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新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

初めての「富士山」おススメのルートと装備、持ち物など

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富士山(ふじさん)

・標高:3,776m

・所在地:静岡県(富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町)、山梨県(富士吉田市、南都留郡鳴沢村)

・日本最高峰(2位の「北岳」より583mも高い)

・2013年に「信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産登録された

・開山時期は7〜9月上旬の約2か月間と非常に短い

 

「富士山」それは日本人なら誰もが知っているだろう山。日本最高峰。世界遺産。

普段から山登りをしない人でも、一度は登ってみたいという人は多いですよね。

そんな富士山に、まだ登ったことが無い、登ってみたいという人に、私なりのおススメのルートや準備、持ち物などを勝手に紹介します。

 

※この記事は日帰り(弾丸登山と言われています)ではなく、1泊2日の想定で書いています。富士山の日帰り登山は、ペースがどうしても早くなってしまい、高山病のリスクが高くなってしまうので、初心者は避けましょう。

 

 

富士山の登山ルート(おススメ順)

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富士登山にはオフィシャルルートとして「吉田ルート」、「富士宮ルート」、「御殿場ルート」、「須走ルート」があります。一応4つとも登ったことがあるので、その4つの中から、初心者におススメする順番に並べてみました。

各数値は概算です。また、コースタイムはあくまで参考時間です。

 

おススメ順①富士宮ルート

「富士宮ルート」は「富士宮口五合目」(静岡県富士宮市北山/標高2,387m)から登り始めます。

 

【富士宮ルートの特徴】

・4つのルートのうち、山頂までの標高差と距離が最も短い。

・山頂から最高地点の剣ヶ峰までの距離も最も近い

・4ルート中2番目に登山者が多い(全体の25%程度)

・登山道と下山道が分かれていない

・吉田ルートほどではないが、山小屋も多くトイレに困らない

・プリンスルート(※)を通り宝永山にも行ける

※プリンスルートとは、皇太子殿下が利用されたルートで、富士宮ルート五合目~六合目~宝永山~御殿場ルート六合目~山頂を通ります。富士宮ルートの利点(登山口の標高が高い)と御殿場ルートの利点(空いている)、宝永山を通れるといったメリットがあります。上りでは体力を消耗するので、下りで利用するのが個人的にはおススメです。

 

【富士宮口五合目~剣ヶ峰の数値】

・標高差:1,389m

・移動距離:往復で約10km

・コースタイム:(上り)約4時間50分 (下り)約2時間50分

 

【富士宮口五合目までのアクセス】

マイカー規制期間中(7月10日~9月10日)は、一般車(※)は「水ヶ塚公園」(450台駐車可能、トイレ・自販機あり)に駐車します。そこでバスに乗り換えて富士宮口五合目まで移動することになります。

(※)バス、タクシー、EV車、FCV車、その他特別な車両を除くマイカー

 

公共交通機関で行く場合は、近くの三島駅や新富士駅、富士駅、富士宮駅からバスが出ています。

★富士山へ向かうバスの情報は、「富士急行バス」のWebサイト

 

 

おススメ順②須走ルート

「須走ルート」は「須走口五合目」(静岡県駿東郡小山町須走/標高1,959m)から登り始めます。

 

【須走ルートの特徴】

・本八合目で吉田ルートと合流する

・吉田ルートと合流するまでは比較的空いている(全体の8~9%程度)

・本八合目から吉田ルートと合流するため、ご来光渋滞が起きやすい

・一部区間を除き、登山道と下山道が分かれている

・下山道後半の直線「砂走り」は下りやすく早く下山できる

 

【須走口五合目~剣ヶ峰の数値】

・標高差:1,817m

・移動距離:往復で約14km

・コースタイム:(上り)約7時間00分 (下り)約3時間50分

 

【須走口五合目までのアクセス】

マイカー規制期間中(7月10日~9月10日)は、一般車(※)は「道の駅すばしり」へ向かい、臨時駐車場(駐車台数不明/トイレ・自販機あり)に駐車します。そこでバスに乗り換えて須走口五合目まで移動することになります。

