苗場山(なえばさん)
・標高:2,145m
・所在地:新潟県津南町・湯沢町、長野県栄村
・日本百名山、上信越高原国立公園内にある山
・山頂台地には広大な湿原が広がり、1,000以上の池塘が存在する
・登山適期は例年6月~10月
「苗場山」は新潟県と長野県の県境に位置する火山です。山頂付近には広大な湿原台地が広がり、大小1,000以上の池塘と豊富な高山植物が織りなす素敵な景色が有名で、”天空の楽園”と言われています。
「苗場山」には過去3度登っていますが、いずれも山頂付近はガスガスだったため、未だに”天空の楽園”の景色を体感できていませんでした。今回は4度目の正直ということで長野県側の「小赤沢コース」をピストンしてきました。
駐車場情報
「苗場山」に登るルートはいくつかありますが、王道は東麓側のかぐらスキー場から登る「祓川コース」です。
過去3度とも「祓川コース」でしたが、今回は夕方から用事があるため早めに帰りたい。ということで、距離や標高差が少ない西麓側の「小赤沢コース」から登ることにしました。
「小赤沢コース」の駐車場へは秘境で有名な”秋山郷”の道を通って行くのですが、これがドライバーにとってはちょっとストレス。すれ違いの困難な箇所も多く、対向車が突っ込んで来ないように願いながらスピードを落として向かいました。
細い道を運転しながら着いた地点には、想像していたより広大な駐車場が広がっていました。約100台は駐車可能だそうです。トイレもあります。
この日のコース
小赤沢3合目登山口 ⇒ 頂上台地 ⇒ 苗場山自然体験交流センター ⇒ 苗場山山頂 ⇒ 頂上台地 ⇒ 苗場山神社 ⇒ 4合目水場 ⇒ 小赤沢3合目登山口
往復距離:9.2km
累積標高差:(上り/下り)875m/875m
※休憩時間は別途必要
※往復距離と累積標高差は概測
小赤沢3合目登山口~8合目
駐車場を奥に進むと登山口があります。登山ポストもあるので、登山届を出していきましょう。
6時過ぎくらいに登山開始。この日は麓の天気予報では最高気温30℃超えの真夏日予報でしたが、3合目登山口で標高1,300mほどあるので、この時点では気温16℃でした。涼しくて気持ちがいい。
序盤はオオシラビソやダケカンバの樹林帯を尾根上に登ります。
ちょっと急登箇所もあります。
4合目に到着。ここから右手に少し下った所に水場があります。暑くなってきたので上着を脱いで体温調節。
4合目を過ぎると傾斜が緩やかになります。木道がある箇所も。
この区間は道が湿った箇所が多く、不用意に足を突っ込んだらミドルカットの靴の上まで泥に浸かってしまいました(涙)
5合目に到着。標柱には標高や次の合目までの距離や時間目安が示されています。とても親切。
5合目を過ぎてしばらく進むと徐々に傾斜が急になってきます。
見晴らしの良いポイント。
そこからちょっとした岩場を登ります。鎖も設置されているので、不安な場合は鎖を使用しながら登り下りできます。
6合目に到着。
ここから8合目過ぎくらいまで急登箇所が多くなります。
鎖場が増えてきますが、難しい箇所はありません。
7合目に到着。
見晴らしの良いポイントで休憩しながら登ります。
8合目に到着。ここまで来たら、あともうちょっとで頂上台地です。
8合目~苗場山山頂
8合目を過ぎてしばらく登ると、上空が一気に開けてきます。ここを登りきれば頂上台地に着くはず!
