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「秋田駒ヶ岳」八合目からムーミン谷まで(周回)

秋田駒ヶ岳(あきたこまがたけ)

・標高:1,637m(最高峰の男女岳)

・所在地:秋田県仙北市、岩手県岩手郡雫石町

・山頂一帯に高山植物の花が沢山咲く

・「馬場の小路」は通称”ムーミン谷”と呼ばれている

・6月~10月は八合目登山口までの道がマイカー規制となる

 

「秋田駒ヶ岳」は秋田県と岩手県にまたがる活火山です。最高峰の「男女岳」や主峰の「男岳(おだけ)」、火口丘の「女岳(めだけ)」などで構成されています。標高は1,600m級ですが、東北の奥地にあるため偽高山帯を形成し、高山植物が豊富に生息しています。「新・花の百名山」「新日本百名山」に選定されています。

2年前にも一度登ったことがあったのですが、ガスガスで景色を全く楽しめませんでした。写真もほとんど撮らなかったので、記事はお蔵入りに(笑)

今回、8月のお盆時期に登る機会があったので、青空のもとでリベンジしてきました。

 

 

駐車場情報

この時期の八合目登山口への道はマイカー規制が敷かれます(※)。そのため、「アルパこまくさ」に駐車し、そこからバスに乗り換えて八合目登山口へ向かいました。

バスのチケットは「アルパこまくさ」内で事前に購入できます。2023年はアルパこまくさ~八合目で片道630円、往復1,260円でした。

 

登山届は「アルパこまくさ」または八合目小屋で提出できます。また、事前にWeb等でも提出できるので、仙北市のサイトをご参照ください。

 

▼公共交通機関で行く場合▼

JR田沢湖駅から出ている便もあり、片道1,050円、往復2,100円です(2023年8月時点)。JR田沢湖駅は秋田新幹線も停車する駅です。

 

この日のコース



八合目登山口 ⇒ 焼森 ⇒ 横岳 ⇒ 阿弥陀池 ⇒ 男女岳 ⇒ 横岳 ⇒ 大焼砂分岐 ⇒ ムーミン谷 ⇒ 阿弥陀池 ⇒ 片倉岳展望台 ⇒ 鉱山跡 ⇒ 八合目登山口

 

往復距離:8.8km 累積標高差:(上り)730m(下り)730m

標準コースタイムは、往路2時間50分、復路2時間00分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

※バス乗車区間は数値に含んでいません

 

 

 

八合目 ⇒ 焼森 ⇒ 横岳 ⇒ 阿弥陀池

「アルパこまくさ」から標高差670mほどをバスで上がってきました。クネクネのすれ違い困難な道を、このサイズのバスでグイグイ上っていくのが凄いです。

 

八合目の小屋には休憩スペースとトイレ、売店があります。飲料自販機はありません。

売店は小さいですが、飲料や行動食、秋田駒ヶ岳のグッズ等が売られています。売店のおばちゃんは秋田駒ヶ岳に詳しいので、分からないことがあったら尋ねてみましょう。できれば売店で買い物もしましょう(笑)

なお、売店は営業していない日や時間があるので、飲料や食事は忘れずに持っていきましょう。

 

登山口前に水場があるので、空のペットボトルや水筒があれば水は確保できます。下山後に靴を洗うこともできます。

 

登山口です。”新道コース”も”しゃくなげコース”もここからスタート。

 

すぐに分岐があり、左手の”しゃくなげコース”から登り出しました。

ちなみにほとんどの人は王道の”新道コース”を登っていきます。

 

”しゃくなげコース”はロープや鎖が張られている急坂もちょこっとあります。

 

この日は風が強く吹いていて、ひっきりなしにガスと青空が入れ替わります。

尾根に上がります。

 

見晴らしの良い休憩ポイントがあります。ベンチに並んで座っていらしたご夫婦(と思われるお二人)が絵になります。

 

黒土が広がる「焼森」へ。

 

朝露をまとったハクサンシャジン。

 

「焼森」に到着。って、真っ白じゃないかー。前回のデジャブ?