(※)バス、タクシー、EV車、FCV車、その他特別な車両を除くマイカー

 

公共交通機関で行く場合は、近くの三島駅や新富士駅、富士駅、富士宮駅からバスが出ています。

★富士山へ向かうバスの情報は、「富士急行バス」のWebサイト

 

おススメ順③吉田ルート

「吉田ルート」は「富士スバルライン五合目」(山梨県南都留郡鳴沢村/標高2,304m)から登り始めます。

 

【吉田ルートの特徴】

・最も登山者が多く(全体の60%以上)、渋滞が起きやすい

・六合目~山頂間は登山道と下山道が別になっている

・本八合目で須走ルートと合流する

・登山者が多いため、山小屋も多い

・山頂から最高地点の剣ヶ峰(3,776m)までは4コースで最も遠い

 

【富士スバルライン五合目~剣ヶ峰の数値】

・標高差:1,472m

・移動距離:往復で約15km

・コースタイム:(上り)約6時間50分 (下り)約4時間50分

 

【富士スバルライン五合目までのアクセス】

マイカー規制期間中(7月10日~9月10日)は、一般車(※)は「富士山パーキング(富士北麓駐車場)」(1,400台駐車可能、トイレ・自販機あり)に駐車します。そこでバスに乗り換えて富士スバルライン五合目まで移動することになります。

(※)バス、タクシー、EV車、FCV車、その他特別な車両を除くマイカー

 

公共交通機関で行く場合は、近くの河口湖駅や富士山駅からバスが出ています。また、新宿駅や横浜駅からも高速バスが出ています。

★富士山へ向かうバスの情報は、「富士急行バス」のWebサイト

 

おススメ順④御殿場ルート

「御殿場ルート」「御殿場口新五合目」(静岡県御殿場市中畑/標高1,450m)から登り始めます。

 

【御殿場ルートの特徴】

・最も登山者が少なく(全体の6~7%程度)、渋滞が起きにくい

・五合目から山頂までの標高差と距離が4ルート中で最も過酷で健脚向き

・山小屋やトイレが少ない

・登山者や小屋などが少ないため、道に迷いやすい

・下山の「大砂走り」が有名で、上りよりもかなり早く下りられる

 

【御殿場口新五合目~剣ヶ峰の数値】

・標高差:2,326m

・移動距離:往復で約20km

・コースタイム:(上り)約7時間30分 (下り)約3時間30分

 

【御殿場口新五合目までのアクセス】

御殿場口新五合目(500台駐車可能、トイレ・自販機あり)まではマイカー規制が無いので、自家用車で行けます。

公共交通機関で行く場合は、近くの御殿場駅からバスが出ています。

★富士山へ向かうバスの情報は、「富士急行バス」のWebサイト

 

富士宮ルートをおススメする理由

富士宮ルートをおススメするポイントは、以下のとおりです。

・五合目登山口から山頂までの標高差と距離が最も短い

・山頂から剣ヶ峰まで最も近い

・吉田ルートほど混まない

・山小屋も多いのでトイレに困らない

 

「富士宮ルート」は山頂まで最も近いというのが最大のポイントです。ただし、その分勾配も高いのですが、ゆっくり休みながら登れば大丈夫だと思います。

 

「須走ルート」は本八合目で吉田ルートと合流するまではあまり混まないので、ゆったりと登山できます。また、下山の須走りは御殿場ルートの大砂走りほどではありませんが、クッション性のある砂道を走りながら下りられるので下山が早いです。

 

一番人気の「吉田ルート」があまりおススメできない理由は、登山者の多さです。開山日が他より早いというのもありますが、全体の60%以上が吉田ルートです。とにかく混みます。富士山ツアーも吉田ルートが最も多く、山登りに慣れていない人や外国人登山者が多いです。

 

「御殿場ルート」は実は最も好きなルートなのですが、標高差と距離が結構あるので、初心者にはあまりおススメしていません。山小屋やトイレが少ないので、天気や体調が優れない場合はかなり厳しい登山になります。

