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新潟県在住のんびり山歩き 初心者、中級者向けおすすめ登山ルート、登山口情報、コースタイムなど

憧れの「白山」へ1泊2日の小屋泊登山(別当出合から)【前編】

白山(はくさん)

・標高:2,702m(最高峰の御前峰)

・所在地:石川県白山市、岐阜県大野郡白川村

・日本三名山、日本三霊山、日本百名山、新日本百名山、花の百名山

・「白山」は「御前峰」・「大汝峰」・「剣ヶ峰」をはじめとした山峰の総称

・「室堂」には有人管理の山小屋が複数あり、合計で750人収容できる

 

加賀の「白山」は石川県、岐阜県、福井県、富山県の4県にまたがる「白山国立公園」内にある日本を代表する名峰です。上述したように「富士山」「立山」と共に「日本三名山」、「日本三霊山」に数えられます

 

「白山」はずーっと行きたかった憧れの山です。室堂で宿泊してご来光を見たいと思っていたので、日帰りは無し。過去に何度か計画しては急な仕事が入ったり、天気が悪かったりで中止していました。一昨年と昨年は新型コロナの影響で小屋泊登山を控えていたのが原因ですが。

 

今回も出発前日に仕事で大き目のトラブルが発生したり、大雨で道路が一時通行止めになったりなど色々あったのですが、無事に「白山」に登れることができました。

前編は最高峰の「御前峰」登頂までです。

 

▼後編の記事はこちら▼

 

 

事前準備

室堂の宿泊予約

1か月ぐらい前に電話して宿泊予約を行いました。

日程を伝え相部屋の空き状況を確認。代表者の名前と連絡先、人数、食事の有無、どの登山口から登るか等を伝えます。

 

それと就寝時の新型コロナ感染対策で、

・インナーシュラフを持って来てね(シュラフでもOK)

・枕が使えないから、必要だったら持って来てね

と言われました。

 

※2022年時点の情報です。2023年に新型コロナウイルスが5類感染症となったので、対応が変更となった可能性もあります。

 

 

インナーシュラフの購入

予約時に「シュラフ(寝袋)でもいいですよ」と言われたものの、嵩張るしちょっと重いので、インナーシュラフを購入することにしました。

 

購入したのはisukaのインサートシーツ。

サイズは85×220cmで、圧縮時の大きさは500mlペットボトルよりちょっと大きい程度です。重量は400g。封筒型です。

 

自分が持っているシュラフ(モンベルのダウンハガー800 #3)の圧縮時と比べると1/3程度の大きさ。重量は150g程軽く済みました。

 

ちょっと勿体ないかも?と思いましたが、今後も小屋泊時に必要な装備となるのであればと考え直し購入しました。2,500円ぐらい。

 

ちなみにSEA TO SUMMITのシルクのいいやつ(150g程度で肌触りがとても良いらしい)も悩みましたが、1万円超えていたのでやめました(笑)

 

駐車場情報

石川県白山市の「市ノ瀬ビジターセンター」まで車で乗り入れました。マイカー規制期間だったので、ここから「別当出合」まではシャトルバスに乗って移動します。

 

▼金沢駅や松任駅から登山バスも出ています▼

 

舗装された駐車場は満杯だったので、係員の誘導で砂利の駐車場に駐車しました。全部合わせると約750台駐車できるらしいです。

 

「白山」は登山届が義務付けられています。ビジターセンター前で登山届を提出してから、シャトルバスの往復チケットを購入しました。

登山届は、「別当出合」の休憩舎でも提出できます。なお、オンラインで提出も可能です。

 

「市ノ瀬」~「別当出合」の距離約6km、標高差約400mをシャトルバスで移動。片道約20分です。

 

 

 

今回のコース

【1日目】

別当出合 ⇒ 中飯場 ⇒ 甚之助避難小屋 ⇒ 南竜山荘 ⇒ 室堂 ⇒ 御前峰 ⇒(お池巡り)⇒ 室堂(宿泊)

 

【2日目】

室堂 ⇒ 御前峰(ご来光) ⇒ 室堂 ⇒ 黒ボコ岩 ⇒ 殿ヶ池避難小屋 ⇒ 分岐 ⇒ 別当出合

 

往復(周回)距離:17.8km 累積標高差:(上り)1,870m (下り)1,870m

標準コースタイムは、往路(別当出合~御前峰)5時間30分、復路(御前峰~別当出合)3時間40分、お池巡り2時間です。

 

※往復距離と累積標高差は概測

※市ノ瀬~別当出合までのシャトルバス移動は含まれていません

 

別当出合 ⇒ 中飯場 ⇒ 甚之助避難小屋

「別当出合」に到着し、トイレに行ったりなど登山前の準備を整えます。飲料の自動販売機もあります。

 

