3PEAKS

新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

広大な山頂台地と断崖絶壁の「荒船山」へ(内山峠から)

荒船山(あらふねやま)

・標高:1,423m(最高地点の経塚山)

・所在地:群馬県甘楽郡下仁田町、長野県佐久市

・荒海を進む軍艦のような山容が特徴

・「艫岩」展望台から眺める景色が素晴らしい

・登山適期は3月上旬~11月下旬

 

「荒船山」は長野県と群馬県の県境にあり、麓から眺めると荒海を進む軍艦のような山容をしているのが特徴の人気の山です。

山頂部には長さ1.5km超もの広大な台地と、高さ200mもの断崖絶壁が連なっています。艫岩展望台からは「浅間山」や北アルプス、谷川連峰等の名峰が眺められる絶景が広がっています。

この日は新潟県の天気がどこも雨予報だったので、隣県の天気が良さそうな山を探して「荒船山」に行くことになりました。自分は二度目でしたが、初めて登った時は天気が悪かったのでちょっと残念な思い出だった山。今回リトライして青空の中をのんびりハイクしてきました。

 

 

駐車場情報

「荒船山」への登山コースはいくつかありますが、「内山峠」登山口から登るのが最もメジャーなようです。

 

荒船山内山峠登山口

朝7時頃に駐車場へ着いたのですが、まだ5台しか駐車していませんでした。紅葉時期が終わるとどの山も登山者がぐっと減りますね。自分としては、駐車場が空いているのでありがたいですが(笑)

ちなみに駐車場の仮設トイレは、冬期に入って撤去されていました。念のため道の駅で済ませてきて良かったです。なお、山中にもトイレはありません(後述)。

 

この日のコース(ピストン)

内山峠登山口 ⇒ 鋏岩修験道場跡 ⇒ 一杯水 ⇒ 艫岩展望台 ⇒ 経塚入口 ⇒ 経塚山 ⇒ 経塚入口 ⇒ 艫岩展望台 ⇒ 一杯水 ⇒ 鋏岩修験道場跡 ⇒ 内山峠登山口

 

往復(周回)距離:9.4km

累積標高差:(上り/下り)720m/720m

 

標準コースタイムは、往路2時間30分、復路2時間15分です。

※往復距離と累積標高差は概測

 

 

内山峠登山口 ⇒ 鋏岩修験道場跡

登山口にある案内図を確認してスタート。

 

序盤は緩やかな道をのんびり歩いて行きます。

 

スタート時はアウターの下に薄手のダウンを着込むほど寒かったのですが、日差しが入り始めると少しずつ暖かくなってきました。

 

晩秋は葉が落ちて見通しがよくなるのが好きです。早くも山頂方面の絶壁が見えます。

 

まだ600mしか進んでいないのに、山頂まで残り2.7kmの表示。この山頂というのは、「経塚山」までではなく、山頂台地のP1356周辺までのことでしょう。

道幅はあまり広くなく、すれ違う時は注意が必要ですが、歩きやすい道が続きます。

 

特に注意が必要な箇所には柵が設置してあったりします。

 

緩やかな道が終わり、急坂を階段で登っていきます。

 

階段を登った先には梯子もあります。

 

道路にありそうな柵。

 

橋が架けられた箇所もあります。

 

「鋏岩修験道場跡(はさみいわしゅげんどうじょうあと)」に到着。昔(いつだか分かりませんが)、ここに修行のための道場が立っていたそうです。建物の基礎跡が残っています。

その裏にある絶壁は、溶岩が噴出する前の湖の地層が見られます。

 

岩屋では多くの登山者も雨宿りをしたことでしょう。古来の歴史を踏まえて眺めると、興味深いポイントです。

 

 

鋏岩修験道場跡 ⇒ 艫岩展望台

「鋏岩修験道場跡」から先もアップダウンを繰り返して進みます。

 

しっかり整備された道がほとんどですが、途中には朽ちた橋が残された箇所もあります。脇を通過できます。

「艫岩」がかなり近づいてきました。

 

「一杯水」に到着。

 

橋の下から音がするものの、水の流れている様子は見えませんでした。

 

「一杯水」から先は、急登と足場の不安定な道が続きます。

 

野鳥に癒されながら登りました。

 

ようやく歩きやすい道に変わりました。

 

ノスタルジックな「マツダランプ」の標識が見えたら、展望台までもう少し。ここからはなだらかな道が続きます。

 

東屋が見えてきました。

 

まずは「艫岩展望台」へ。眺望がとても良いです。

 