ただし、雄大な景色と大砂走りはとても魅力的なので、経験を積んだらぜひチャレンジしてもらいたいルートです。公共交通機関を利用して富士山へ行かれる方は、富士宮ルートで登って御殿場ルートで下山するのもいいかもしれません。

 

 

 

 

富士登山で必要な装備について

ウェアや靴、バックパックについて

富士山に登る場合、基本的には当ブログで以前紹介したようなウェアやシューズ、バックパックがあると良いです。

 

帽子について

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帽子って必要なの?と思う人もいらっしゃるかもしれません。なかには帽子を被らずに登られる人もいます。でも、とりわけ富士山のような標高の高い山に登る場合は、以下の理由から帽子が必要だと思います。

 

落石、転倒の危険性

実は富士山は落石の危険性がそこそこ高い山です。”整備された山”、”たくさんの人が登る山”だから安心と誤解されがちですが、過去にも何度が落石による死傷者が出ていますし、整備されていると言っても足場の悪い箇所もあります。帽子を被っているのといないのとで、怪我の程度がかなり違ってきます。できればヘルメットの方が望ましいですが、なかなかそこまで手が回らないと思うので、少なくとも帽子はあった方が良いです。

 

※富士山は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)

 

紫外線の皮膚への悪影響

標高の高い山で長時間浴びる紫外線は、街中のそれよりも強いです。日焼け止めも万全ではありませんし、頭皮には塗ることができません。帽子を被っておくことでかなり紫外線を防ぐことができます。

形状は、ハット型が一番紫外線を防げるのでおススメですが、キャップ型でも前面や頭頂部はカバーできます。

なお、富士山はけっこうな強風が吹くことがあります。帽子が飛ばされないように気をつけてください。また、山頂付近でご来光待ちしていると、とても冷たい風がビュービュー吹くこともあります。そんな時のためにニット帽も持って行くと完璧です。

 

登山用品のレンタルについて

登山用品を一式レンタルできるサービスがあります。富士山に登ったらもう登山しないという人は、購入するより安く済むレンタルがおススメです。

 

 

 

 

他にどんな持ち物が必要か

その他の持ち物として、以下のものを持って行きましょう。

水分

登山で消費する水分やカロリー、電解質を補充するには、真水より「アクエリアス」や「ポカリスエット」などが有効です。でも、荷物の中で最も重たくなってしまうのがこの「水分」なのです。あまり欲張って持ち過ぎると自滅してしまいます。必要最低限にしましょう。

富士山は山小屋が沢山あるので(御殿場ルート以外)、値段は高いですがそこで購入することができます。なので、とりあえず500MLのペットボトル2本ぐらい持って行って、足りなくなりそうだったら途中で購入するという方法でいくと比較的楽に登れると思います。

ちなみに自分はスポーツドリンクとは別にコーラも持って行きます。

 

ご飯、行動食

山小屋で食べるご飯以外(初日、2日目の昼食など)は自分で用意することになります。何を用意するかは自由ですが、あんまり汁けの多い物やオカズたっぷりで持って行くと重たくなるし、空き容器もかさ張ります。おにぎりや総菜パンなど、かさ張らず炭水化物をきちんと摂取できるものがおススメです。

富士登山では想像以上にカロリーを必要とします。適時カロリーや糖分を補給しておかないとハンガーノック(いわゆるシャリバテ)の状態になり、後述する「高山病」に似た症状を引き起こすので要注意です。

以下の行動食は簡単にサクッと食べられて、栄養分の吸収が早いのでおススメです。

 

 

ヘッドライト

ご来光を拝みに行く場合、暗いうちに山小屋からスタートします。その時にヘッドライトがないと足元が見えなくて転倒したり、滑落してしまうかもしれません。スマホのライトじゃダメ?と聞かれたことがありますが、「絶対ダメ」です。まず電池が持ちませんし、明るさが足りません。

防水性で300ルーメン以上、軽量(重量150g以下)、光量を調整できるものがおススメです。替えの電池も持って行きましょう

 

