3PEAKS

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天空を突く穂先「槍ヶ岳」へ(新穂高温泉から飛騨沢コース)【後編】

槍ヶ岳(やりがたけ)

・標高:3,180m

・所在地: 岐阜県高山市、長野県松本市、大町市

・日本百名山、花の百名山

・その特徴的な山容から、「日本のマッターホルン」と言われる

・例年登山適期は7月~9月

 

▼1日目からの続きです▼

 

 

この日のコース(飛騨沢コース)

(1日目)第3駐車場 ⇒ 新穂高ビジターセンター ⇒ 穂高平避難小屋 ⇒ 槍平小屋 ⇒ 飛騨乗越 ⇒ 槍ヶ岳山荘  槍ヶ岳山頂

(2日目)槍ヶ岳山荘 ⇒ 飛騨乗越 ⇒ 槍平小屋 ⇒ 穂高平避難小屋 ⇒ 新穂高ビジターセンター ⇒ 第3駐車場 

 

往復距離:29.0km 累積標高差:(上り)2,300m(下り)2,300m

標準コースタイムは、往路9時間10分、復路6時間50分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

 

 

槍ヶ岳山荘 ⇔ 槍ヶ岳山頂

山荘の部屋に荷物を置いてヘルメット装着。カメラと貴重品だけ持って山頂アタックです。

※カメラや貴重品は登攀時に邪魔にならないよう、アタックザックかサコッシュなどにしまって登りましょう。

 

周辺の山々はガッツリ雲がかかってますが、渋滞が嫌いなので空いている内にサクっと登ってしまおう作戦。

 

トレースとペンキ印、岩の形状を確認しながら登って行きます。上からの落石に注意するのと、自身も石を落とさないように登りましょう。実際、この日も落石が発生して、危うく人に当たりそうになっていました。

 

「アルプス一万尺」で有名な「小槍」です。「あんな所で踊れるわけないだろ!」とは槍ヶ岳に来た人が皆言うことです。それどころか、普通の登山者には登る事すらできないだろう険しさ。

 

よく見ると、1人登ってました!イヤー見てるだけでおっかない。

 

槍の穂先のルートは登りと下りで分かれているので、ペンキの矢印を確認しながら間違えないようにしましょう。基本的に左側通行です。

 

最後にハシゴを連続で登ります。鎖や梯子がいくつかありますが、前の人が使い終わって手を放してから使いましょう。

 

槍ヶ岳山頂に到着!標高3,180mです。山頂には祠と標識があります。標識(板状)は手で持つことができます。

 

残念ながら雲、ガスが多めでした。

 

でも、ブロッケン現象が見れたり

 

「小槍」に無事登頂した人が見れたり

 

山荘を上から見下ろしたりと、色々と景色を楽しみました。

あと、山頂に沢山人がいたので、写真を撮ってあげたり撮ってもらったり。

 

槍ヶ岳山頂の祠は凄い所に設置されていますが、暴風雪で飛ばされたりしないのでしょうか?落雷で壊れたことがあるというのは聞いたことがありますが。

 

景色を堪能したので、梯子を使って山頂から下ります。

 

下りはどんどん人が後ろから来るので、写真を撮る暇がほとんどなく

 

山荘前まで戻ってきました。

 

その後は周辺を散策したり、写真を撮ったりしてゆっくりと時間を過ごしました。

 

槍ヶ岳のアーベントロート。夕食に呼ばれた人達が山荘の中へ消えてきました。山荘の食事もそそられるのですが、素泊まりにすると食事時間を気にせず過ごせて良いです。もちろん節約のためでもありますけど。

 

その後、自炊室で夕飯を食べて、後で夜景とか山荘内を撮ろうと思い仮眠に入りました。

 

Zzz...

 

はっ!仮眠のつもりが、そのまま朝まで寝てしまいました!寝不足だったのと登りの疲れがけっこう効いていたようです...

