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「荒島岳」ブナの原生林が美しい福井県の名峰

荒島岳(あらしまだけ)

・標高:1,523m

・所在地:福井県大野市

・日本百名山

・山頂は広く眺望が良い

・登山適期は4月~10月

 

福井県大野市に位置する日本百名山「荒島岳」に登ってきました。

北陸地方なので新潟県に近い印象がありますが、けっこう遠いです。中越地方在住ですが、まず新潟県を抜けるまでが長い!できれば1泊して登りたかったのですが、頑張って日帰りで行ってきました。

「荒島岳」は、深田久弥が地元の山を贔屓して百名山に選定した等と言われたりもしますが、登ってみたら百名山も納得の良い山でした。

 

 

駐車場情報

大野市西勝原にある「勝原(かどはら)コース」の無料駐車場を利用しました。40台駐車できるそうです。きれいなトイレがあります。

周辺の道路はとても走りやすく、すれ違いが困難な箇所は全くありませんでした。長距離運転の先にストレスの溜まる細いクネクネ道が続くと登山前から疲れてしまいますが、この日は走りやすい道のおかげでかなり楽でした。暗い内に移動して道路が空いていたのもあります。

この駐車場が満車の場合は、JR勝原駅となりの公民館駐車場を利用できるそうです。

 

【公共交通機関でアクセスする場合】

JR勝原駅から徒歩10分程で着くようです。

 

 

この日のコース

駐車場 ⇒ 白山ベンチ ⇒ シャクナゲ平 ⇒ 小荒島岳 ⇒ シャクナゲ平 ⇒ 中荒島岳 ⇒ 荒島岳山頂 ⇒ 中荒島岳 ⇒ シャクナゲ平 ⇒ 白山ベンチ ⇒ 駐車場

 

往復距離:10.5km 累積標高差:(上り)1,360m(下り)1,360m

標準コースタイム(夏期)は、往路4時間30分、復路2時間30分です。

 

※往復距離と累積標高差は概測です

※「小荒島岳」に寄らない場合 ⇒ 往復距離:8.7km 累積標高差:(上り)1,250m(下り)1,250m 標準コースタイム(夏期)は往路3時間30分、復路2時間30分

 

 

 

駐車場 ⇒ 白山ベンチ

駐車場に登山マップがあります。風呂施設や登山バッジ購入の情報なども記載されているので下山後も役立ちます。

 

トイレ横に公衆電話ボックスがあり、これが登山届ボックスになっていました(笑)

登山届を提出してから登りましょう。

 

それではスタート。最初は旧スキー場跡の舗装路歩きが地味に続きます。「カドハラ桜坂」と刻まれた記念碑のようなものがあり、ここに桜の植樹をしているようです。

 

時期的に桜の花は咲いていませんが、タニウツギが沢山咲いていて癒されました。

 

舗装路が終わり、道が細くなり徐々に登山道っぽくなります。

 

つづら折りに緩やかな坂を登って行きます。ここら辺は砂利が多くてちょっと歩きづらかったです。

 

開けたポイントに着きました。スキー場で使われていたリフトの残骸があります。平らで少し広めなので、休憩するには良いポイントです。

 

リフト跡から少し進むと「荒島岳登山口」の標柱。

しばらく登ってからようやく登山口という山は他にもありますが、登山口の基準って何だろう?(笑)

 

その登山口の先から樹林帯に入ります。

 

たまに大きな段差が続く箇所もありますが、全体的に登りやすいコースです。

 

ブナの原生林が美しいと聞いていましたが、本当にきれいでした。

 

巨大な倒木があります。

 

自分が持っている書籍には、「トトロの木」と言われる大きなブナの木が立っていると書いてあったので見るのを楽しみにしていたのですが、まさか倒れてしまっていたなんて...

下山後に調べたらどうやら2018年の台風で倒れてしまったようです。もう4年も前に倒れていたという事実にもショックを受けました...

 

鳥のさえずりを聞きながらブナ林の木陰道を歩いて行きます。

 

「白山ベンチ」に到着。

 

ベンチと言っても丸太ですが、座って休憩できるポイント。

 

「白山」は霞んでいてよく見えませんでした。というかそれ以前に木々があってあまり見えない?

