八ヶ岳(やつがたけ)
・標高:2,899m(最高峰の赤岳)
・所在地:長野県、山梨県
・日本百名山の一つ
・「八ヶ岳」は長野県と山梨県にまたがる火山列の総称
・「八ヶ岳」全域で30超もの営業小屋がある
9月中旬の連休で5年ぶりに「八ヶ岳」へ行ってきました。これまでは全て日帰りだったのですが、今回は小屋泊してのんびり楽しもうということで「オーレン小屋」を予約しました。2日間で「硫黄岳」と「天狗岳」を楽しむ計画です。
南北に伸びる「八ヶ岳」は、「夏沢峠」を境に”北八ヶ岳”と”南八ヶ岳”に分けられます。つまり、北(天狗岳)と南(硫黄岳)両方を登る計画です。
オーレン小屋の予約
「八ヶ岳」には素敵な山小屋が沢山あるのも魅力です。いつも日帰りだったので、泊まってみたいな~と思いながらも売店利用だけでした。
今回宿泊した「オーレン小屋」も、食事が美味しく風呂にも入れるという山小屋とは思えない快適さで大人気です。
約3週間前にWeb予約できました。個室は先着順で、予約時点で埋まっていたので「大部屋になります」とのことでした。
駐車場情報(桜平駐車場)
利用した「桜平駐車場」への道は、GoogleMapや車のナビでは途中までしか経路表示されません。「フォレストカントリークラブ三井の森」の前の道路を道なりに進むと、「唐沢鉱泉」と「夏沢鉱泉」の分岐があります。看板が立っているので、見落とさないように進めば大丈夫だと思います。
「唐沢鉱泉」と「夏沢鉱泉」の分岐からは、悪路で有名なガッタガタの道が続きます。最低地上高の低い車は腹を擦りまくり、最悪途中で動けなくなります。途中でパンクしてロードサービスを呼んだなんて話も聞いたことがあります。
また、すれ違いが困難な箇所も多いので、対向車が来た時のために待避スペースを確認しながら進みましょう。
ここまで読むと、「どんだけ危険な道なんだよ」と萎えるかもしれませんが、普通の車で気をつけて走れば大丈夫です。ただ運転がちょっと疲れるのと、同乗者の乗り心地がちょっと?悪いだけです(笑)
AM4時過ぎに「桜平駐車場(中)」に到着しましたが、既に満車。満車どころか周辺は路駐だらけでした。甘かったー。前回来たときはギリギリ駐車場に停められたんだけどな。
仕方ないので、駐車場からしばらく下ったところで邪魔にならないスペースを見つけ、そこに路駐させていただきました。
ちなみに桜平駐車場は登山口から近い順に(上)(中)(下)とあります。トイレは(中)にしかありません。
桜平駐車場 | 上 | 中 | 下 |
---|---|---|---|
駐車可能台数 | 20台 | 60台 | 80台 |
登山口迄の歩行時間 | 5分 | 15分 | 1時間30分 |
トイレ | 無し | あり | 無し |
(下)は満車になっているのを見たことがありません。歩く距離と時間が(上)(中)よりかなり伸びてしまうので、利用する人は多くありません。
今回のコース
【1日目】
桜平駐車場(中) ⇒ 登山口 ⇒ 夏沢鉱泉 ⇒ オーレン小屋 ⇒ 夏沢峠 ⇒ 硫黄岳 ⇒ 赤岩ノ頭 ⇒ オーレン小屋
往復(周回)距離:7.9km 累積標高差:(上り)1,030m (下り)500m
標準コースタイムは、往路:3時間10分、復路:1時間20分
【2日目】
オーレン小屋 ⇒ 箕冠山 ⇒ 根石岳 ⇒ 東天狗岳 ⇒ 西天狗岳 ⇒ 東天狗岳 ⇒ 根石岳 ⇒ 根石岳山荘 ⇒ 箕冠山 ⇒ オーレン小屋 ⇒ 夏沢鉱泉 ⇒ 登山口 ⇒ 桜平駐車場(中)
往復(周回)距離:9.2km 累積標高差:(上り)640m (下り)1,170m
標準コースタイムは、往路:2時間00分、復路:3時間10分
※往復距離と累積標高差は概測
※休憩時間はコースタイムに含まれていません
桜平駐車場(中) ⇒ 登山口 ⇒ 夏沢鉱泉 ⇒ オーレン小屋
車を停めるスペース探しとのんびりダラダラ準備した結果、朝5時半頃にスタート。
なだらかな林道を歩いて登山口に到着。ゲートの先は一般車通行不可です。
案内図を見ながらこの日の行程を確認。
登山口からはいきなりちょっと下ります。
登山口から「夏沢鉱泉」までは舗装されている箇所も多いです。桜平駐車場までの道ももうちょっと舗装してほしい(笑)
沢沿いの道なので、涼しげな景色を眺めながら歩けます。
苔が多く自生している景色を見ると、「八ヶ岳」に来たなぁと思います。
登山口からのんびり30分ほどで「夏沢鉱泉」に到着。ここに宿泊する人は、茅野駅~登山口間を車で無料送迎してもらえるそうです。送迎車を見ても、車高を上げているのが分かります。
「夏沢鉱泉」の入口横に登山ポストがあるので、届を出していない人はここで出していきましょう。ちなみに自分たちはWebで提出済みでした。
「夏沢鉱泉」を過ぎると徐々に山歩きっぽくなります。
「オーレン小屋」の水力発電受水槽。
土砂崩れのあった場所。広くて座りやすそうな岩があったりしますが、落石の危険性があるのでここで休憩するのは避けた方が良さそうです。
ジブリの世界。
「オーレン小屋」に到着。まだチェックインには早すぎる時間。
