立山(たてやま)
・標高:3,015m(最高峰の大汝山)
・所在地:富山県中新川郡立山町
・日本三名山、日本三霊山、日本百名山、新日本百名山、花の百名山
・「立山黒部アルペンルート」の乗り物を利用して、標高2,400m超の「室堂」から登り出すことができる。
・「立山」という独立峰はなく、一般的には「雄山」「大汝山」「富士ノ折立」を総称して立山と呼んだり、連峰一帯と室堂などを含めて立山と呼ぶこともある。
連日真夏日が続いた7月上旬、暑かったので「立山」で日帰り避暑登山をしてきました。避暑なのでケーブルカーとバスを乗り継いで、標高2,400mを超えている「室堂」からスタートです。
この日は室堂から雄山に登り、そのままぐるっと別山まで縦走して室堂へ戻る周回ルート。涼しい中をのんびり周ってきました。
駐車場情報
富山側から向かうので富山地方鉄道の「立山駅」まで車で移動。駅の周辺に沢山ある駐車場を利用します。
「立山駅」で立山~室堂間の往復きっぷを購入。販売開始時間前から長蛇の列ができていました。
天気の良さそうな土曜だったので並ぶのは覚悟していましたが、前回来た時より2,000円ぐらい料金(往復)が値上りしていることに軽くショックを受けました(笑)
日程が事前に決まっている場合は、ネットで前売り券(WEBきっぷ)を購入しておくと当日とてもスムーズです。
この日のコース(周回)
室堂 ⇒ 一ノ越 ⇒ 雄山 ⇒ 大汝山 ⇒ 富士ノ折立 ⇒ 真砂岳 ⇒ 別山(北峰) ⇒ 剱御前小屋 ⇒ 雷鳥沢キャンプ場 ⇒ みくりが池 ⇒ 室堂
往復(周回)距離:10.3km 累積標高差:(上り)1,075m (下り)1,075m
標準コースタイムは、往路(別山まで)4時間00分、復路(別山から)3時間10分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※室堂ターミナルまでの交通機関の移動は含まれていません
室堂ターミナル⇒一ノ越⇒雄山
室堂ターミナル内で入山届を提出して行きます。事前に様式に記入して持って行くとスムーズです。
▼立山駅から室堂までの行程は過去の記事をご参照ください
3年ぶりの「立山」に懐かしさを感じます。
無風で思ったより涼しくなかったけど全然暑くない!しかも青空で景色が映えます。
石畳上をてくてく歩いて行きます。「立山室堂山荘」の手前の分岐を一ノ越、雄山方面へ進みます。
7月上旬。まだ雪渓が何か所かあり、天気が良いと眩しいです。サングラスを忘れずに持って行きましょう。一応チェーンスパイクも持って来ていましたが不要でした。
ここら辺から涼風が吹いてきて気持ちがいいー。
花も沢山咲いていました。
「一ノ越山荘」が見えます。あそこまで行ったら休憩。
「一ノ越」に到着。ここで標高2,700m程。山荘とトイレがあります。雄山に登る前にここで一息入れます。
「一ノ越」まで来ると後立山連峰がよく見えるようになります。左下方には黒部からの登山道が見えます。
少し休憩して「雄山」へ取り付きます。ここから「雄山」山頂までは近いようで標準コースタイムで1時間の行程です。
ガレ場の急坂が続きます。石を落とさないように気をつけて歩きます。
標高が高くなっているので息が切れやすいです。高山病になりやすい人は、しんどくなる前に休憩を挟みつつゆっくり登りましょう。
ちなみに岩の赤色ペンキは登りルート、黄色ペンキは下山ルートらしいです。
ふと室堂方面を眺めると素敵な景色が広がっていました。
山頂の社務所が見えてきたよー。
こんな荒々しい岩場に咲く可憐な花。
「三ノ越」に到着。「一ノ越」~「雄山」山頂間のちょうど半分くらい。なだらかで広めなので休憩ポイントです。
もうちょい!