 

 

 

白山ベンチ ⇒ シャクナゲ平 ⇒ 小荒島岳

ここまでほぼ登り一辺倒でしたが、白山ベンチを過ぎると少しアップダウンする箇所があります。

 

階段が出てきました。

 

急登となだらかな道を交互に繰り返していきます。ここは「深谷ノ頭」というポイント。

 

湿地帯があります。この先は急登が続きそうなので、この近くで休憩。

 

暑い時期は凍らせたペットボトル飲料を持って行きます。お気に入りは伊藤園の「フローズンレモン」。凍らせてもフローズン状に溶けて行きます。飲み始めから終わりまで味が均一になるのでおススメです。

 

湿地帯から先は階段が続きます。終わったかな?と思ったらまた階段みたいな感じでひたすら標高を上げて行きます。

 

階段が終わって空が見えてきました。

 

「シャクナゲ平」の分岐に到着。左に行くと「荒島岳」山頂方面です。今回、「小荒島岳」にも寄って行きたかったので、山頂の逆方向になりますが右の「中出コース」へ進みました。

 

「シャクナゲ平」~「小荒島岳」の間は緩やかな道がほとんどです。往復で1時間程を見ておくとよいでしょう。自分は往路で寄りましたが、時間や体力面に不安がある場合は判断を帰路に回すと良いでしょう。

 

「小荒島岳」はコースの途中に通過するのではなく、コースからちょっと外れる形になります。山頂手前で分岐があるので、標識を見落とさないように注意。

 

その分岐から少し登ると一気に開けてきます。

「小荒島岳」に到着。標高1,186m。

 

「小荒島岳」の山頂はそれほど広くありませんが、360°ビューで眺望が良いです。そしてこれから目指す「荒島岳」がどーんと見えます。逆走(走っていませんが)してきた分、余計に遠く感じました。

 

「白山」連峰が見えます。まだ白いですね~。

 

景色を眺めながら少し休憩。これから再び「シャクナゲ平」へ戻ります。「小荒島岳」にも登るなら「中出コース」から登った方が効率的ですね(笑)

 

 

 

 

小荒島岳 ⇒ シャクナゲ平 ⇒ 荒島岳山頂

「中出コース」に戻り、再び緩やかなブナ林をサクサク進みます。

 

「シャクナゲ平」を通過し、山頂方面へ進むと「佐開(さびらき)コース」との分岐がありました。大野市の登山ガイドを見ると「佐開コース」は、

登り口までの作業用林道はかなり道が険しく、4WD車でないと走行が困難。パンクする可能性も充分あり、作業用林道を歩くことになるが、駐車場等も整備されていないためここからの登山は勧められない。

だそうです。

 

これから激烈な急登が始まるとは思えないほど緩やかでのんびりしたブナ林。

 

え?滑落?急に緊張してきました。

 

鎖やロープが張られた急登が始まります。

 

そして大きな岩や梯子まで。これが駐車場のマップに書いてあった「もちがかべ」という急登かー。

 

少し広めで「白山」がよく見えるポイントがあったので、ここで少し休憩。後ろから超速で登ってくる人がいたので、ここで道を譲りました。

 

急登を登り切ると開けた稜線になりました。

 

ここは「前荒島岳」。ここから「中荒島岳」を経由して「荒島岳」山頂までアップダウンが続きます。

 

登山道にはありませんでしたが、谷筋には残雪がありました。この日は気温が高かったので、ここから吹き上がってくる涼風がありがたかったです。

 

「中荒島岳」直下がちょっと急です。

 

ヒーヒー言いながら「中荒島岳」到着。

 

残りは「荒島岳」山頂。ここまで来たらそれほどきつくありません。

 

「荒島岳」山頂に到着。標高1,523mです。

 

山頂は広く、ここも360°ビューが楽しめます。

 

そしてカラフルな山座同定盤もありました。これを見ながら周囲の山々を眺めて楽しめます。

 

山頂の祠でお祈り。無事に下山できますように。

 

石に描かれた荒島岳。

 

山頂手前にも広々とした場所があったのでここでブランチ。

 

今回はローソンの「おにぎりランチ」。炭水化物もたんぱく質も摂れて、コンパクトで食べやすいから山に持っていくのに便利。

 

 

 

荒島岳山頂 ⇒ 駐車場

「白山」が良く見えます。今年こそ行けるかな?できれば1泊したいのでなかなか予定を組むのが難しい...

