額取山(ひたいとりやま)
・標高:1,009m
・所在地:福島県郡山市
・御霊櫃峠から縦走するコースは展望が良く人気
・別名「安積山(あさかやま)」
・登山適期は4月下旬~11月上旬
「額取山」は福島県郡山市にあり、猪苗代湖の東側にそびえる連山の一つです。”うつくしま百名山”にも数えられます。
「額取山」という不思議な山名の由来は、源義家が元服の際に額の髪を剃った山という言い伝えからきているそうです。また、このコースの前半にある「大将旗山」は、源義家が軍旗を掲げたことが山名の由来とか。
「御霊櫃峠」から登るコースでは、標高1,000m前後にも関わらず、森林限界を超えて樹木の低い箇所が多く、展望の良い稜線歩きが楽しめます。また、例年6月上旬には御霊櫃峠周辺にヤマツツジが沢山咲くそうです。その時期の景色も見たかったのですが、GW5月上旬に福島へ行く機会があったので登ってきました。
駐車場情報
標高870m超の「御霊櫃峠(ごれいびつとうげ)」まで車で行くことができます。駐車スペースには約20台駐車できます。バスは通っていないので、自家用車かタクシーでの移動となります。
公共トイレ(男女別)があります。昔ながらの和式トイレで、トイレットペーパーは無かったです。麓で事前に済ませて行くことをお勧めします。
この日のコース
御霊櫃峠 ⇒ 黒岩山 ⇒ 大将旗山山頂 ⇒ 額取山山頂 ⇒ 大将旗山山頂 ⇒ 黒岩山 ⇒ 御霊櫃峠
往復(周回)距離:6.7km 累積標高差:(上り)610m(下り)610m
標準コースタイム(夏期)は、往路2時間10分、復路1時間50分です。
※往復距離と累積標高差は概測です
御霊櫃峠 ⇒ 黒岩山
峠の道路からいきなりスタート。この時点では強い風が吹いて肌寒かったです。アウターを羽織って出発。
砂利道を登って行きます。少し歩きにくいですが、すぐに終わります。
数分で最初の峰に到着。ここまでは観光目的の人も登ってこられます。
数分の登りですが、既に眺望が良いです。山の間から猪苗代湖が見えます。
反対側を見ると郡山市の景色。
では次のポイントへ。ここから先は山道になります。
祠が2つあります。嵐を静める「風神社」と雨乞いの「雨神社」らしいです。
歩きやすいですが、細い道が続くので木々の枝がビシバシ腕に当たります(笑)
時々広めのポイントがあるので休憩しやすいです。
手前の峰が「黒岩山」で、奥が「大将旗山」です。一旦ザレた坂を下ります。お助けロープがあって親切。
「黒岩山」への登りは岩が多く、急登です。
大きな岩は巻いて登ります。
「黒岩山」山頂に到着。山頂から歩いてきた稜線を眺めてみました。と言ってもここまで標準コースタイムで30分程(笑)
黒岩山 ⇒ 大将旗山 ⇒ 額取山
「黒岩山」から先へ進みます。右側の方に広めの道が続いているように見えますが、実は行き止まり。一瞬見逃してしまいましたが、標識すぐ横の細い道を進んでいきます。
まだ木々に葉がついていないこの時期、風通りが良くて涼しい。
日当たりの良い道が多いです。夏になると暑そうですが、涼しい季節は気持ちが良いです。
「大将旗山」山頂手前は少し急登が続きます。
「大将旗山」山頂に到着。標高1,056mです。
「大将旗山」山頂はあまり広くありませんが、南東方面の眺望がとても良いです。
「大将旗山」から先へ進みます。ここからは小さなアップダウンを繰り返しながら「額取山」へ向かいます。「大将旗山」~「額取山」は標準コースタイムで往復2時間ほど。
なだらかな道が多いです。
途中にある標識。ここに書かれている「安積山(あさかやま)」とは「額取山」の別名です。
この日はまだ5月序盤なのに郡山市の予想最高気温30℃に迫る夏日予報。風が弱くなったら急に暑くなってきました。アウターを脱いで体温調整。
山頂まで700m地点の標識では、「安積山」ではなく「額取山」となっていました。
奥に見える峰がこの日の最終地点「額取山」。
笹が広がる草原もきれいに刈払いされていました。
水場への案内標識がありましたが、水分は沢山持ってきていたので寄らず。
「額取山」山頂手前。
終わりかけでしたがカタクリの花も沢山咲いていました。
「額取山」山頂に登り詰めていくと、岩が増えてきます。
ケルンが積まれています。「額取山」山頂に到着~。
と思ったら、本当の山頂は東側のもう少し先でした。
本当の「額取山」山頂。標高1,009mです。この写真は山頂標識裏側。表側を撮るのを忘れていました(笑)
額取山 ⇒ 大将旗山 ⇒ 黒岩山 ⇒ 御霊櫃峠
「額取山」山頂からは360°ビューの景色が眺められます。
空気が澄んでいれば「筑波山」も見えるとか。
「磐梯山」や「安達太良山」など福島県の名峰がズラリ。
西側のケルンが積まれている方が広いので、そちらに戻って腰をかけながら軽く栄養補給。奥に「日光白根山」や「那須岳」が見えます。
「猪苗代湖」と「磐梯山」。
「吾妻連峰」と「安達太良山」も。
少し休んで景色も堪能したので下山開始。往路と同じ道で帰ります。
帰路では花を愛でながら。
ツツジの蕾もかわいい。
実は「額取山」よりも「大将旗山」の方が50m弱だけ標高が高いので、復路の方が少し登りが多いです。
「大将旗山」まで戻ってきたら、あとは下りが中心。
風もまた吹き始め、涼しくて気持ちが良かったです。
「黒岩山」に戻ってきて気がついたのですが、登山道を示す矢印が手前の岩に薄っすらと描かれていました。分かりにくい(笑)
下山するのがもったいない。たまにそんな気持ちになります。
御霊櫃峠の駐車場は満車でした。早めに登り始めて良かったです。おしまい。
下山後は「レイクサイド磐光」に寄って福島のご当地メニューを食べようと思っていたのですが、時間が早すぎてまだ食堂が開いていませんでした。
その後、猪苗代湖の周辺をウロウロしていたら、GWの激混みで昼食難民に陥ってしまうことに。結局、高速道路のSAで「牛乳屋食堂」のラーメンを食べて帰りました。
額取山の感想
「額取山」は標高1,000mちょいと低山の部類に入りますが、冬の過酷な自然環境のせいか森林限界を超えて樹木が低い箇所が多いです。そのため、標高のわりに展望の良い稜線歩きが楽しめます。「御霊櫃峠」~「額取山」間でも距離や標高差があまり無く、登山道も歩きやすいので初心者にお勧めの山だと思います。
ただし標高が高くないのと、日当たりの良い道が続くので、夏場は暑そうな印象です。また、雨風が強い日はその影響をモロに受けてしまうのでその点は注意が必要でしょう。
例年6月上旬には御霊櫃峠周辺にヤマツツジが沢山咲くそうです。今回登ったのは5月上旬だったのでツツジはほとんど咲いていませんでしたが、これからの季節は花を眺めに登るのも楽しみですね。
【福島県の他の山】
この日使用した主な道具
サロモン TRAILBLAZER20
軽量バックパックです。夏期の日帰りトレッキングの場合は、コンパクトで軽量な装備で行くと楽です。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。