日焼け止め

「日焼けなんて気にしないぜ~。むしろ焼きたいぜ~」と言う人もいるかもしれませんが、富士山は標高が日本一なので、日本一の紫外線を浴びます。晴れた富士山で長時間焼かれると、かなり皮膚への負担が大きいのです。べたつかないスプレー式の日焼け止めがおススメです。

 

サングラス

また、眼も紫外線で悪影響を受けます。富士山は5合目より上は樹林帯がほぼ無いので、日差しをモロに受けます。また、標高が高いので紫外線も麓よりかなり強いです。

若いうちは大丈夫でも、年齢を重ねたときに眼に影響が著しく出てくるらしいです。健康なうちから眼を労わりましょう。

なお、サングラスは濃い色であれば眩しさをそれだけ軽減できますが、紫外線のカット率は別なのでご注意ください。できれば下記のようなスポーツ用のサングラスが良いです。

 

カイロ

天候次第では不要かもしれませんが、雨が降ったり風が強く吹くと真夏にも関わらずとても体が冷える場合があります。特に、ご来光待ちする時はほぼ間違いなく寒いです。私はご来光待ちしていてお腹が冷えて、山小屋のトイレに駆け込んだことがあります。そんな事態を避けるために、防寒着に加えてカイロを持って行くと便利だと思います。

 

携帯酸素

これは必要かと言われると、「無くてもよい」と答えるものですが...(笑)。

高山病対策に携帯酸素はあまり効果が無いと言われていますが、一時的にでも酸素濃度を上げるので、吸っている時は少し楽になると思います。お守りみたいなものと考えて1本持って行くと安心するかもです。

 

その他

・タオル(汗拭き、防寒)

・お金(宿泊料、協力金、トイレのチップ、飲料・土産購入など)

・耳栓、アイマスク(山小屋での仮眠用)

・携帯電話(スマートフォン)

・モバイルバッテリー

・健康保険証

・医薬品(普段飲んでいる薬、頭痛薬、絆創膏など)

 

 

 

 

高山病について

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富士登山の最大の敵(と私は思っている)「高山病」は、血中の酸素濃度が著しく低下するため発症します。富士山に登ると、途中でぐったりして横たわっている人や、吐いている人をけっこう見かけます。

 

高山病にならないためには、

・睡眠をしっかりとる(前日、山小屋での仮眠)

・飲酒をなるべく避ける(前日、当日)

・その他体調を整えで臨む

・急激に高度を上げず、休憩を挟みながらゆっくり登る

・水分を適時しっかり摂る

といった行動である程度防げます。

 

高山病は体質によりますが、標高3,000m以上から発症する人が多いです。中には2,000mで発症する人もいます。症状としては以下のものです。

頭痛、激しい息切れ、吐き気(嘔吐)、眠気 など (重症だと)錯乱、昏睡など

 

私も初めて富士山に登った時は、吐き気と頭痛が出ました。高山病かも?と思ったら、まずはペースを落としたり休憩するなどして様子を見てください。酷い高山病を発症したら休んでも携帯酸素でも効果がないので、高度を下げることが先決と言われています。つまり下山です。せっかく富士山に来たのに~と悩むと思いますが、高山病で死に至るケースもあるので、無理だと思ったら高度を下げてください。

 

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科学的に立証されていませんが、私や友人の間では高山病対策にはコーラです!「ちょっと高山病の症状が出てきたなぁ」と感じたらすぐに休憩してコーラを飲みます。その後もちょくちょくコーラを飲みながら登ります。3年前にマレーシアのキナバル山(標高4,095 m)に登った時も、富士山以上の標高なので事前に現地でコーラを購入してから登りました。 

※あくまで個人の見解です

 

それと、高山病に似た症状としてハンガーノック(シャリバテ)も要注意です。普段あまり運動していない人がいきなり富士山に登ると、想像以上のカロリーを必要とします。カロリーを簡単に摂取できる行動食を適時食べるようにしましょう。

 

 

 

ツアーで行く?それとも個人で行く?