「焼森」は広くて休憩ポイントとしては最適です。晴れていれば眺望も良いはずですが、どんな景色が見られるのか未だ分かりません(笑)

 

まさか今回もガスガスで終わるのか?...とモチベーションダダ下がりながら「横岳」へ向かいます。

 

とりあえず沢山咲いていたコマクサに癒されながら歩きます。

 

「横岳」に到着。標高1,582 m。ここも広くて良い休憩ポイント。

 

本来はここで”コマクサコース”を下って「ムーミン谷」へ向かう予定だったのですが、あまりの白さに皆行く気にならず。

とりあえず「阿弥陀池」へ向かって、ガス待ちしようということになりました。

 

大好物のなだらかな稜線歩きですが、眺望皆無なのが残念。

 

「横岳分岐点」で「阿弥陀池」方面へ下ります。

 

この時点で「阿弥陀池」方面はガスでほとんど見えませんでした。

 

ところが下りてくる間にガスも消え始め、着いた時には青空が広がっていました!

 

前回見られなかった青空の中の「阿弥陀池」。池の周囲には木道が整備されていて、のんびりと景色を楽しむことができる最も人気のポイントです。

左奥には「男岳(おだけ)」、右奥で見切れているのは最高峰の「男女岳(おなめだけ)」。

 

写真を撮っていたら、また一瞬で白くなってきました...でも日差しが弱まり涼しい風も吹いていて気持ち良かったです。

とりあえずお腹も空いてきていたので、池の畔でご飯を食べながら晴れるのを待つことにしました。天気予報と売店のおばちゃんの予言では、午後から晴れてくるとのこと。

 

 

 

阿弥陀池 ⇒ 男女岳 ⇒ 阿弥陀池 ⇒ 横岳

ご飯を食べてまったりしていたら晴れてきました。とりあえず直ぐに登れる「男女岳」へ登ることにしました。

 

「阿弥陀池」から「男女岳」山頂間は往復コースタイム30分程度です。

 

高山植物の花が沢山咲いています。

 

最高峰「男女岳(おなめだけ)」に到着。標高1,637mです。

ちなみに秋田県の最高峰です。最高峰は「鳥海山」じゃないの?って思われる人がいるかもしれませんが、「鳥海山」の山頂は山形県なんです。

 

「男女岳」から眺める「田沢湖」。コバルトブルーに輝いて凄くきれいでした。「田沢湖」の最大深度は日本一だそうです。「日本のバイカル湖」と言われているとか。

 

「阿弥陀池」は見えますが、その奥の方は相変わらずガスガス。ムーミン谷もガスの中でしょう。

 

「男女岳」から下ります。

 

地図で破線ルートになっている”旧道コース”。八合目から「阿弥陀池」までの最短コースらしいですが、下方は鉱山跡の不安定な道が続くそうです。注意看板も立っているので、特に初心者は避けた方がよいでしょう。

「阿弥陀池避難小屋」。活火山なのでヘルメットも備えられていました。

その裏にチップ制のトイレあります。利用させていただきました。

 

トイレ後、横岳方面を見たら青空が広がってきていました!

メンバーと相談した結果、横岳に登り返して、「ムーミン谷」の空の状況を確認してみようということになりました。

「横岳分岐点」まで登り返してみたら、先ほどはガスで全く見えなかった「ムーミン谷」の景色が!

 

午後から良くなりそうという天気予報どおり。売店のおばちゃんの予言も当たりました(笑)

 

「横岳」に戻ってきました。

 

ここから「大焼砂」を経由して「ムーミン谷」へ向かいます。ちなみに「横岳」から「大焼砂」を歩く”コマクサコース”は秋田と岩手の県境だそうです。

 

 

 

横岳 ⇒ 大焼砂 ⇒ 馬場の小路(ムーミン谷) ⇒ 男岳分岐点

”コマクサコース”を下って行きます。

 

「大焼砂(おおやけすな)」が近づいてきました。思っていたより広大で迫力がありました。

麓の景色が良く見えました。ここは秋田と岩手の県境なので、雫石市方面の景色だと思います。違ったらゴメンナサイ。

 

秋田方面は馬場の小路(ムーミン谷)や「女岳」、その奥には「田沢湖」が見えます。

 

「大焼砂」は砂状なので滑りやすかったです。下りでは滑りながら歩くと速いですが、登ってくる人はちょっと苦労しているようでした。

 

「大焼砂分岐点」に到着。ここから折り返すように馬場の小路(ムーミン谷)方面へ進みます。

 

「大焼砂」を渡る道が終わり、緑が広がる空間へ入っていきます。

木道が現れました。「ムーミン谷」と呼ばれる一帯に入っていきます。

メルヘンに出てくるような草原の中をなだらかな木道が続いています。こういうの大好きです。

チングルマの花は終わっていましたが、色んなお花が沢山咲いていました。写真では分かりにくいのが残念。

 

「駒池」。思っていたよりも水が少なかったですが、暑さが続いていたせいでしょうか?