「雄山」山頂に到着!左の建物は開山期間のみ開いている社務所。
ちなみに本当の山頂(標高3,015 m)は右上に見える岩場の上(峰本社)。
峰本社へは開山期間(例年7月~9月)は登拝料を支払うと入ることができます。お祓いをしてもらえます。
「雄山」からの眺望はとても良いです。先ほどの「一ノ越」からよりもさらに後立山連峰がよく見えます。「雄山」までで下山する人も多いです。
雄山⇒大汝山⇒富士ノ折立⇒真砂岳⇒別山
この標識の場所から「大汝山」方面への縦走路が始まります。
ガスが上がってきていますが、奥の「剱岳」までよく見えました。「剱岳」の前にそびえる「別山」まで縦走して室堂へ戻る予定です。
ちなみにこの日の立山の天気予報は夕方から雨が降りそうな感じ。早めに天気が崩れ出したら「別山」まで行かずに途中の「真砂岳」から下ろうと考えつつ、とりあえず奥に見える「大汝山」へ進みます。
岩場を登って「大汝山(おおなんじやま)」に登頂。「大汝山」は連峰最高峰の3,015mです。
狭い岩場の上なので、最高峰なのにちょっと寂しい山頂標識。山頂は経由せずに巻き道で先へ進むこともできます。
「大汝山」山頂から下ると「大汝休憩所」があります。休憩所なので宿泊はできませんが、7月~9月の間は売店と食堂の営業をしています。
ちなみにここは映画「春を背負って」の撮影舞台にもなった小屋です。原作の小説では奥秩父の山が舞台らしいです。
あっという間にガスってきたー。
とりあえず次の「富士ノ折立(ふじのおりたて)」へ。
「大汝山」と同様に岩場を登って「富士ノ折立」に登頂。ここも狭い岩場です。記念撮影の列ができていたので、山頂標識をちょこっとだけ撮影。標高2,999mです。
黒部湖が見えます。
「富士ノ折立」から下りて「真砂岳」、「別山」へ続く稜線。この景色が好きです。稜線フェチには堪らない。
荒涼とした稜線上ですが、場所によっては花も咲いていたりします。
「真砂岳」下から「大走りルート」で雷鳥沢まで下山することができます。でも天気がまた良くなってきたので、そのまま進むことに。
「真砂岳」山頂。標高2,861mです。ここの標識はけっこうかっちりしてます。広めのスペースもあって休憩しやすいです。
「真砂岳」から「別山」方面へ進みます。この写真では見えにくいですが、東の方へ少し下った所に「内蔵助(くらのすけ)山荘」があります。ここに泊まって真砂岳から日の入、日の出を見てみたい。
「真砂岳」から「別山」まで標準コースタイムで45分。あの登りがけっこう辛いんだよなー。
雷鳥沢方面。緑と白の織りなす景色がきれい。下界は暑くて仕方ない日が続いていたけど、まだ雪がこれだけ残っているのが凄いですね。
後半に差し掛かり、別山への登りもなかなか疲れます。
「別山」に到着!標高2,874mです。山頂は広く、祠があります。
「剱岳」がどーんと見えます。
「剱岳」をもう少し間近で見るために奥の「北峰」にも行ってみました。「別山」山頂から「北峰」までは標準コースタイムで片道15分(往復30分)。
「北峰」の奥まで行くと「剱岳」がさらによく見えました。ここで写真を撮りながらちょっと休憩。
別山⇒剱御前小屋⇒雷鳥沢⇒みどりが池⇒室堂
「別山」山頂へ戻り、下山開始します。「硯ヶ池」はまだ雪で覆われていました。雪解け水がとてもきれいでした。
空が曇り気味になってきました。それに加えて自分の体調も下降気味になってきちゃいました。最近、睡眠不足による夏バテ気味。同行者には迷惑かけちゃいました。
「剱御前小屋」が見えてきました。
「剱御前小屋」です。「室堂」と「剱岳」の中間地点にあり、「剱岳」登山者にとってとても重要な山小屋です。
チップ制のトイレもあり利用させてもらいました。
小屋の前でちょっと長めの休憩。カロリー摂取しなきゃなのに、夏バテで食欲が湧かなくて行動食もほとんど食べられず…
少し回復したので下山再開。「剱御前小屋」からの下りはしばらく急坂が続きます。
「雷鳥沢キャンプ場」近くまで下りてきました。小屋からここまで一時的に天気が良くなり暑くなってきて余計バテバテ(大汗)
「雷鳥沢キャンプ場」。この日の夜は荒れそうな天気予報でしたが、思った以上にテントが沢山ありました。最盛期の週末は物凄い数のテントで埋め尽くされます。
室堂まで戻るのにまた登ります。いつもは何てこと無い坂なのに、この日は凄くきつい坂に感じました(笑)
「雷鳥沢ヒュッテ」や「雷鳥荘」を眺めながら登って行きます。
「血の池」。
「地獄谷」。硫黄臭が凄い。
日本一高所の天然温泉「みくりが池温泉」に到着。過去の山行ではいつも通過しているポイントでしたが、この日はここでも休憩。休憩してばっかだな!
「自家製ブルーベリーのソフトクリーム」でカロリー補給。美味しかったー。実は先っちょを食べてしまった後に慌てて撮った写真(笑)
「みくりが池」。ガスってきちゃいましたが、きれいな青い湖面に逆さ立山連峰。
室堂ターミナルまで戻り、バスにも無事に間に合いました。おしまい。
立山の感想
時々ガスに包まれたり終盤体調不良になったものの、涼しい中でとても良い景色が見られて大満足の山行でした。今回の周回ルートは稜線好きにはぜひおすすめしたいです。室堂周辺には花も沢山咲いていました。
ちなみに、当日朝にケーブルカー等で室堂に上がってくると、どうしても登り出す時間が遅くなります。初心者の人や、ゆっくりと周りたい人は1泊して周回することをおススメします。日帰りしておいて何ですが、せっかく立山に行くのだから日帰りは勿体ないというのもありますし。
なお、立山三山(雄山、浄土山、別山)のうち、「浄土山」は未踏なので今度ぜひ登ってみたいと思います。
下山後に立ち寄った温泉
「ゆ~ランド 立山吉峰温泉」へ立ち寄りました。「グリーンパーク吉峰」の一角にあります。施設は清潔で快適。露天風呂も気持ち良かったです。
この日持って行った主な道具
THE NORTH FACE ベンチャージャケット
薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。夏でも高山では寒くなることがあります。アウターを必ず持って行きましょう。
「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル」
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
Unigear 18本爪 チェーンスパイク
この日は使用しませんでしたが、チェーンスパイクは軽量でコンパクトに収納でき、脱着もとても簡単です。残雪がある場合は念のためバックパックに入れて行くと良いです。