この木のすぐ後ろが頂上台地。
頂上台地に到着!一気に景色が変わります。
過去の苗場山ではガスガスで景色もほとんど見られていなかったので、晴れているとこんなにきれいなのか!と感動。
ワタスゲが沢山咲いていました。
池塘もきれい。しかも沢山あります。
まさに”天空の楽園”ですね~。日差しが強かったものの、心地よい風も吹き涼しかったです。とんぼが沢山飛んでいて、過去の苗場山で悩まされたブヨはあまり見かけませんでした。
コバイケイソウも沢山咲いていました。
9合目。ここから先はまた樹林帯に入ります。
樹林帯では大き目の岩がゴロゴロあって、ちょっと歩きにくい箇所もありました。
樹林帯を抜けたら天国パート2。
分岐があり、右手に行くと苗場神社があります。帰りに寄ることにしてまずは山頂方面へ。
池塘のリフレクション。
これは何の石碑なんだろう?
途中、少しだけ残雪がありました。
写真撮ってばかりでなかなか進まない(笑)
交流センターが見えてきました。
苗場山の開拓者と言われる大平晟氏のレリーフ(左)と、修験道を開いたと言われる「役行者」の石碑(右)。
自然体験交流センターです。感染対策の為、予約した宿泊者以外は小屋に入ることができませんでした。外のトイレ(100円)と自動販売機は利用できます。自動販売機はソフトドリンク350円、ビール600円でした。
※金額はいずれも2021年時点
山頂標識へ向かいます。
苗場山山頂(標高2,145m)に到着!ようやく青空の苗場山に登ることができました。
山頂標識周辺は木々に囲まれて眺望がいまいちなので、写真を撮ったらそそくさと移動しました。
苗場山山頂~苗場神社~登山口
それでは下山開始です。
このケルンから左手に曲がると「昌次新道コース」。右手の「小赤沢コース」方面へ戻ります。
帰りも景色を楽しみながら下ります。
いやぁ、景色がきれいだし涼しいしで天国ですわ~。
途中のベンチで休憩。保冷バッグに凍らせたペットボトルと一緒に入れてきたコーラを飲みます。さらに天国。
おにぎり持って来ていましたが、まだ時間が早くてあまりお腹も空いていなかったので、最近マイブームのフルーツ大福でモグモグタイム(古い?)。
帰りにここの分岐から「苗場神社」に寄りました。
分岐から数分で苗場神社に着きます。この日の素晴らしい景観に感謝&帰りの安全をお祈り。
神社の奥には「赤倉山」方面への道が続いていました。
「小赤沢コース」へ戻って下山。
さよなら。また来るよ!(天気が良い日に)
では本格的に下山開始。
急坂が多い箇所では滑らないように、登りで使用しなかった鎖にお世話になりました。
お昼に近づき気温が上がってきて暑くなってきました。日陰箇所も多いこのコースはありがたいです。
4合目まで戻ってきたので、水場に寄ってみました。
4合目標柱から少し下った所に水場がありました。顔とタオルを洗ってリフレッシュ。冷たくて気持ち良かったです。
無事に小赤沢3合目登山口(駐車場)に戻ってきました。おしまい。
苗場山(小赤沢コース)の感想
4度目の「苗場山」は今までの鬱憤を晴らすような天気の良さで、とても素晴らしい景色を楽しむことができました。また天気の良い日に登りたいと思います。アクセスの良い「祓川コース」も良いですが、今回登った「小赤沢コース」は先述のとおり距離や標高差が比較的短いのと、西麓側の坪場も楽しめるのでとてもおススメです。
登山口までのアクセスがちょっと大変かもしれませんが、初心者にもとてもおススメのコースだと思いました。運転が不安な人は慣れている人に連れて行ってもらいましょう(笑)
この日持って行った主な道具
ISUKA(イスカ)フォールドアップクーラー L
使用しないときはコンパクトに畳める保冷バッグです。凍らせたペットボトル飲料を保冷剤代わりに入れれば、長い山行時も炭酸飲料を冷たいまま持ち運べます。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。
ハッカ油スプレー
虫よけに使用します。自分は露出している肌だけでなく、ウェアや帽子などにもスプレーします。帽子のツバにスプレーしておくと、顔の周りにあまり寄ってこないです。なお、顔へ直接スプレーすると目に入って痛い思いをするので、手にとってから塗ると良いでしょう。