頂上展望台を山頂だと勘違いしている人がほとんど。

 

 

 

鋸山山頂 ⇒ 車力道分岐(上部) ⇒ ラピュタの壁 ⇒ 百尺観音

下山開始。

 

展望台の下まで戻ってきました。

ここから再び階段の続く道。傾斜が急なので、下りでは滑らないように気をつけました。徐々に登ってくる人も増えてきて、狭い道幅ですれ違うのに苦労しました。

「車力道分岐(上部)」まで戻ってきました。ここから観光名所巡り。

 

「石切り場跡」へ。ガッツリ削り取られていますね。凄い迫力。この下に水溜りができていて、なぜか鯉が泳いでいます(笑)

 

「切通し跡」は設置されている階段を使って進みます。

 

上を見上げると、この後に寄る予定の「地獄のぞき」が見えました。絶壁の先っちょに突き出ている所です。

 

道標がしっかりしているので、確認しながら進めば道を間違えずに進めます。分岐を「日本寺(地獄のぞき・大仏)」方面へ。

 

再び階段が続く道です。「地獄のぞきの前に”階段地獄”だな」と言っていた人がいました(笑)

 

ラピュタの壁

「ラピュタの壁」に到着。ジブリの「天空の城ラピュタ」のようだということで、こう呼ばれるようになったそうです。景色もよく見渡せます。

「ラピュタの壁」から階段を少し登って行くと、「日本寺北口」に着きます。

ここの管理所で拝観料(2024年12月時点で700円)を払って、日本寺境内へ。チケットとパンフレットをもらえます。一気に観光気分。

 

百尺観音

石を切り出したところに作られた百尺(約30m)ある観音像です。おっきいですね~。

 

 

 

 

百尺観音 ⇒ 地獄のぞき ⇒ 大仏広場

先へ進みます。

 

「百尺観音」から少し進むと分岐があり、「地獄のぞき」方面の階段へ。

階段を上がっていくと頂上展望台があります。

 

地獄のぞき

岩壁から突き出た「地獄のぞき」です。当然寄るつもりだったのですが、物凄い行列ができていてなかなか進まない...行列に並ぶのが嫌いなのと、帰りの新幹線の時間が気になりだしたため、途中で行列から抜けました。

 

その先にも展望台があって、景色が良く見えるということでそちらへ。

 

地獄のぞきと富士山

地獄のぞきと富士山の両方が望める良いポイントでした。ちなみにここで標高280mほど。

次は千五百羅漢と大仏を見に行きます。

あちこちに羅漢像があります。その数は1,500体を超えるらしいです。

 

階段でどんどん下って行きます。

 

日本寺の大仏

大仏広場に到着。日本寺の大仏(薬師瑠璃光如来)がドーンと鎮座。思っていたよりデカい!それもそのはず、鎌倉や奈良の大仏より大きいそうです。

 

岩を削って作られた”磨崖仏(まがいぶつ)”としては日本一の大仏なんだとか。

大仏の近くには「お願い地蔵」。写真では分かりにくいですが、小さなお地蔵さんが沢山積まれています。

小さな地蔵は売店で購入できます。小さな地蔵の背中に名前を書いて「お願い地蔵」に奉納すると願いが叶うのだとか。

 

 

 

 

大仏広場 ⇒ ロープウェー山頂駅

大仏広場下方にあるトイレに寄り道。きれいなトイレでした。

 

最後にロープウェー山頂駅へ寄ることにしました。

 

大仏広場が標高145mぐらいなので、ここからロープウェー山頂駅まで標高差100mほどを階段で登る感じになります。観光に来た人たちは苦しそうでした(笑)

この道でも羅漢像のポイントがいくつかあります。1,500超もあって、一つとして同じ顔は無いのだとか。きっとそっくりな顔があるはずと思うのは自分だけでしょうか。

 

「不動滝」。看板に書いてあることが謎でした。

 

ここがロープウェー山頂駅に一番近い駐車場。車で上がってくる場合は、有料道路を通るので、通行料がかかるようです。

再び階段登り。

 

山頂駅が見えてきました。

ロープウェー山頂駅手前には「鋸山山頂」の標識。標高329mと書いてありますが、ここは標高240mほど。多くの人が山頂を勘違いする原因を突き止めました(笑)

 

ロープウェー山頂駅に寄った目的の一つ。12月で寒いだろうから「地獄まん」を食べようと思っていたのですが、好天の中をガツガツ登ってきたら暑くなってきたので「地獄アイス」に変更。黒いのは竹炭らしいです。このアイスがなかなか美味でした!

 

地獄アイスを食べながら、天国のような青空で素晴らしい景色を眺めました(笑)

 

 

 

 

ロープウェー山頂駅 ⇒(ふれあいの道)⇒ 浜金谷駅

ロープウェー山頂駅を後にし帰路へ。「地獄のぞき」手前の分岐まで別ルートで戻ってきました。

 

「百尺観音」をチラ見して北口へ。

 

往路と同じ道を下って、途中の分岐で「JR浜金谷駅」方面へ。

 

「ふれあいの道」を下って行きました。

 

途中で振り返ると、採掘跡の絶壁と紅葉が。「地獄のぞき」と展望台も見えました。

 

下りだけだと思ったら、少しアップダウンありました。

 

途中にトイレもあり。中は入っていないので、どんな感じか分かりません。「車力道」も歩きやすかったけど、「ふれあいの道」もよく整備されて歩きやすかったです。

 

「観月台」広場。「観月台」からは海と富士山が見えました。このコースは別名「観月台コース」とも言われるようです。

 

途中から等間隔の階段が続き、サクサク下れました。

 

「車力道分岐(下部)」まで戻ってきたので、ここからはアスファルト歩きで「浜金谷駅」へ帰ります。

 

大汗かいたら寄ろうと思っていた「かぢや旅館」。日帰り温泉利用できます。やはり12月で気温が低く、あまり汗をかかなかったので寄らず。夏に登っていたら、大汗かいて寄っていたことでしょう。

 

その後「ミートショップ笹生精肉店」でコロッケを買って「浜金谷駅」へ戻りました。コロッケを食べながら電車待ち。駅構内の跨線橋から「鋸山」がよく見えました。

とても楽しい観光登山でした。おしまい。

 

 

 

 

千葉県の鋸山(乾坤山)の感想

鋸山(乾坤山)は標高が低いのと、観光地ということで、正直言ってかなり舐めて登りに行きました。でも、駅から歩いたのと、本当の山頂までのアップダウン、石仏巡りの階段登りなどで、思った以上に登りごたえがありました。また、展望台からの眺望や、大仏などの石仏巡りも良かったです。天気がとても良かったのもありますが、期待を上回る観光登山でした。

新潟から千葉は遠いので、今回のように用事が無ければ行くことがありませんが、また行く機会があればぜひ「鋸山」と「日本寺」に再訪したいと思いました。

 

 

▼新潟県(長岡市)の鋸山の記事はこちら▼

  

この日使用した主な道具

TRAILBUM STEADY

今回は登山用というより、着替えや土産等を詰め込んだ旅行用メインで使用しました。重量485gと超軽量のバックパックです。基本容量40Lですが、吹き流しが長いので最大50Lまで入るそうです。フロントの大きなメッシュポケットで上着や登山用クッションなど簡単に出し入れできるのが便利です。