男体山(なんたいさん)
・標高:2,486 m
・所在地:栃木県日光市
・日本百名山
・山頂の岩場にそびえ立つ大剣が有名
・日光二荒山神社中宮祠の境内地にあり、冬季は入山禁止
「男体山」は栃木県日光市にある活火山で、日本百名山の一つです。「二荒山(ふたらさん)」という別称があります。
「日光二荒山神社」の境内地にあり、山全体がご神体となっている関係もあり、4月25日から11月11日以外は入山が禁止されています(2023年時点)。
「男体山」の山頂は「大剣」が奉納されていることで有名ですが、そこから眺める景色がまた素晴らしいのです。登山道は急登が続き修行のようですが、山頂からの「中禅寺湖」や「戦場ヶ原」などの景色は、ぜひ天気の良い日に見てほしいと思います。
この日は新潟県内で登山予定でしたが、天気はずっと雨予報。そこで新潟県を抜け出し、日光の紅葉鑑賞も兼ねて登ってきました。
※日光男体山は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
駐車場情報
「日光二荒山神社中宮祠」の登山者用駐車場を利用しました。登山者用駐車場は境内に2か所あります。前日の深夜11時頃に着いた時点で第1駐車場が満車だったので、第2駐車場を利用しました。紅葉時期の休日ということもあって、第2駐車場もギリギリセーフでした。
ちなみに登山者が参拝者用駐車場にとめるのはNGです。
登山者用駐車場の位置を簡単に説明すると、
・第1駐車場:「宝物館」の裏手
・第2駐車場:西鳥居から入ってすぐ(東鳥居から入って奥の橋を渡ったところ)
です。
第2駐車場はトイレが近くにあるので便利です。でもここのトイレはトイレットペーパーが備え付けられていません。トイレにある自販機で購入するか、持参する必要があります。
飲料自販機は「八脚門」傍にあります。
それ以外では、神社前の南駐車場や、高台にある県営湖畔駐車場(有料)を利用すると良いでしょう。下記のリンクを参照してください。
▼公共交通機関でのアクセス
日光駅から東武バス「湯本温泉行」に乗って「二荒山神社中宮祠」下車です。
この日のコース
二荒山神社中宮祠 ⇒ 三合目 ⇒(車道歩き)⇒ 四合目 ⇒ 八合目(瀧尾神社) ⇒ 二荒山神社奥宮 ⇒ 太郎山神社 ⇒ 男体山山頂(大剣) ⇒ 二荒山神社奥宮 ⇒ 八合目(瀧尾神社) ⇒ 四合目 ⇒(車道歩き)⇒ 三合目 ⇒ 二荒山神社中宮祠
往復距離:9.3km 累積標高差:(上り)1,300m(下り)1,300m
標準コースタイムは、往路3時間30分、復路2時間40分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※コースタイムに休憩時間は含まれていません
二荒山神社中宮祠 ⇒ 一合目
受付開始の6時は混むので、ゆっくり準備して7時頃スタート。実はただ単に二度寝してしまっただけですが(笑)
紅葉がきれいでした。
神社奥に男体山が見えます。
中宮祠の案内図があるので、確認していきましょう。社務所で登山者の受付をしています。
「唐門」の右横から入ります。
ここで登山届を記入します。そのすぐ横にある社務所に入山料(2023年時点で1,000円)と登山届を提出します。ちなみに登山受付時間はAM6時~12時まで。
受付が済むと、御守りをもらえます。登山と交通安全の御守りだそうです。
「唐銅鳥居」方面へ進みます。
注意事項やコースタイム等が書かれているので目を通しておきましょう。特に重要なのは、この先にトイレと水場が無いこと。
奥の登拝門をくぐって登り開始です。
最初に長い階段を登っていきます。男体山は急登箇所が多いので、序盤は意識してゆっくり登りました。
階段を登っていくと、右手に男体山の遥拝所があります。山頂まで行けない人はここで拝むのだそう。
一合目。ここからようやく山道に入っていきます。
一合目 ⇒ 八合目
一合目から三合目までは笹の生い茂る樹林帯が続きます。
朝陽が差し込んできれいでした。
三合目に到着。登り始めは寒くてアウターの中に薄手のダウンを着込んでいましたが、登り続けて暑くなってきました。ここで上着を脱ぎ脱ぎ。
三合目から四合目までは、なだらかな車道歩き。この区間は紅葉を眺めながら、のんびり歩きます。
鳥居のある四合目に到着。ここで車道歩きは終わり。
鳥居をくぐって再び山道を登っていきます。徐々に岩が増えてきます。
五合目の避難小屋が見えてきました。
五合目の避難小屋前で休憩しようと思っていたのですが、沢山人がいたので諦めてそのまま続行。
中禅寺湖もよく見えるようになってきました。紅葉もきれい。見晴らしが良くなってくると気分も上がります。
巨壁の前を通る六合目。
六合目を過ぎると大きな岩が増えてきます。そして坂もきつくなってきます。
急坂の岩場が続きます。ここら辺からバテてペースダウンする人が多くなります。
きつくなったら後ろを振り返って中禅寺湖を眺める。
七合目の避難小屋に到着。
なおも続く岩と急登。
急登続きで疲れますが、気温が涼しいので、汗はそれほどかかなかったです。
「瀧尾神社」手前にある鳥居。
八合目の「瀧尾神社」に到着。女峰山の神様が祀られているそうです。この巨岩、落っこちてこないのかな...