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富士山に登る場合、ツアーを利用する人も多いです。でも、ツアーを利用せずに個人で山小屋を予約したりして登ることももちろんできます。それぞれのメリットとデメリットを考えてからどうするか決めてもいいかもしれません。

 

ツアー登山のメリット

旅行会社が旅券を手配してくれて楽

直行バスで移動すると、乗っているだけで登山口近くへ到着します。飛行機を利用する場合も、自分で航空券を手配したりバスを予約したりといった一連の手配を旅行会社がやってくれるし、移動も楽です。

 

山小屋の手配も一緒にしてくれる

初めての人はどの山小屋がいいのか、どうやって予約するのか、万が一キャンセルする場合はどうするのか等を考えるとちょっと面倒ですよね。ツアーだと旅行会社がそれらを全て対応してくれるので楽です。

 

初めてだからガイドや添乗員同行がいると安心

山登りを何回か経験している人も、初めての富士登山は未知の領域となるので不安になる人もいるでしょう。ましてや登山自体初めてという人はなおさら。

体調不良や怪我、天候の悪化などによるトラブルを避けるためにも、ガイドや同行してくれる添乗員がいるツアーだと安心です。また、富士山の植生物や景色、疲れにくい歩き方やペースを教えてくれるガイドがいると、より楽しめる富士登山になります。

 

登山用品のレンタル手配ができる

オプションで登山用品一式をレンタルできるサービスがついているツアーがほとんどです。富士山が最初で最後の登山という人もいますし、遠方から公共交通機関で来る人は、かさばる道具を持ってくるのが大変という場合もあります。

そんな人たちにとっては、レンタル手配もしてくれるツアーはお得だし、とても楽でいいですね。

 

オリジナルの富士山グッズがもらえる(かもしれない)

富士登山ツアーに参加すると、オリジナルの富士山グッズが貰えところが多いです。でも私のように「別にいらないなー」と思う人にとっては余計な荷物が増えるのでデメリットに感じるかもしれないです(笑)

 

ツアー登山のデメリット

日程を臨機応変に設定しづらい

ツアーありきで当初から計画していた場合、キャンセルしてしまうとまた一から別日程で申し込みし直す必要があります。登山計画の最大の心配事は悪天候と体調不良ですが、どちらも数日前にならないとはっきりしないですよね。

申し込んだツアーをキャンセルして別の日程で申し込もうと思っても、もう定員オーバーで申し込めなかったなんて話も聞いたことがあります。キャンセル料金も高くつきます。

そのため、無理に強行参加してしまい、結果的に天候不良や体調不良で登頂できなかった、ご来光見られなかった、土砂降りの雨で辛いだけだったなんて話もよく聞きます。

 

他人のペースに巻き込まれる

富士山のツアーには色んな人が参加します。ツアー登山でよく見聞きする困った人たちのパターンとして、

・集合時間(登山開始時、休憩終了時)を守らない

・登山中に集団から勝手に離れて行方不明になる

・横に広がって他者の通行の邪魔をする

などがあります。

ただでさえゆっくりペースで登るのがツアー登山です。勝手な行動をとる人が多いと、さらにペースが遅くなり、山小屋に到着する時間が大幅に遅れます。その結果、仮眠時間が短くなってしまい、高山病を発症するなんてこともあります。

 

料金が高い

これは自家用車で移動できる場合との比較になるので、一概には言えませんが、人数がある程度いる場合は自家用車の方が総額でけっこう安く収まることもあります。

 

個人手配のメリット

ツアーよりも日程を調整しやすい

先述したように、天候と体調次第で日程を変更することもありますが、どちらも直前にならないとハッキリしないです。キャンセル料金は、山小屋宿泊料のキャンセルのみなので、ツアー料金キャンセルよりも負担が少なく済みます。

 

他人のペースに合わせなくてよい

ツアーだと大勢の他人と一緒に行動しなければならないので、自分達のペースで歩くのが難しいです。個人(家族や友人含む)だと休みたい時に休めるし、ペースの上げ下げも自由です。

 

