
ニュウ(にゅう)
・標高:2,352m
・所在地:長野県南佐久郡
・白駒の池付近(標高2,100m超)から登り出すことができる
・八ヶ岳連峰の中では比較的容易に登れる山として初心者にも人気
・例年11月~4月は積雪期
全国各地には面白い名称の山が沢山ありますが、その中でも一度聞いたら忘れられない山「ニュウ」。漢字で書くと「乳」。子どもの頃ならちょっと照れてしまいそうな山名です(笑)
山中の標識には「にゆう」とか「にう」とか「ニュー」とか色々書いてあるので正しい表記が分かりませんが、ここでは「ニュウ」で統一します。
この日の山行は、標高2,100mを超える「白駒の池」からスタートし、苔の森を歩き、「ニュウ」と「中山」を経由して、「高見石小屋」で名物の揚げパンを楽しむ王道のルートです。
駐車場情報

「白駒の池入口駐車場」を利用しました。有料駐車場です(2025年時点で普通車600円)。第2駐車場も含めると普通車は180台駐車できるそうです。トイレがありますが、使用料かかります(2025年時点で50円)。

朝早いと係員が不在なので、管理小屋に備え付けてある封筒に料金を入れてポストに入れます。後で係員が駐車許可証をワイパーに挟んでくれます。
バスで来ることもできるようで、茅野駅からアルピコ交通、佐久平駅から千曲バスが出ています。ただし、運航日や時間が限定されているので注意が必要です。
この日のコース

駐車場 ⇒ 青苔荘 ⇒ ニュウ山頂 ⇒ ニュウ分岐 ⇒ 中山展望台 ⇒ 高見石小屋 ⇒ 白駒荘 ⇒ 駐車場
往復距離:8.4km 累積標高差:(上り、下り)500m
標準コースタイムは、往路2時間30分、復路1時間15分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※休憩時間は含まれていません
駐車場 ⇒ 青苔荘 ⇒ ニュウ山頂

第1駐車場から道路を挟んで向かいの登山口へ。

ここからスタート。この日は麓の最高気温35℃予報でしたが、標高2,100m程の登山口は既に涼しい...

序盤はきれいで緩やかな木道を進んで行きます。観光客でも余裕で歩ける感じ。

標識に従い、まずは白駒池方面へ進みました。

「白駒池」を時計回りに進んで、途中から「ニュウ」方面へ行く予定。

「青苔荘(せいたいそう)」。売店だけでなく、宿泊もできるそうです。テント場もあります。どちらも予約必須です。

「青苔荘」をあとにし、白駒池沿いを進んで行きます。周辺の苔むした森は、シシ神様が出てきそうな雰囲気。

白駒池は帰りに見に行くとして、ニュウ方面へ進みました。ここまではなだらかな道がほとんどで、山登りしている人は余裕です。

徐々に登山道らしくなってきました。

少し進んだ先にある「白駒湿原」。ニュウ山頂までは樹林帯続きなので、ここは唯一開けている場所。


分岐の標識。ここは「ニュー」と書かれています。

こっちは「にう」(笑)

山頂に近づくにつれ、急登箇所が増えてきます。岩ゴロゴロの箇所や、木の根っこだらけの箇所など。危険は少ないけど、登りやすいとは言えない道が続きます。

ペースの速い友人に合わせて、えっさえっさとひたすら樹林帯を登って行くと「にゅう」?「にゆう」?山頂に早くも到着。

岩だらけのニュウ山頂は広くありませんが、見晴らしがとても良いです。
ニュウ山頂 ⇒ 中山展望台 ⇒ 高見石小屋

ニュウ山頂からの眺望は360度パノラマビューです。八ヶ岳連峰の天狗岳、硫黄岳がよく見えました。

硫黄岳の左には、雲の間に富士山も。

甲武信ヶ岳や金峰山など奥秩父の山々。

北横岳や蓼科山など。

ニュウ山頂はそれほど広くなく、人の出入りが多いので短時間で下りました。

ニュウ山頂から下りて縦走開始。中山方面へ進みます。

標高はニュウより中山の方が高いので、登りが多め。でもゆっくり登ればきつくありません。樹林帯続きで日差しを浴びずに登れ、それほど汗をかかずに快適でした。

眺望の良いポイントもちょっとだけあります。

少しなだらかになってきました。

ニュウ分岐。ここから中山峠へ下って、天狗岳方面へ進みたい気持ちもありましたが、この日は高見石小屋の揚げパン目当てなので、中山方面へ。

分岐から中山への行程は、日の当たる道が多いです。


樹林帯にある「中山」山頂は標識が見当たらず(もともと無かったっけ?)、通過しただけ。

すぐに「中山展望台」に到着。実質ここが山頂のようなもの。

「中山展望台」は広く、景色も良く見えるので休憩ポイントとしては最適です。

でもこの日はガスが上がってきてしまい、眺望は少し残念でした。

少し休憩した後、下山開始。「高見石小屋」へ向かいます。


下山は滑りやすい坂でコケないように気をつけます。

自分は未だにオコジョを見たことがありません。本当に実在するのか疑ってしまう(笑)


腹減ったな~と飢えた状態で「高見石小屋」に到着。
高見石小屋 ⇒ 白駒荘 ⇒ 駐車場

さっそくこの日のメインイベントへ。ちなみに高見石小屋の軽食営業時間は10時~14時まで。また、客が多い土日祝日などは、揚げパンも午前中で売り切れることが多いとか。


揚げパンは平日なら2種類セットで購入できますが、土日祝日は全5種類(きなこ、ココア、抹茶、チーズ、黒ゴマ)セット販売のみ。一つ一つが大きくないので、5個ペロリと食べられました。

コケモモジュースはさっぱりしていて美味しかったです。でも次回は八ヶ岳産いちごのソーダにしようかな。

食後は小屋裏にある「高見石展望台」へ。

展望台は簡単に登り下りできますが、大きな岩が積みあがってできているので、体の小さな人は少し苦労している様子。

「白駒池」が見えます。天気が良ければ眺望良いのですが、遠くの景色はガスってあまり見えませんでした。

小屋へ下ります。

トイレ。100円入れて利用しました。

この後は、「丸山」経由で下山も考えましたが、面倒だったので「白駒池」方面へ普通に下りました。


下山はひたすら苔むした滑りやすい岩道が続くので、コケないように注意して下ります。ゆるやかな木道になったらもう安心。

「白駒荘」。濃厚ソフトクリームを食べるつもりだったのですが、揚げパンで満腹だったのでスルー。

ここでようやく「白駒池」を眺められました。


その後はゆるゆると下って駐車場に戻りました。おしまい。
ニュウ~中山の感想
白駒池付近から登り出す「ニュウ」、「中山」は距離や標高差が短く、八ヶ岳の中では初心者でも登りやすいコースとして人気です。普段山に登らない人は、周回せずに「ニュウ」までとか「中山展望台」までというのも良いかもしれません。
今回は暑い山を避け、北八ヶ岳特有の苔むした樹林帯歩きと、「高見石小屋」の揚げパンを目的としたゆるハイクでした。自分のように暑さに弱い人には特にお勧めです。
この日持って行った主な道具
TRAILBUM STEADY
重量485gと超軽量のバックパックです。基本容量40Lですが、吹き流しが長いので最大50Lまで入るそうです。フロントの大きなメッシュポケットで上着や登山用クッションなど簡単に出し入れできるのが便利です。
「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル」
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。