雑誌やネットでよく見る風景。ベンチやテーブルがいっぱいあります。

 

左手は「観光新道」、右手(吊り橋)は「砂防新道」となります。「砂防新道」からスタートし、帰りは「観光新道」で下りました。

 

「別当出合」で30分位モタモタして午前7時頃スタート。同じバスどころか次のバスに乗ってきた人たちもとっくにスタートしていました(汗)

 

最初に吊り橋を渡ります。なかなか高度感があって楽しいです。

 

涼しいし、いい景色やー。

 

吊り橋を渡ると樹林帯歩きが始まります。序盤は緩やかな坂が続きます。

 

徐々に階段や大きな段差が増えてきます。「涼しいなー」と思いながらスタートしたのに、さっそく汗だくに。この時点でまだ1kmしか歩いてません(笑)

 

「中飯場(なかはんば)」に到着。トイレ棟のある広い休憩ポイントです。水も出ます。トイレは水洗です。

まだ序盤でしたが、蒸し暑かったのでここで少し休憩。

 

休憩して汗も引いてきたのでリスタート。

 

途中、舗装された作業路を横切りました。

 

少し見晴らしの良いポイントがありました。「不動滝」と「砂防堰堤」が見えます。その横には物資運搬用のロープウェーみたいなものも見えました。

 

急坂が続きます。あっという間に再び汗だく。

 

ヒーヒー言いながら登っていたら、なだらかな木道のポイントが現れました。

 

あちこちにベンチが。避難小屋が近づいてきました。

 

「甚之助避難小屋」に到着~。

 

「甚之助避難小屋」にもトイレと水場がありました。小屋の前にはベンチとテーブルもあり、大勢の人で賑わっていました。「中飯場」のトイレもここのトイレも水洗ということに驚き!

 

避難小屋内はこんな感じ。清潔な感じで快適に泊まれそう。

 

天気がいまいちでしたが眺望もけっこう良くて、ほんとここで宿泊するのもいいなぁなんて思いました。

 

 

 

 

甚之助避難小屋 ⇒ 南竜山荘 ⇒ 室堂

「甚之助避難小屋」をあとにして登り出します。小屋の上方にもテーブルやベンチがある広いスペースがありました。小屋の下方にもあったので、どんなに混んでいてもこの付近で快適に休憩できそうです。

 

小屋から少し登ったところで「南竜道分岐」に出ました。

ここを道なり(上の写真で左手)に進むのと「黒ボコ岩」を経由して室堂へ至る最短ルートです。自分たちは「南竜山荘」に寄りたかったので、ちょっと遠回りですが右手へ進みました。

 

「甚之助谷第2号谷止工」。登録有形文化財だそうです。


先ほどの「甚之助避難小屋」が下に見えます。意外と登ってたんだな。

 

「南竜山荘」までは巻き道。

 

この道は多少アップダウンあるものの、全体的になだらかです。やっぱりなだらかな道はいいね!(笑)

 

途中できれいな草原の景色とニッコウキスゲの群生が!いい年したオッサン2人ではしゃぎながら写真を撮りました(笑)

 

「エコーライン分岐」。ここも「南竜山荘」方面へ進みました。

 

「エコーライン」から室堂方面へ登ると、ニッコウキスゲの群生の中を登ることができたみたいです。

「南竜山荘」方面へ進みましたが、「エコーライン登れば良かったなー」なんてちょっとだけ後悔しました。

 

でも「南竜山荘」への道や景色もとても良かったです。

 

気持ちの良い木道歩き。

 

左に曲がって「南竜山荘」へ。

「南竜ヶ馬場」キャンプ場は真っ直ぐ進みます。最初はテント泊も考えていたのですが、「御前峰」でご来光見るのにちょっと遠いなということで断念しました。

 

「南竜山荘」に到着。ここで冷えたコーラを買って一気飲み。コーラしか頭になかったので、山荘内部の写真を撮り忘れました…


山荘前で休憩させてもらって、「トンビ岩コース」を登り出します。ここから「室堂」まで標準コースタイムで1時間半かかります。

 

沢の水がきれい。

 

こちらのコースも花が沢山咲いていました。

 

大きめの岩ゴロゴロの道を登って行きます。

 

「いやー結構登ったなぁ」と思って振り返ったら、まだ大して登っていなかったことを知って愕然とした瞬間(笑)

 

急登が続きます。日差しも強くて「暑い暑い」言ってたら曇ってきました。正直ありがたかったです。

 

「トンビ岩」に到着。

 

「トンビ岩」の上から山頂方面を眺めたら、山頂は完全にガスの中…

 

「万才谷雪渓」の雪がまだありました。登山コースにはもう雪が無かったです。ガスってて遠くが見えませんが、「室堂」までもうすぐ。

 

