一切経山(いっさいきょうざん)
・標高:1,948m
・所在地:福島県福島市、猪苗代町
・標高1,550m程の浄土平から登り始めることができるため、初心者にもおすすめ
・吾妻小富士、鎌沼へセットで周るのもおすすめ
・登山適期は4月下旬~11月上旬
「一切経山」は福島県の福島市と猪苗代町の境にある活火山です。山頂付近から眺める”魔女の瞳(五色沼)”、”鎌沼”周辺の散策、「吾妻小富士」のお鉢巡りなど、一度に沢山の絶景を味わえるということで、登山者以外にも人気の観光スポットです。
2018年9月に噴火警戒レベルが2に引き上げられ2020年6月に規制解除されるまで、1年9か月もの間は浄土平からの登山道が通行禁止となっていました。その間には2019年10月の豪雨で木道が破損したりなどしたため、噴火警戒レベルが1になってからも規制解除まで時間がかかったようです。
この日は「一切経山」に登って”魔女の瞳”を眺め、「鎌沼」を周遊し、「吾妻小富士」でお鉢巡りしてきました!
吾妻山は活火山です。登る前に活動状況を確認して行きましょう。
駐車場情報
標高1,550m程の「浄土平ビジターセンター」の駐車場まで車で行くことができます。「一切経山」へはもっと下の方から登ることができますが、浄土平からスタートすれば最も短時間で楽に登頂できます。トイレや自動販売機、ビジターセンターやレストハウスなどもあるため、とても快適な拠点です。
なお、駐車料金がかかります。
この日のコース
ビジターセンター ⇒ 酸ヶ平小屋 ⇒ 一切経山山頂 ⇒ 酸ヶ平小屋 ⇒ 鎌沼 ⇒ ビジターセンター ⇒ 吾妻小富士(お鉢巡り) ⇒ ビジターセンター
往復(周回)距離:10.5km 累積標高差:(上り)565m(下り)565m
標準コースタイム(夏期)は、往路1時間50分、復路1時間50分、吾妻小富士お鉢巡り50分です。
※往復距離と累積標高差は概測です
ビジターセンター ⇒ 一切経山山頂
ビジターセンター横の天文台の裏手からスタートしました。
一切経山を見上げると荒々しい火山の様相を示しています。序盤から非日常的な風景で楽しいです。
中腹から噴煙が吹き上がっています。浄土平周辺も硫黄の臭いがしています。
途中に登山ポストがあるので、登山届を出していきましょう。
先へ進むと案内図もあるので、一応コースや避難ポイントを確認。
少しだけ木陰のポイントがありますが、全体的に日の当たる道がほとんどです。
登山道は明瞭で迷う心配はありません。
この日は日差しも強く気温も高かったのですが、風が強かったおかげでそれほど暑く感じませんでした。低い山に登っていたらかなり暑かったと思います。
しばらく登って行くと、道がなだらかになり木道が現れます。
木道をのんびり歩いて行くと、分岐に出ます。標識もあるので間違えることはありませんが、「酸ヶ平避難小屋」が見える方向へ進みます。
「酸ヶ平(すがだいら)」の湿原にきれいな緑が広がっていました。「一切経山」や「吾妻小富士」の荒々しい山肌とは非常に対照的な景色です。
分岐からちょっと登った所に「酸ヶ平避難小屋」があります。通年無料開放されています。トイレもあるのはとてもありがたいですね。なお、あくまで避難小屋なので宿泊目的での利用はNGです。
避難小屋の先はしばらく細い道が続きますが、徐々に岩が増えて道幅も広くなってきます。
途中にある休憩ポイントから酸ヶ平と鎌沼方面を見下ろすと、このような癒される景色が眺められます。
山頂まであともうちょっと。
「一切経山」の山頂に到着!
広い山頂の中央には石が積み上げられ、「空気大感謝塔」の柱があります。うん、きれいな空気に大感謝です(笑)
山頂標識と三角点はこっち。標高1,948m。「空気大感謝塔」のインパクトが強すぎて地味に感じます。。。
山頂奥に進むと”魔女の瞳”と呼ばれる「五色沼」が眺められます。きれいなブルーの水がとても印象的。”吾妻の瞳”とも言われるそうです。ちなみに、裏磐梯の五色沼湖沼群とは別の沼です。
山頂からは360°周辺の景色が眺められます。
一切経山山頂 ⇒ ビジターセンター
さて、山頂から眺める景色も堪能したので下山します。
後半に登る「吾妻小富士」の火口を眺めながら下山していきます。道がザレているので、滑らないように注意しましょう。
登ってきた道を下って「酸ヶ平」まで戻ります。
分岐に戻ってきたので、右手の「鎌沼」方面へ進みます。
みんな大好き、なだらかな木道歩き。景色を楽しみながらのんびり歩きます。
「鎌沼」が見えてきました。
水辺に下りられる箇所があり、ここでまったり景色を楽しみながらご飯を食べる人も多いです。
沼半分をぐるっと囲むように木道が続いています。
奥の方に「東吾妻山」が見えます。この日は寄りませんでしたが、時間と体力があれば寄ってみるのもいいと思います。
ということで、ここの分岐は左に曲がりました。東吾妻へ行くには真っ直ぐ進むと近いです。
鎌沼の水はとても澄んでいました。
鎌沼を眺める道が終わり「姥ヶ原」の分岐に出ます。浄土平方面へ進みます。
木道は1本道で幅はあまり広くありません。すれ違う時は時々出てくる待避ポイントをうまく利用しましょう。譲り合いの精神で。
「浄土平」と「吾妻小富士」が見えてきました。
「浄土平ビジターセンター」駐車場へ戻ってきました。
ビジターセンター ⇔ 吾妻小富士
では最後に「吾妻小富士」に登ってお鉢巡りしていきます。
車道(磐梯吾妻スカイライン)を横断します。信号が無いので、車の往来に注意しましょう。
「吾妻小富士」は登山者以外も気軽に登れるので、時季や時間帯によっては結構混雑します。道は階段が整備されていますが、微妙に登りにくいです(笑)
それほど時間もかからず、火口壁に着きます。”小富士”と名が付くだけあって、富士山を小さくしたような山容です。富士山と同じようにお鉢巡りを楽しむことができます。
火口を覗くとこんな感じ。あまり覗き込むと危険なのでほどほどに。
「吾妻小富士」のお鉢巡りは標準コースタイムで30分ぐらいです。この日は反時計回りに歩いてみました。
風が強いことが多いので、帽子を被っている場合は飛ばされないようにご注意ください。
大きな岩がゴロゴロ。
ちょうど半分くらい周った所から「浄土平」と「一切経山」方面を眺める。火口は浄土平側の方は緑が多いですね。
それでは「浄土平」へ戻ります。
高原の中を縫うように伸びるスカイラインの道路。まるで異国に来たかのような雰囲気です。
登ってきた階段を下りてビジターセンターへ戻りました。おしまい。
一切経山の感想
「一切経山」は先述しているとおり、荒々しい火山の山容や”魔女の瞳(五色沼)”、”鎌沼”、「吾妻小富士」など、一度に沢山の絶景を味わえます。また、浄土平から登り出すことでそれほど体力を必要としないので、初心者の人にもとても人気の山です。ぜひ天気の良い日に登ってみてほしいと思います。
なお、「浄土平」は観光客やツーリング、ロードバイクの人たちも沢山訪れ駐車場が混雑するので、早めの時間に行かれることをおススメします。
この日使用した主な道具
サロモン TRAILBLAZER20
超軽量バックパックです。夏の日帰りトレッキングの場合は、コンパクトで軽量な装備で行くと楽です。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。