山座同定盤もあります。展望台は眺望が良く、正面に「浅間山」、左手に北アルプス、右手奥に谷川連峰等の名峰が眺められます。

 

艫岩展望台 ⇒ 経塚入口 ⇒ 経塚山

冠雪した「浅間山」

 

ズームで。雪が結構積もっていました。「黒斑山」から眺めるガトーショコラも出来上がりましたね。

 

山影からも、「荒船山」が独特な形のテーブルマウンテンであることが分かります。

ちなみにこの展望台は断崖絶壁の上にあり、柵などが無いので転落事故が何度か発生しています。「クレヨンしんちゃん」の作者がここから転落して亡くなったことも有名な話です。危険なのであまり崖に近づかず、下をのぞき込まないようにしましょう。

 

東屋の方へ戻って、最高地点の「経塚山」へ向かいます。

 

避難小屋に併設されている東屋。

 

小屋裏のトイレは閉鎖されていて使えません。寒い時期になるとトイレに行きたくなるので、念のためポンチョトイレを持ってきました。

 

それでは「経塚山」へ。

 

広大な山頂台地を歩いて行きます。1km以上なだらかな道が続きます。

 

「水神社」

標高1,300m超でこんなに広くてなだらかな場所があるということに驚きです。

細長い石碑が立っています。

 

ふむふむ。

 

「荒船山神社奥宮」

そのすぐ先にある「荒船山神社奥宮」。「経塚山」へ登らなくても、奥宮まで来て参拝して下山するのもよいですね。

 

ゆるゆる歩いて「経塚入口」の分岐に到着。ここを曲がって「経塚山(行塚山)」方面へ。

 

「経塚山」へは少しの間ですが急坂を登っていきます。

 

「経塚山(行塚山)」山頂に到着。標高1,423mです。

 

山頂は広くなく、周辺が木々で囲まれているため眺望が良くありません。

 

 

経塚山 ⇒ 艫岩展望台 ⇒ 内山峠登山口

というわけで、そそくさと下山開始。

 

好天で山頂台地の散歩が心地よかったです。

 

東屋に戻ってきました。

 

昼飯にはだいぶ早かったですが、お腹が空いたので東屋でカップ麺を食べました。

コンビニで買った「金色不如帰」の”はまぐり塩そば”。お店にはしばらく行けていないので、カップ麺で雰囲気を懐かしみました。美味しかったです。

 

帰りも展望台に寄っていきました。

 

下山時は気温が上がってきて、ポカポカ陽気。

 

「一杯水」までの道は慎重に下ります。

 

帰路もアップダウンが多いので、単調な下山には感じません。

 

「鋏岩修験道場跡」

 

晩秋の山は少し哀愁を感じるところも好きです。

 

梯子と階段のポイントを過ぎたら、あとはかなり楽な下山になります。

 

後半はのんびりと。なだらかな道を歩いて駐車場へ戻りました。ちなみに、下山した時点で駐車場は満車で、付近に路駐もいくつかありました。おしまい。

 

荒船山の感想

「荒船山」は「内山峠」からのコースしか歩いたことがありませんが、なだらかな道と急坂が交互に出てきて登っていて楽しい山です。「艫岩展望台」からの景色も良いですが、山頂台地のなだらかで広大な道も心地よいです。展望台まで行って下山する人も多いそうですが、「荒船山神社奥宮」まででも山頂台地を歩かれることをお勧めします。

ちなみに真夏に登るのはとても暑いそうです。春や秋の天気の良い日に登ってみてはいかがでしょうか。

 

 

下山後に立ち寄った温泉

「下仁田 荒船の湯」。清潔感があり、露天風呂が気持ち良かったです。「荒船山」の登山バッジも売っています。

 

この日使用した主な道具

THE NORTH FACE ベンチャージャケット

春や秋に持って行きやすい薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。

 

Karrimor(カリマー) バックパック cleave 30

ロールトップタイプのバックパックですが、前面ジップから荷室へアクセスできます。ショルダーハーネスにボトルホルダーやアタッチメントループがあり便利です。900gと軽量。

 

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド)  クラッググローブ

岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。

 

SOTO マイクロレギュレーターストーブ ウィンドマスター

風や寒さに強いガスバーナーで冬でも重宝します。

 

mont-bell(モンベル) アルパインクッカー

スモールサイズのODガス管とバーナーが入ります。持ち手はシリコンで保護されているので熱くなりません。

 

Nalgeneナルゲン 広口1.0L

ナルゲンボトルの広口1L。基本的に水を入れるために使いますが、行動食を入れたりすることもあります。

 

snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル

ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。