越後駒ヶ岳(えちごこまがたけ)
・標高:2,002m
・所在地:新潟県魚沼市、南魚沼市
・日本百名山
・八海山、中ノ岳とともに越後三山「はなこ」として数えられる名峰
・山頂手前には「駒ノ小屋」があり、5月中旬~10月中旬は管理人が常駐している
・例年登山適期は6月~10月
「越後駒ヶ岳」は別名「魚沼駒ヶ岳」とも呼ばれ、新潟県魚沼地方に位置する名峰です。日本百名山にも選定され、山奥深いにも関わらず県内外から多くの登山者が訪れます。
登山ルートはいくつかありますが、この日は「枝折峠(しおりとうげ)」を起点とした最も代表的なルートで登ってきました。
駐車場情報
「枝折峠(しおりとうげ)」の駐車場を起点にします。きれいに舗装された駐車場です。50台程度駐車可能です。
駐車場にはトイレがあります。
枝折峠に至る「国道352号」はいわゆる「酷道(こくどう)」の一つとして数えられ、見通しの悪い急カーブや急坂が連続します。また、幅が狭く対向車との擦れ違いができない箇所もあります(要所で待避所があります)。対向車に注意してスピードを出し過ぎないように注意しましょう。また、例年11月中旬~翌年6月中旬は積雪のため冬季通行止めになります。
【公共交通機関で行く場合】
夏期の日曜・祝日はJR小出駅から南越後観光バスが出ています。詳細はバス会社へお問い合わせください。⇒ 南越後観光バス
この日のコース
駐車場 ⇒ 明神峠 ⇒ 道行山 ⇒ 小倉山 ⇒ 百草ノ池 ⇒ 駒ノ小屋 ⇒ 越後駒ヶ岳山頂 ⇒ 駒ノ小屋 ⇒ 百草ノ池 ⇒ 小倉山 ⇒ 道行山 ⇒ 明神峠 ⇒ 駐車場
往復距離:14.5km 累積標高差:(上り)1,700m(下り)1,700m
標準コースタイムは、往路5時間00分、復路3時間30分です。
※往復距離と累積標高差は概測
※標準コースタイムは、各種書籍によっては往復10時間程度を示すものもあります
枝折峠駐車場 ⇒ 小倉山
トイレの裏に登山口とポストがあるので、登山届を提出してから登りましょう。
それでは登山開始です。長丁場なのでバテないようにゆるゆるとスタートしました。
少し登ると見晴らしの良い場所があり、ベンチのようなものが設置されています。
枝折峠は壮大な雲海や滝雲がよく現れるとして写真家に人気のスポットです。
序盤からちょっとした危険か所があります。日の出前の暗い内から登る人は、特に気をつけてください。
こんな看板も。注意事項と共に、滝雲や雲海がよく見られる条件が書かれていました。
【滝雲・雲海のよく見られる条件】
①早朝
②晴れの日☀
③前日からの気温差が大きい
④適度な風がある日
★運
最後の「運」というのが(笑)
雲海以外の景色も見ごたえがあります。少し秋っぽくなってきましたね。
観音様に無事をお祈りしていきます。
銀山平からの道と合流します。
木道があります。なだらかで気持ちいい。
「十合目 大明神」と書かれた祠のある分岐があります。標識に従い、山頂方面へ進みます。ちなみに「十合目」とあるのは、「銀の道」と呼ばれる旧道の合目を示しているそうです。
分岐からちょっと登ると、最初の目標地点「明神峠」に到着です。
このルートはアップダウンが沢山あるので地味に疲れます。
山頂遠いな...
大きな段差のアップダウンがしばらく続き、
湿原に出ます。
大きな湿原ではないです。
「道行山(みちゆきやま)」へ向かう明神尾根の途中、岩場の急坂があります。
激しい段差があるので登る際は疲れます。帰りの下りの際は滑りそうでちょっと怖いです。
少しずつ近づいてはいるものの、まだまだ遠いな...
2番目の目標「道行山(みちゆきやま)」の分岐まで来ました。道行山の山頂はここを左へ進みます。一度ルートから外れるのが面倒だったので、この日は寄らず真っ直ぐ進みました。道行山の山頂は広くありませんが、見晴らしは良いです。
「小倉山」山頂の手前の峰にあるベンチ。眺めも良い場所です。
ベンチからちょっと進むと3つ目の目標値「小倉山」山頂に到着です。ここで5合目くらい。少し広めスペースがあるので休憩して行きます。
小倉山 ⇒ 越後駒ヶ岳山頂
山頂方面が曇ってきているのが気になりますが、先へ進みます。
「百草の池(ひゃくそうのいけ)」の標識がありますが、ここからは茂みで良く見えません。
標識から少し登ったところからチラっと見えました。
「前駒」と呼ばれる辺りから段々と岩が多くなってきます。
モヤっていますが、いい景色です。
ちょっとずつ山頂方面のガスがとれてきました。
小屋近くに来ると岩場の急登「胸突き八丁」が始まります。
ペンキ印でルートを確認しながら登ります。
振りかえると絶景。
緑広がる急峻が美しい。
小屋まであともうちょっと!