冷えていて美味しそう。下山後のお楽しみ。
小屋前に流れる沢。ここで飲み物を冷やすこともできます。
時間が早いのでチェックインはまだできませんでしたが、宿泊予約者であることを確認後、荷物を小屋内にデポすることができます。
最低限の荷物だけ持って、身軽な状態でこの後の登山に備えます。
湧き水を汲むことができます。宿泊者以外も利用可能。
トイレが水栓でかなり快適でした。洗面所もしっかりしていて山小屋ではありえないレベル。ちなみにトイレットペーパーは流せないのでゴミ箱に入れる方式でしたが、こればかりは仕方ないですね。
宿泊者は利用無料。宿泊者以外も1回200円(2023年時点)で利用可能です。
オーレン小屋 ⇒ 夏沢峠 ⇒ 硫黄岳
準備を終えて「硫黄岳」へ向かいます。まずは小屋裏の道から「夏沢峠」方面へ。
豊かな自然と整備された登山道。
「夏沢峠」に到着。ここには「山びこ荘」と「ヒュッテ夏沢」2つの山荘があります。
モモンガやヤマネが小屋内に入ってくるという「山びこ荘」にも一度泊まってみたい。
「硫黄岳」へ尾根上を登っていきます。
森林限界を超えて眺望が良くなってきます。
すれ違う時に注意が必要なポイント。
山頂が近づいてきて気分も上がります。
振り返ると2日目に登る予定の「天狗岳」。
西の方からガスが上がってきて焦りました。
「爆裂火口」が見えてきました。凄い迫力です。
「硫黄岳」山頂に到着。標高2,760mです。「硫黄岳」の山頂は岩だらけですがとても広いです。
火口跡を途中まで周ることができるので行ってみます。ここからはロープの外に出てはいけません。
「安達太良山」の爆裂火口とはまた違った印象です。
ここで行き止まり。ロープが垂れ下がっているせいか、その先まで行っていた人もいましたが(笑)
硫黄岳 ⇒ 赤岩ノ頭 ⇒ オーレン小屋
山頂へ戻ります。
「硫黄岳」から眺める「横岳」「赤岳」方面。残念ながら今回は行く予定無し。せめて手前に見える「硫黄岳山荘」に行ってみたいと提案しましたが、却下されて断念(笑)
南八ヶ岳の名峰を眺めながら軽く腹ごしらえ。
では下山します。
途中で振り返ると、硫黄岳と横岳の間のなだらかな稜線が見えました。やっぱりあそこ歩きたかったなぁ。
天気が良くて、どこ見ても良い景色で楽しい。
「赤岩ノ頭」とその手前の分岐。広くて良い休憩ポイント。
「オーレン小屋」方面へ。
テント場「夏沢 だけかんば キャンプ場」に到着。
今度来る時はテント泊もいいなぁと思いました。
オーレン小屋
オーレン小屋に到着後、さっそくチェックイン。予約時点では大部屋と言われていたのですが、案内されたのは何と個室!直前にキャンセルでも出たのでしょうか?4人で行きましたが、丁度よい広さの部屋でした。
ちなみにオーレン小屋は一人当たりの宿泊料金なので、大部屋でも個室でも支払う金額は変わりません。
部屋内は飲食禁止。飲食できるのは薪ストーブ周辺か屋外とのこと。
寒い季節は薪ストーブを囲んでヌクヌクしたいですね。
風呂は14時になるまで入れないそうなので、小屋内外をブラブラして待ちました。
有名人のサインも多数。
食堂。
入れる時間になったので風呂へ。既に入っていた人がいたので、中の写真は撮れませんでした。ちなみに環境保護のため、シャンプーや石鹼は使用できません。
その後は夕食の時間まで小屋前のテーブルでビールを飲みながらダラダラ。
夕食の時間になったので食堂へ。オーレン小屋名物の桜鍋。普段でも滅多に食べられない馬肉を山小屋で楽しめるというのが凄い。ご飯はお代わり自由。美味しかったです。
暗くなってきたので外に出てみましたが、空は曇っていて星を見られず。寝不足もあり、早々に就寝しました。
ところが、深夜に外に出てみた友人の話では、満天の星空が見られたとのこと。翌朝聞かされて、何で起こしてくれなかったんだーと文句を言いました(笑)
前編はここまで。後編(2日目の天狗岳)へ続きます▼
オーレン小屋泊・八ヶ岳(硫黄岳)の感想
久しぶりの「八ヶ岳(硫黄岳)」は天気にも恵まれ、とても良い景色を眺めながら歩くことができました。
今回のコースは「オーレン小屋」をベースとすることで、ゆとりのある工程であまり体力の無い人でも八ヶ岳を楽しめます。「硫黄岳」と「天狗岳」は、八ヶ岳のグレーティングでも比較的初心者向けなのでお勧めです。
ただし、桜平駐車場へのアクセスが問題で、自家用車で向かう場合は悪路走行に慣れている人が運転するのが良いでしょう。タクシーを利用すれば、駐車場問題も関係ないので便利です(お金がかかりますが)。
この日使用した主な道具
MILLET(ミレー) ティフォン50000 ウォームストレッチジャケット
秋冬の山では防水性、耐風性、保温性のあるジャケットが必須です。行動中は暑くて不要でも、休憩中は着て汗冷えを防ぎます。
isukaインサートシーツ
小屋泊ではインナーシーツが必要な場合があります。なお、オーレン小屋では売店でインナーシーツを購入できるそうです。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。