ということで、おはようございます。朝の槍ヶ岳です。

 

富士山も見えました!ついつい探してしまいますよね。手前は南アでしょうか。

 

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う~ん。素晴らしい朝の景色です。でもライトダウンを中に着ていても寒かったです。

 

 

 

 

槍ヶ岳山荘 ⇒ 第3駐車場

朝食を軽く済ませ、下山開始です。本当はもっとゆっくりしたかったのですが、帰ってから仕事が控えていたので早めに下ります(涙)

 

さようなら槍ヶ岳。またくるよー。

 

飛騨乗越の分岐。

下りはコケないことが目標!急坂でザレ場が続くから滑るんですよねー。

 

前日はガッスガスであまり見えなかった景色。

 

千丈沢分岐(救急箱)。

 

「槍平」へ戻ります。

 

登りの時は混雑していて利用できなかった水場。めちゃんこ冷たかったです。

 

「槍平小屋」に戻ってきました。ここの水場は本当にありがたい。水を補給しておきます。

 

小屋前で休憩し、槍ヶ岳山荘で買ったとんがりコーンを食す。

 

「槍平」周辺は坂もなだらかで歩きやすい道が続くので、時間があればゆっくり散歩したい場所です。

「南沢」。

 

「滝谷」。

 

崩れた道を簡易修復した所が、簡単に壊れそうで一番緊張しました。

 

「チビ谷」。

 

「チビ谷」と「白出沢」間の岩畳は、いつも湿っていて滑りやすいです。

 

「白出沢」。ここまで下ってきたらもうゴールの気分。

 

「白出沢」より下はなだらかな林道。長いのがちょっと面倒ですが、岩の上ばかり歩いてきたので凄く気が楽です。

 

「穂高平小屋」。

 

長かった林道もようやく終了。

 

ビジターセンターで下山届を提出していきます。

 

第3駐車場へ向かいます。

 

下山完了で~す。


槍ヶ岳(飛騨沢コース)の感想

槍ヶ岳へは、”上高地”から登る「槍沢コース」の方が人気ですが、その分渋滞も発生しやすいです。”新穂高温泉”からの「飛騨沢コース」は、駐車場こそ混んでいますが、人がそれほど多くなく、静かな山歩きができます。距離も「槍沢コース」より短いです。

ただし、自然災害の影響を受けやすく、沢の増水や登山道の崩落などで通行できないこともあります。特に台風や雨が続いた後などは、槍平小屋の発信する情報等で安全を確認してから登りましょう。

槍ヶ岳およびその周辺の山々の景色は、晴れていればとても素晴らしいので、泊まりで登られることをぜひおススメします。可能な限り混雑期を避けて登ると良いです。

 

 

この日立ち寄った温泉

下山後によく寄るのが「ひがくの湯」です。内湯はありませんが、「錫杖岳(しゃくじょうだけ)」を眺めながら浸かる露天風呂が気持ちいいです。登山者へのサービスも色々あります。

 

この日は寄りませんでしたが、第3駐車場から吊り橋を渡ったところにある「深山荘」。ここの開放的な露天風呂もおススメです。

 

この日使用した主な道具

SPORTIVA(スポルティバ) トランゴ TRK GTX

アルパインブーツを多く出しているSPORTIVAによる軽量のトレッキングブーツ。片足600g未満とライト系でありながら、岩場の多い山にも対応しているのでおススメ。

 

Black Diamond ストームライン ストレッチレインシェル

高山では夏でも気象や時間帯によって寒くなることもあるので、1枚かるく羽織れるジャケットを持って行くことをおススメします。この日は行動中こそ暑くて使用しませんでしたが、夕方や朝は寒く感じたので使用しました。

 

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) ハーフドーム

軽量で装着しやすいヘルメットです。落石や滑落の危険性が高い山にはヘルメットを持っていきましょう。

 

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ

グローブをしていると手を保護できるし、滑り止めが効いて鎖やロープを握りやすいです。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。