 

途中にあったシシウドの群生。

 

ミヤマリンドウかな?

楽しかった木道歩きが終わり、「五百羅漢」へ繋がる道との分岐に出ます。今回はそのまま道なりに「男岳分岐点」のある尾根へ登っていきました。

 

ここがなかなかの急坂続き。ガレ場も多く疲れます。しかも強い日差しが降り注いで、この日一番暑かったです。

それでも気温は下界よりも10℃ほど低く、そこそこ風も吹いていたので、汗はそれほどかきませんでした。

 

ムーミン谷を振り返る。

 

「男岳分岐点」に到着。ここから主峰の「男岳(おだけ)」へ登るか、「阿弥陀池」方面へ下るか。

相談しようと思ったら、先ほどの登りで他のメンバーが結構疲れてしまったようで、即決で下ることになりました。自分は2年前に登っているからいいのですが(笑)

 

 

 

男岳分岐点 ⇒ 阿弥陀池 ⇒ 片倉岳展望台 ⇒ 鉱山跡 ⇒ 八合目

ということで、あとは下山するだけ。まず「阿弥陀池」方面へ。

 

阿弥陀池付近の分岐から”新道コース”で下山。空に続いていそうな木道を歩いて行きます。

 

木道は終わりますが、まだ続く天空のお散歩道。

 

”新道コース”では「田沢湖」もよく見えます。

 

このコースは見晴らしの良い休憩ポイントも多いです。

 

烏帽子のような形をした山が「乳頭山」。あの山から湧き出る温泉が有名な「乳頭温泉」

 

「片倉岳展望台」に到着。

 

「男女岳」をぐるっと巻くように下りてきました。

 

八合目の駐車場と小屋が見えてきました。

 

鉱山跡が見えてきました。

 

鉱山跡に到着。先ほどの「男女岳」脇に伸びていた”旧道コース”はここに繋がります。看板が出ているとおり、危険個所が多いので避けた方が良いそうです。

 

せっかくなので広角で撮ってみた。ルートが全然分かりません(笑)

 

”新道コース”に戻って下山再開。

 

八合目近くにある展望台?観光客向けですかね。

 

八合目に下山完了。水場で靴を洗いました。

バス時刻表を見て時間調整しながら下山したので、直ぐにバスに乗ることができました。

 

その後はバスで楽々「アルパこまくさ」に戻ってきました。おしまい。

 

 

 

秋田駒ヶ岳の感想

「秋田駒ヶ岳」は、八合目登山口からコースタイム1時間半程度で阿弥陀池まで登ることができ、”新道コース”や”しゃくなげコース”はよく整備されているので、初心者にもお勧めの登りやすい山だと思います。

眺望の良い峰々、その谷あいでは木道が整備された湿原、豊富な高山植物など見どころが沢山あるので、天気が良ければ絶景のオンパレードでした。

なお、大焼砂からムーミン谷も周回するには、追加でコースタイム2時間と体力が必要です。余裕がある場合はぜひ訪れてみてください。

 

 

下山後に立ち寄った温泉

この日は仙北市の宿泊施設の温泉に入りました。日帰り入浴する場合は、「アルパこまくさ」内に温泉館があります。


また、「アルパこまくさ」から車で10分程走ると「乳頭温泉郷」があります。日帰り入浴は16時位で終わる施設が多いので、早めに下山して向かいましょう。

 

 

 

翌日に立ち寄った場所

翌日は観光を楽しもうと思っていましたが、雨が凄くて屋外観光はできませんでした。手っ取り早く秋田のお土産や食事が楽しめそうな所ということで、「秋田ふるさと村」に寄りました。

秋田と言えば「なまはげ」。でも秋田県全域では無く、男鹿半島周辺の伝統行事なんですってね。

 

日本三大焼きそばの一つ、「横手焼きそば」。フードコートでしたが、横手やきそばグランプリ受賞歴もある名店「出端屋」の焼きそば。

 

秋田のご当地アイス「ババヘラ」。ババがヘラで盛り付けるから「ババヘラ」らしいです(笑) 

 

 

 

この日使用した主な道具

熊撃退スプレー ホルダーケース付き

実際に使用したことが無いので効果は分かりませんが、アメリカ環境保護庁登録商品だそうです。秋田駒ヶ岳でもしばしば熊の目撃情報があるので、念のため持っていきました。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。

 

「THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900」

暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。

 

 「snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル

ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。