自分で山小屋を選べる

御殿場ルート以外は山小屋が豊富にあるので、その中から自分が泊りたい標高の山小屋を選べます(満室で断られる場合もありますが)。

山小屋は標高が高いほど厳しい環境で営業しているので、一般的に標高が低い山小屋ほど快適です。でも標高が高い山小屋は当然山頂に近いので、ご来光登山の時は近いので楽です。なお、ツアーの場合は八合目辺りの山小屋泊が多いです。

 

個人手配のデメリット

自家用車の場合は登山口までの移動が大変

初めて富士山に登る人の多くは五合目から登山を開始すると思いますが、マイカー規制対象の自家用車(※)の場合は手前の駐車場に車をとめて、バスかタクシーに乗り換える必要があります。

また、運転による疲労軽減や混雑回避のために、前日に麓で宿泊したり、駐車場で車中泊をする場合は、その分の時間や労力、費用が発生します。特に車中泊をする場合、慣れていない人は全然眠れなかったりして疲労度が増すので気をつけたいところです。

(※)富士登山オフィシャルサイト アクセス情報・マイカー規制

 

山小屋の予約を自分で手配するのが面倒(かも)

山小屋を自分で選びたい人はデメリットではないでしょうが、よく分からないから面倒と思う人もいると思います。最近は山小屋の予約もインターネットでできるところが増えていますが、中には電話のみ受け付けのところもあるので、仕事等で多忙な人はちょっと面倒と思うかもしれません。そういう人はツアーの方が楽ですね。

 

初めての登山の場合は不安が大きい

特に普段登山をしていない人だと、当日の行動に不安が多いかもしれません。ツアーだと添乗員やガイドが集合から解散まで常にリードしてくれるますが、個人では自分たちで全て管理しなければなりません。

 

 

こうして見ると、ツアーの方がいいような気がしますが、それは居住地や移動手段、人数、経験や体力などによって異なる部分も多いので、ご自身の状況に当てはめて検討してみるのが良いと思います。

 

 

 

 

いつ頃登るか

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富士山の開山期間は7月10日~9月10日で、学校の夏休みと重なる日にちが多いです。そのため、その間の土日祝日はとても混雑します。特に8月上旬~中旬は凄いです。その間しか登れないのであれば混雑を覚悟して登るしかありませんが、ずらせるのであれば7月の平日やお盆過ぎの平日は比較的空いているので、ぜひ検討してみてください。

 

その他の注意点

保全協力金について

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富士登山者には富士山の保全協力金として、一人あたり1,000円(2019年時点)の支払いが必要です。五合目で徴収しています。ただし、吉田ルートでは2019年から混雑回避のため、観光客は五合目、登山者は六合目で受付けするらしいです。

登山道の整備やトイレの管理、安全対策などに充てられるので、皆さん協力しましょう。なお、インターネットで事前支払いもできます。協力金を支払うと記念品がもらえます。

 

【静岡県側(富士宮、御殿場、須走)】

富士山保全協力金の受入について | 富士山保全協力金について | 世界遺産 富士山とことんガイド

【山梨県側(吉田)】

山梨県/富士登山をされる皆様へ「富士山保全協力金」のお願い

 

トイレ利用について

 富士山のトイレは基本的にチップ制です。場所により金額が100円~300円と異なりますが、チップを払わなければ入ることすらできない所もあります。100円玉を5枚以上持って行くと安心です。

 

下山後の温泉はどこに行けばいいのか

富士山の周辺には本当に沢山の温泉施設があるので、挙げ出すとキリがないほどです。富士宮ルートに絞った場合、おススメなのが「天母の湯」です。

 

まとめ

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山登りには、事前の準備と当日の天気、体調がとても重要になってきます。特に富士山のように標高が高い山では、普段の生活とかなり環境が異なるので大変な状況も多々あるかもしれません。

それでも、天気の良い日の景色は絶景ですし、登頂した時の達成感は何とも言えないものがあります。ぜひ事前の下調べや準備をして、なるべく万全に近い状態で登って感動を味わってきてください。