初めて登山に行くときって、何を着ていけばいいのか、何を持っていけばいいのか意外と分からないものです。中には、特に考えずに軽装備で登ってしまう人もいると思いますが、遭難してしまってニュースになるのは嫌ですよね。まだ無事に救助されればいいですけど、下手をすると命さえ落としかねない怖さも山にはあります。
でも、しっかりとした装備、体力、知識があれば安全に登山できます。
今回は、荷物を入れて背中に担ぐバックパックについて書きたいと思います。
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ザック?バックパック?リュックサック?
背中に担いでいく袋、子供の頃は「リュックサック」と呼んでいたものです。大人になるとなぜか呼ばなくなり、「バッグ」と呼ぶようになりますよね。登山ではバッグと呼ぶこともありますが、バックパックとかザックと呼んだりもします。呼び方が色々とあるのは何ででしょうか?以下はWikipediaの情報を抜粋したものです。
「リュックサック」
リュックサック(独: Rucksack、蘭: rugzak、英: rucksack:背に負う袋の意)は、荷物を入れて担ぐための袋である。登山、軍事などその用途は広く日常生活でもよく用いられる。
「バックパック」
バックパックという訳語は米国で生まれ、1910年代に北米に広がった。それ以前は「ナップサック」(Knapsack)、「サックパック」(Sackpack)と呼ばれていた。単に「パック」(Pack)とも言う。
「ザック」
日本語で単にザックと呼ぶこともあるが、ドイツ語の「ザック」(Sack)は単に「袋」という意味であり、文脈上明らかな場合を除き、リュックサックの意味では使わない。
これらを読むと、「ザック」という呼び方は日本独特のもので、ドイツをはじめとした欧州では「リュックサック」、米国では「バックパック」と呼ぶのが一般的のようです。「バッグ」と呼ぶと範囲が広すぎますが、意味は通じるでしょう。
結局どれも間違いではないようですが、無難な呼び方としては「バックパック」なのかもしれません。
登山用バックパックで確認したい特徴
背面長(はいめんちょう)が合っているか
登山バックパックのサイズで重要なポイントとして背面長があります。背面長は簡単に言うと「首の後ろの一番突き出た骨から腰骨の間の長さ」です。この長さに合わせて以下のようなサイズのバックパックを選ぶことになります。背面長が合わないバックパックを長時間背負っていると、疲れやすいし体が痛くなります。
なお、一部のモデルには背面長を調整できるタイプの物もあります。
<背面長とバックパックのサイズの例>
XS:41cm以下 S:41~46cm M:46~51cm L:51cm以上
※メーカーによってサイズのラインナップが広かったり、数値が異なる場合があるので注意してください。
容量はどれぐらいの物が欲しいのか
バックパックの容量は一般的にL(リットル)で表示されています。初心者がまず最初に買うとしたら、30L前後の物が良いとよく言われています。日帰り登山に対応できるのと、ちょっと頑張ってパッキングすれば山小屋泊もできる容量です。
<バックパックの容量と登山スタイル>
~15L:アタックザック、トレイルランニング
15~25L:ハイキング
25~35L:日帰り登山、山小屋(1泊)
35~50L:山小屋泊(1~3泊)、荷物の少ないテント泊
50~80L:テント泊
100L~ :長期間の縦走
※個人のスタイル、荷物量等によってこの限りではありません
頑丈か(壊れやすくないか)
山に持っていくのですから壊れてしまうとかなり困ります。ベルトが壊れて背負いにくくなったら疲労度が増します。いつの間にか壊れていて、大事な物を山中に落としていたら大変ですよね。
大手ブランドの物であれば大抵しっかりしていますが、あまり安物だとすぐにベルトが壊れてしまったり、生地が破れてしまったりするので、注意が必要です。
便利な機能がついているか
雨蓋やウェストベルトなどにポケットがついていたり、トレッキングポールを装着できたり、レインカバーが付属していたりと色々な機能が備わっている物もあれば、ほとんど備わっていない物もあるので、購入時によく確認したい点です。
背負いやすいか