「能郷白山」や「姥ヶ山」といった名峰も登ってみたい。深田久弥が「能郷白山」と「荒島岳」のどちらを百名山にするか迷ったというのは有名な話。

 

大野市の市街地もよく見渡せます。

 

それでは下山開始。

 

少ないですがカタクリがまだ咲いていました。

 

白山など壮大な景色を眺めながらの下山。

 

「中荒島岳」直下の急坂。滑りやすいのでロープに手を添えながら下りました。

 

下山途中に見えた「小荒島岳」。山頂丸見えですね。

 

「もちがかべ」で沢山の登ってくる人とすれ違いました。平日なのにさすが百名山ですね。

 

「シャクナゲ平」に戻ってきました。往路で「小荒島岳」に行かなかった場合でも、帰路でまだ体力や時間に余裕があれば寄ってみるのもいいですね。

 

下山時のブナ林は朝より明るくてさらにきれいでした。

 

「白山ベンチ」からの眺めは朝よりも良く見えましたが、やっぱり木々が高くて「白山」も全景は見えず。山頂で十分見たからいいけど。

 

「トトロの木(裏)」。

 

急坂以外は本当に歩きやすい道が多いので、下山もサクサク。

 

リフト跡。

 

タニウツギが沢山咲いている中を下って行きます。

 

駐車場が見えてきました。

 

終盤はトイレを我慢しながらの下りだったのですが、舗装路歩きの振動がちょっときつかったです(笑)

 

駐車場に着いたら急いでトイレへ。間に合ったー(笑)

トイレ入口には水道とブラシがあり、ここで靴を洗えます。ありがたいですね。

おしまい。

 

下山後に立ち寄った場所

帰りに寄った「道の駅 越前おおの荒島の郷」。2021年にできたばかりで、とてもきれいな道の駅でした。荒島岳の登山バッジは売っていませんでした(2022年5月時点)。ちなみにモンベルのショップもあります。


「越前おおの結楽座」で登山バッジとお土産を購入。

 

立ち寄る予定だった温泉が休業だったので、「あっ宝んど」で汗を流しました。温泉では無いのですが、広いし食堂もあるし休憩もしやすいしで快適でした。

上の写真は大野市名物の「醤油カツ丼」。福井なら「ソースかつ丼」って思っていましたが、醤油カツ丼も美味しかったです。新潟の「タレカツ丼」とはまた違う感じ。今度来たときは専門の店で食べてみたいです。


 

 

 

荒島岳の感想

「荒島岳」はブナ林が本当にきれいでした。しかも登山口~シャクナゲ平までずっと続くので、好きな人には堪らないでしょう。それと、山頂からの眺望も素晴らしかったです。前荒島岳~山頂間の稜線歩きも楽しかったのですが、夏場に登ると日陰になる場所もないので暑そうだな~と思いました。

次はできれば残雪期に登ってみたいなと思います。無雪期に登るのであれば、「中出(なかんで)コース」から「小荒島岳」経由で登るのも良さそうだなと思いました。

 

 

この日使用した主な道具

伊藤園 フローズンレモン 

凍らせて持って行くとフローズン状に溶けて行くので、シャリシャリ食感が楽しめます。味も最初だけ濃いということが無く、最後まで同じ味で飲めます。

 

 

井村屋 チョコえいようかん

時間が無いときに簡単にカロリー補給できるミニようかんのチョコ味。水が無くても食べられます(あった方が食べ良いですが)。最長5年間保存可能なので、災害備蓄品としてもおススメです。

 

BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド)  クラッググローブ

鎖や岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。

 

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。