「駒の小屋」に到着。曇っていた山頂も青空が見えてきました。
小屋前の水場は残雪を利用しているので、8月中旬には出なくなります。水が必要な場合は、小屋右横から数分下ったところにある水場を利用できます。
小屋前で休憩しようかと思いましたが、またガスってきたら嫌なので山頂方面へ急ぎます。
草原が広がる山肌がきれいで癒されます。
稜線手前で木製の階段が現れます。
稜線に出ました。分岐があり、左へ行くと「中ノ岳」への縦走路です。右の山頂方面へ進みます。
稜線に出たら一気にゆるやかな道になります。
「越後駒ヶ岳」山頂(標高2,003m)に到着です!
山頂はそれほど広くないせいか、標識や鐘、銅像、三角点など色々と集約されています(笑)
広くない山頂ですが、ベンチもあります。この日は天気がいまいちだったので余裕で吸われましたが、天気が良い日は争奪戦です。
この銅像は「豊斟淳尊(とよくむぬのみこと)」とか「猿田彦(さるたひこ)」とか諸説言われていますが、いずれも日本神話の神です。山頂で出会ったベテランさん曰く、「猿田彦」は天狗のように鼻が長いはずなので、「豊斟淳尊」説の方が有力とか何とか。
南魚沼の田んぼが見えます。新米のコシヒカリが楽しみです。
正面には「八海山」がどーん!雲でハッキリ見えませんが、八つ峰のギザギザが迫力です。
こちらの奥には「中ノ岳」。越後駒ヶ岳を含めて「越後三山」と呼ばれています。「八海山」「中ノ岳」「駒ヶ岳」の頭文字を合わせて「はなこ」と呼ばれていたりもします。これら三山を1日で縦走する猛者もいますが、体力のある上級者以外はやめておきましょう。
越後駒ヶ岳山頂 ⇒ 枝折峠駐車場
それでは下山を開始します。
駒の小屋へ下る道はザレ場で滑りやすいので、ゆっくり下りましょう。
駒の小屋前から撮影した風景。小屋でトイレ(100円)をお借りしてから下山しました。ちなみにバッジもこの小屋で売っています。
小屋の下の岩場を下る際は、足場を確認しながら小刻みに歩きましょう。
岩場が続いたのもあり、普段は苦手な階段がとても歩きやすく感じられます(笑)
アップダウンが多いので、下山でもけっこう登りがあります。下りばかりも嫌ですが、終盤の登りは疲れますね~。
ちなみにこの山は夏場になるとけっこう蛇が出ます。ほとんどアオダイショウで大人しいのですが、たまにマムシやシマヘビも見かけます。
雲海ビューポイントの看板が見えました。ゴールはもうすぐ。
駐車場に到着です。おしまい。
越後駒ヶ岳の感想
越後駒ヶ岳はどのルートから登っても距離が長くアップダウンも多いので、コースタイムを長めに設定している地図や書籍が多いです。実際疲れますが、天気が良ければ魚沼の山々に囲まれて壮大な景色が眺められます。初心者の人も体力をつけてぜひ訪れてほしい山です。
なお、紅葉時季の好天日は、駐車場に収まりきらない車が路上駐車の列を作ります。登山道も人が多くなりますが、細い尾根道や滑りやすい岩場が多いので、お互いに譲り合いながら安全に登り下りしましょう。
下山後に立ち寄る温泉
帰る道中に手軽にサクッと汗を流したい時は、大湯温泉にある「交流センターユピオ」をよく利用します。風呂は内湯が一つだけとあまり広くありませんが、イベントが無ければ空いていることが多いので、利用しやすいです。
逆方向になってしまうのですが、352号線を福島県方面へ行くと銀山平温泉があります。そこの「白銀の湯」がおススメです。山を眺められる露天風呂が最高です。
この日使用した主な道具
Black Diamond ストームライン ストレッチレインシェル
高山では夏でも気象によって寒くなることもあるので、1枚かるく羽織れるジャケットを持って行くことをおススメします。
サロモン TRAILBLAZER20
超軽量バックパックです。夏の日帰りトレッキングの場合は、コンパクトで軽量な装備で行くと楽です。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。