バックパックには飲み物や食べ物、衣類など色々な物をつめていきます。それを担いで長時間登るので、当然その荷重が両肩にかかってきます。そのため、普通のバッグを代用すると肩が痛くなってしまいます。良い登山用のバックパックはそれらの荷重を肩以外に分散させたり、ショルダーハーネスのクッション性が良いので、肩があまり痛くならないようになっています。
重すぎないか
登山用のバックパックではその重さがとても重要になります。上述の肩への負担だけでなく、足腰にも荷物の重さがかかってきます。荷物の量を減らす工夫も必要ですが、バックパック自体が重いとその分だけ足腰が疲れやすくなります。
機能面で見ると、容量が大きかったり、収納が多かったりするとその分重量も増えてしまいます。自分の欲しい機能性を求めることは大事ですが、それと同時に重さもチェックするようにしてください。
おススメのバックパック(30L前後)
グレゴリー(GREGORY) ZULU35/JADE33
「ズール」の包み込むような背負いやすさは素晴らしいです。収納ポケットも多く、取り出しやすいです。2019年にモデルチェンジして、背面長の調整機能や通気性がUPされています。見た目と逆に、結構軽いです。ZULUが男性用、JADEが女性用です。
<ZULU35>(男性用)
サイズ:M/L (46~56cm) 重量:M/L (1.31kg)
<JADE33>(女性用)
サイズ:S/M (38~51cm) 重量:S/M(1.22kg)
ノースフェイス(THE NORTH FAICE) TELLUS 35/TELLUS 30
ノースフェイスの特徴としてはそのシルエットの美しさとデザイン性です。もちろんそれだけではなく、機能面も充実しています。「テルス」はその中でも特に人気のモデルです。サイズ展開も豊富なので、自分に合ったサイズを選べるのも特徴です。
<TELLUS35>(男性用)
サイズ:M(43~51cm) 重量:M(1.31kg)
<TELLUS30>(女性用)
サイズ:M (39~47cm) 重量:M(1.25kg)
ミレー(Millet) SAAS FEE 30(30+5)
細身シルエットが特徴で、狭い道でも木々に引っかかりにくく、重心のブレが抑えられるため疲れにくいです。「サースフェー」の大きな特徴として、トップスカートが長く、収納部の上に5L分の荷物(ヘルメットや上着等)を載せられます。そのため、「収納部容量+5」のような表記となっています。
<サースフェー(30+5)>
サイズ:L(51cm)M(48cm) 重量:M(1.39kg)
<サースフェー(30+5)LD>
サイズ:S(43cm) 重量:S(1.41kg)
オスプレー(OSPREY) STRATOS 34/SIRRUS 36
背面長が調整可能で、シームレスメッシュの背面・ヒップベルトは通気性がとても良いと言われています。また、背負ったままトレッキングポールが一時収納できる”ストウオンザゴー”システムが便利です。「ストラトス」が男性用、「シラス」が女性用です。
<STRATOS 34>(男性用)
サイズ:M/L(48~58cm) 重量:M/L(1.4kg)
<SIRRUS 36>(女性用)
サイズ:S/M(41~51cm) 重量:S/M(1.45kg)
カリマー(Karrimor) ridge30(Medium/Small)
カリマーの伝統ある定番バックパック「リッジ」シリーズ。吸湿発散性に優れた活性炭加工のエアメッシュパネルを使用しているため、背中が蒸れにくくなっています。Largeサイズも展開しています。
<ridge 30 Medium>(主に男性用)
サイズ:M(47cm) 重量:M(1.55kg)
<ridge 30 Small>(主に女性用)
サイズ:S(42cm) 重量:S(1.54kg)
まとめ
バックパックを購入する際は、できれば用品店で実際に背負ってみるのが良いと思います。最初は店員さんに正しい背負い方を教わることもできますし。
私の個人的な考えでは、2つ目以降のバックパックに関してはネットで購入するのもアリかなと思います。上述したような大手ブランドである程度評判の良いモデルのバックパックであれば、サイズを間違えない限りどれも大きな問題はないと思います(デザインとか機能面は好みによりますが)。
背負い方を間違えずにショルダーハーネスとウェストベルトの調整をしっかりすれば、使っているうちに自分の体に馴染んでくると思いますよ。