那須岳(なすだけ)
・標高:1,915m(茶臼岳)
・所在地: 栃木県那須郡・那須塩原市、福島県西白河郡
・日本百名山
・一般的には、茶臼岳と朝日岳と三本槍岳を合わせて那須岳と呼ぶ
・那須ロープウェイで茶臼岳の9合目までアクセスできる
・例年登山適期は5月下旬~11月上旬
「那須岳」は単体の山の名称ではなく、栃木県と福島県の県境にある那須連山の総称です。主峰の茶臼岳を「那須岳」と呼ぶこともありますが、一般的には茶臼岳と朝日岳と三本槍岳を合わせて「那須岳」と呼ぶそうです。
主峰の「茶臼岳」9合目まで「那須ロープウェイ」を利用してアクセスできるため、手軽に登れる百名山の一つとして人気です。この日は11月上旬の天気の良い平日に、標高1,470m程の「峠の茶屋」から登ってきました。
※那須岳は活火山です。活火山に登る際は、念のため警戒レベル等を直前に確認しましょう ⇒ 火山登山者向けの情報提供ページ(気象庁)
駐車場情報(峠の茶屋)
那須ロープウェイを通り過ぎて、しばらく車を走らせると「峠の茶屋」があり、そこの手前の駐車場に車をとめます。150台ぐらいは駐車可能だそうです。 トイレもあります。トイレは道中に無いので、必ずここで済ませて行きましょう。
▼公共交通機関でのアクセス▼
那須ロープウェイまでバスが出ているので、そこから車道を歩いて20分ぐらいです。那須ロープウェイのWebサイトをご参照ください。
この日のコース
駐車場 ⇒ 避難小屋(峰の茶屋跡) ⇒ 茶臼岳 ⇒ 避難小屋 ⇒ 朝日岳 ⇒ 三本槍岳 ⇒ 朝日岳分岐 ⇒ 避難小屋 ⇒ 駐車場
往復(周回)距離:12.3km 累積標高差:(上り)1,290m(下り)1,290m
標準コースタイムは、往路4時間00分、復路2時間30分です。
※往復距離と累積標高差は概測
駐車場 ⇒ 避難小屋(峰の茶屋跡)⇒ 茶臼岳
「峠の茶屋」駐車場奥の階段から登山開始します。この時点で標高およそ1,470m。最初の茶臼岳が標高1,915mなので、ロープウェイを利用しなくても約445m登るだけで着いちゃいます。
階段を上がって行くと登山指導センターの建物があるので、ここで登山届を出していきましょう。
噴火した場合の危険区域予測図が掲示されています。
少し歩くと鳥居が見えてきます。初めての那須岳、ウキウキが止まらない(笑)
赤ずきんをかぶった狛犬。
「山の神」が祀られています。お賽銭ありませんが、登山の無事をお祈り。
もう散ってしまっていましたが、紅葉シーズンはここら辺も観光客が沢山登ってくるのだそうな。なだらかな坂が続きます。
木々に囲まれた坂が終わり、視界が開けて茶臼岳の姿がはっきりと見えてきます。
「強風に注意!」と書かれています。風が強いと聞いていたので、帽子が飛ばされないようにストラップを着けてきました。私、過去に何度も帽子を飛ばされているので、最近は用心深いのです。
「落石に注意!」もありました。風が強い場合、同時に恐いのが落石です。特に那須岳のように岩がゴロゴロしている山では、上を確認しながら歩きます。
この日の天気予報は、午前中は晴れ→午後から曇り。序盤は雲一つない青空で気持ちがいい!でも「てんくら」は強風のためC判定。
避難小屋までもうちょっと。
避難小屋(峰の茶屋跡)に到着です。駐車場から標準コースタイムで1時間で来れちゃいます。ちなみにここはあくまで避難小屋。トイレは無く、宿泊もできません。
さて、まずは天気の良い内に主峰の「茶臼岳」に向かいます。風が想像以上に強く、ストラップごと帽子が吹き飛ばされそうな気がしたので、上着のフードも被って登ります。
途中にベンチがありますが、風が強すぎて誰もここで休憩していません(笑)
ぐるっと迂回するように登って行きます。
段々ごつごつした岩が増えてきます。岩が多いですが、けっこう登りやすい道です。茶臼岳が壁になって風が弱まりました。
お釜の手前で分岐があります。どちらからでも山頂へ行けますが、右からお鉢周りして山頂へ向かいました。左へ行くとロープウェイ方面から登れます。
反時計回りで山頂へ向かいます。山頂までなだらかな坂です。茶臼岳周辺の景色も眺めながらお鉢を回ります。
最初の目的地「茶臼岳」(標高1,915m)に登頂!