八合目 ⇒ 二荒山神社奥宮 ⇒ 太郎山神社
八合目を過ぎて岩場をやり過ごすと、坂も緩やかになってきます。普段なら余裕で登れそうな坂なのに、急登続きで疲れて足が思うように進まない(笑)
この日は雪こそありませんでしたが、霜が沢山おりていました。
森林限界を超えて開放的な雰囲気になります。
そして振り返ると広大な中禅寺湖。
左手に「太郎山神社」の祠が見えてきました。
紅葉広がる「戦場ヶ原」もよく見えます。その奥には「日光白根山」が頭を出しています。
奥宮が見えてきたー。
「二荒山神社奥宮」に到着。奥宮の屋根に山頂カメラが取り付けられていて、1時間ごとに撮影された画像をWebサイトで見ることができます。
まずは「太郎山神社」方面へ進みました。二荒山大神の御神像が立っています。
山頂西側を奥に進むと「太郎山神社」への道があるので下って行きます。
山頂から数分移動するだけで、こんな素晴らしい景色を眺めながら歩けるのに、あまり人が来ません。そこがまた良いのですけど。
「太郎山神社」に到着。「太郎山」は「男体山」「女峰山」と共に”日光三山”の一つ。「男体山」「女峰山」の子どもなんだとか。
太郎山神社からは中禅寺湖のほぼ全景が眺められます。
その先には”孤高のブナ”で有名な「中倉山」も見えました。素敵な稜線歩きが楽しめるのでまた登りたい。
太郎山神社 ⇒ 二荒山神社奥宮 ⇒ 男体山山頂(大剣)
山頂方面へ登り返して、大剣の待つ東側へ。
鐘があると鳴らしたくなる性格。とても良い音色でした。
男体山山頂標識。
山頂はこの岩の上。
日光「男体山」山頂に到着。標高2,486mです。青空の下で光に照らされ輝く大剣がきれいでした。
裏からも撮ってみました。ちなみにこの大剣、2012年に鉄製の先代が腐食でポッキリ折れてしまい、その後ステンレス製になって復活したそうです。
男体山の山頂周辺が混雑していたので、志津峠方面へ少しだけ足を伸ばしました。
5分程歩くと居心地の良さそうな平地があります。
「志津」と書かれた標識があるポイントで休憩することにしました。
志津峠方面の奥には「女峰山」。
「太郎山」がよく見えます。戦場ヶ原、小田代ケ原も。
人がほとんどいない場所で荷物を広げて休憩。惣菜パンも持ってきていましたが、寒かったのでお湯を沸かしてカップ麺を食べます。
この日のカップ麺は、栗山米菓の「ばかうけ」とコラボしたカップスター。意外と美味しかったです。
景色を眺めながら飲む暖かいコーヒーが美味しい。
男体山山頂(大剣) ⇒ 二荒山神社中宮祠
ご飯も食べてまったりできたので戻ります。
奥宮まで戻り、中禅寺湖を眺めながら下山していきます。
登りが急坂ということは、下りも急坂。五合目ぐらいまでは足場を気にしながら黙々と下山。
ようやく道が落ち着いてきて、紅葉を眺めながら下って行きます。
舗装路歩きは単調ですが、紅葉がきれいなので楽しい。
中宮祠に戻ってきました。登拝門の手前に洗い場があるので、靴を洗ってから戻りましょう。
駐車場に戻る前に中宮祠を散策して帰りました。おしまい。
日光男体山の感想
日光男体山は山頂までの距離の割に標高差が大きいので、急登箇所が多い山です。危険個所はほとんどなく、道迷いもしにくいので登りやすい百名山の一つですが、体力の無い人は結構きつい山かもしれません。
登っている間はきついかも知れませんが、山頂近くから景色が素晴らしいので、天気の良い日にぜひ登ってほしい山の一つです。
奥日光の紅葉も11月上旬まで見頃とのことなので、時間があれば有名な滝や紅葉名所巡りするのも良いと思います。とても混雑しますが(笑)
下山後に立ち寄った温泉
下山後近くの温泉を探しましたが、サクッと入れる丁度良い温泉が見つからず(良い温泉は沢山あるのですが)。新潟への帰路途中で探して、群馬県片品村の温泉施設「ほっこりの湯」へ。以前、至仏山の帰りに行ってとても良かったので、また利用させていただきました。
この日使用した主な道具
THE NORTH FACE ベンチャージャケット
春や秋に持って行きやすい薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
SOTO マイクロレギュレーターストーブ ウィンドマスター
風や寒さに強いガスバーナーで冬でも重宝します。
mont-bell(モンベル) アルパインクッカー
スモールサイズのODガス管とバーナーが入ります。持ち手はシリコンで保護されているので熱くなりません。
Nalgeneナルゲン 広口1.0L
ナルゲンボトルの広口1L。基本的に水を入れるために使いますが、行動食を入れたりすることもあります。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。