やっと見えてきたー。

 

「室堂」に到着!けっこう疲れましたー。

 

「白山奥宮祈祷殿」とその奥にガスに包まれた「御前峰」。ビジターセンター前にはテーブルやベンチがあって、沢山の人がお昼御飯中でした。

センター内へ行ったら「13時から宿泊受付開始」と掲示されていたので、自分達もここでお昼ご飯を食べたりして時間を潰しました。

 

 

 

室堂 ⇒ 御前峰

13時になったので受付に向かったら既に長蛇の列でした。宿泊申込書?みたいなものに記入して受付へ。

 

受付が終わったら、案内スタッフさんに呼ばれるまで待機。

 

夕食券と朝食券。失くさないように財布の中へしまいました。

でも夕食前になって、どこにしまったのか忘れて逆に慌てることになりました(笑)

 

スタッフさんに呼ばれ、案内の紙を渡されます。

ちなみにこの紙を渡されるまで、どの小屋になるか分からないシステム。分かっているのは、「雷鳥荘」(個室)と「白山荘」(自炊棟)ではないこと。

「御前荘」か「こざくら荘」か「くろゆり荘」のどこになる!?

 

「こざくら荘」でした。だから何ということもないのですが。

 

履き間違いを避けるため、名札をつけて下駄箱に靴を入れます。久々でなんか懐かしい作業。

 

空気清浄器が設置されていました。

部屋はよくある蚕棚でした。新型コロナ前は1区画2名だったところ、1区画1名で使えたのでかなり広々スペースでした。中にはマットと毛布(2枚)がありました。

 

「室堂」に着いた時はガスガスでしたが、小屋でゴロゴロしてたら青空が出てきたので、急いで山頂アタックすることにしました。

 

「白山奥宮」は「御前峰」の山頂にあります。

 

重い荷物は小屋に置いて、貴重品と水分だけ持って登ります。「室堂」→「御前峰山頂」は標準コースタイムで40分。でも渋滞など考慮してもうちょっとかかると見込んだ方が良いです。

 

夏の「白山」は本当に花が多いですね。さすが花の百名山です。写真じゃ伝わりにくいのが残念。

 

分岐があり、「御前峰」方面と「大汝峰」方面に分かれます。「御前峰」方面へ。

 

ハクサンフウロ?の中にクルマユリも少しだけ咲いていました。

 

山頂が近づいてくると岩だらけになります。

 

「奥宮」に到着。

 

雑な撮り方ですみません…

全国に約3,000あるという「白山神社」ですが、新潟県の代表的な神社の一つ「新潟総鎮守 白山神社」の由緒もここ加賀の白山です。

 

山頂標識へ。

 

「白山(御前峰)」山頂に到着!標高2,702mです。

 

方位盤は山頂標識から離れた所にありました。

 

遠くの景色はガスって見えませんでしたが、それでもとても素晴らしい眺めでした。

 

雲が無ければ北アルプスや「御嶽山」等もよく見えるらしいのです。でもこれはこれで良い景色!

 

室堂は今にもガスに包まれて見えなくなりそう。

 

右に「剣ヶ峰」、左奥に「大汝峰」。ちなみに「剣ヶ峰」は登山禁止だそうです。うーん、素晴らしい眺め。山頂で30分位景色を眺めながらまったりしました。

 

前編はここまで。後編はお池巡りしながら室堂に下山するところからです。

つづく。

 

白山(前編)の感想

憧れだった「白山」登山でしたが、序盤の樹林帯歩きは蒸し暑くてちょっとしんどかったです。

でも南竜山荘へ向かう道では見晴らしも良く、ちょうど天気も良くなってきてキレイな草原が見渡せました。花が沢山咲いていてしかも種類が多く、さすが「花の百名山」という感じでした。

室堂に着いた時はガスガスで「山頂アタックは翌日かなぁ」なんて話していたのですが、再び青空が広がって無事に「御前峰」に登頂できました。「御前峰」からの眺望も雲が多くて遠くの山は見えませんでしたが、これは夏山ではよくあることなので仕方ないですね。それでも「剣ヶ峰」や「大汝峰」、「紺屋ヶ池」など素晴らしい景色を眺めることができて良かったです。

後編はお池巡りからスタートです。

 

▼後編の記事はこちら▼

 

この日使用した主な道具

THE NORTH FACE ベンチャージャケット

薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。夏でも高山では寒くなることがあります。アウターを必ず持って行きましょう。

 

東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付

簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。

 

井村屋 チョコえいようかん

時間が無いときに簡単にカロリー補給できるミニようかんのチョコ味。水が無くても食べられます(あった方が良いですが)。最長5年間保存可能なので、災害備蓄品としてもおススメです。