山頂からの景色が素晴らしいです。360°見渡せます。
茶臼岳 ⇒ 避難小屋 ⇒ 朝日岳
風が強くゆっくりできなかったので、早々に下りました。
先ほどの分岐に戻ってきました。登ってきた道で避難小屋へ戻ります。
それにしても景色がいいですね~。風が強くて寒かったけど、天気も良くて最高です。
避難小屋に戻ってきました。次は小屋の先の「剣ヶ峰」を越えて、奥の尖ってる「朝日岳」へ向かいます。
★「茶臼岳」のみ登って帰る人も大勢います。特に初心者の人は、進むか下山するかをここでしっかり確認しましょう。無理をせず安全な登山を楽しみましょう。
避難小屋を過ぎるとますます風が強くなりました。風が弱まるのを待っているのか、それほど大きくない避難小屋の中が大賑わいでした。
左手を見ると荒々しい火口谷が。ここが火山というのがよく分かります。
剣ヶ峰は右から巻いて行きます。
剣ヶ峰が壁になったところでは風が弱く、ポカポカ暖かーい。
剣ヶ峰を通過するとまた強風。というか、さらに強風!ここで撤退して戻る人も何人かいました。私は”食欲の秋”のせいでここ1か月で3kg増量してしまったおかげか、割と平気でした(笑)
そうは言っても、不安定な足場や細尾根もあるので、無理はしないようにします。「これ以上風が強くなったら撤退しよう」と思いながら歩きました。
ここは足場が狭い道でトラバースするので、鎖が張られています。不安な場合は鎖を掴みながら歩けます。
トラバースが終わり、尾根へ上がります。
尾根へ上がると、「朝日の肩」といわれる分岐に出ます。ここにはベンチがあります。右奥に尖った朝日岳山頂が見えます。
せっかくなので朝日岳の山頂まで行ってみます。「朝日の肩」から標準コースタイムで10分ぐらいです。
朝日岳山頂(標高1,891m)に到着です。ここも見晴らしが良いです。
先ほど通った茶臼岳(左奥)と避難小屋が見えます。茶臼岳は遠くから見るともっさりした形ですね(笑)
次は「三本槍岳」を目指し、あの稜線を歩いて行きます。
朝日岳 ⇒ 三本槍岳
「朝日の肩」まで戻って、「三本槍岳」方面(清水平方面)へ稜線歩きです。
分岐がありますが、清水平方面へ道なりに進みます。
麓の景色といびつな形の朝日岳。
この峰の標柱には「1900m峰」と書かれています。ベンチがあって休憩できます。
「清水平」へ下って行きます。ちょっと滑りやすい(というか、滑った)箇所があるので気をつけて歩きます。
「清水平」は木道を歩いて行きます。風もやや弱まり、お散歩モードに突入。
途中にはベンチも設置されています。いいですね~。
木道が終わり、笹とハイマツに囲まれた道を歩いて行きます。
分岐があるので、道なりに進みます。さすが人気の山、ベンチが沢山あります。ちなみにここを右手に進むと、赤面山や北温泉方面です。
なだらかな道が終わり、三本槍岳への登りが始まります。
といっても少し勾配が上がるだけで、きつい坂ではありません。
この日最後の目的地「三本槍岳」(標高1,916m)に到着!
三本槍岳 ⇒ 朝日の肩 ⇒ 避難小屋 ⇒ 駐車場
三本槍岳も360度ビューで眺望が素晴らしいです。広くて休憩もしやすい。
でも、強風で寒すぎたので滞在5分で下山しました(笑)
登って来た道をそのまま戻りました。
予報どおり、雲が増えてきました。
稜線歩きは楽しいですが、たまにバランスを崩すほどの強風が吹いています。
「朝日の肩」から下る道はザレていてちょっと滑りやすいです。小刻みに下ります。
「朝日岳」の巻道から見る火口谷は、壮大で迫力の景色。
避難小屋が見えてきました。
避難小屋前でちょっと休憩。強風で砂がバンバン顔に飛んでくるので、まぶしくないけどサングラス装着。ここはメガネかサングラス持って行くといいですね。なんならゴーグル欲しいぐらい(笑)
では駐車場へ下山しまーす。
色々すっ飛ばして、登山口まで戻ってきました!
お昼ぐらいでだいぶ曇っていましたが、まだ沢山登ってくる人とすれ違いました。凄い人気ですね~。
下山後は「峠の茶屋」で登山バッジ等を購入。11月だからもう営業していないかなと思っていたら、「11月中は営業してるよー」とお店の人が言っていました。
那須岳の感想
那須岳はとても登りやすい道が多く、景色も素晴らしかったです。百名山であること、人気の山であることがよく分かりました。長時間運転して行った甲斐がありました。
それにしても、噂に聞いていたとおり風が本当に強かったです。数か月前に登った友人は、風はあまり無かったと言っていたので、日によってかなり異なるのでしょうか。
私の中での”また登りたい山”の上位に入りました。今回は茶臼岳の噴気孔を見なかったので、次回は別のルートを通って見に行きたいと思います。
下山後に立ち寄った温泉
当初は人気の「大丸温泉旅館」に行きたかったのですが、日帰り入浴休業日だったので、安定の休暇村へ(笑)
この日使用した主な道具
THE NORTH FACE ベンチャージャケット
春や秋に持って行きやすい薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。