入笠山(にゅうかさやま)
・標高:1,955m
・所在地:長野県伊那市、諏訪郡富士見町
・「富士見パノラマスキー場」ゴンドラで標高1,800m弱まで上がれる
・一般的な登山コースの途中にある「マナスル山荘」が有名
・例年12月~3月は積雪期
「入笠山」は長野県南部にあり、伊那市と富士見町の境に位置しています。広大な入笠湿原があり、夏期は花の名山としても人気です。
山頂は360°の展望が広がり、南アルプス・中央アルプス・八ヶ岳、遠くに富士山や北アルプスも眺められます。
また、「富士見パノラマスキー場」のゴンドラを利用することで標高1,800m弱から登り始めることができ、山頂までの累積標高差は280m、距離も往復4km程度と楽ちんです(この日は利用しませんでした)。登山道も緩やかな箇所が多いので、雪山初心者にはとてもおススメの山です。
駐車場情報
この日は「富士見パノラマスキー場」のゴンドラは利用せず、標高1,480m弱の「沢入登山口」から登りました。登山口前には無料駐車場とトイレがあり、約30台位は駐車可能だそうです。なお、トイレは冬期閉鎖です。
冬の早朝は道路が凍結している危険性があるので、スタッドレス装着で気をつけて運転しましょう。
【公共交通機関で行く場合】
残念ながら「沢入登山口」までのバスは無いので、富士見駅からタクシーで向かうしかないでしょう。なお、「富士見パノラマリゾート」までは「富士見駅」から無料バスが出ています。
この日のコース
沢入登山口駐車場 ⇒ 入笠湿原 ⇒ マナスル山荘 ⇒ 入笠山山頂 ⇒ マナスル山荘 ⇒ 入笠湿原 ⇒ 沢入登山口駐車場
往復(周回)距離:7.2km 累積標高差:(上り)530m(下り)530m
標準コースタイム(夏期)は、往路1時間50分、復路1時間30分です。
※往復距離と累積標高差は概測です
※積雪時は夏期よりも時間がかかることが多いので、余裕を持った計画を立てましょう
沢入登山口駐車場 ⇒ マナスル山荘
駐車場に案内図があるのでルートを確認しましょう。
駐車場の横に沢入登山口があります。
緩やかな階段道からスタート。この日は思っていたより雪が少なかったです。
つづら折りの道に変わります。その途中に『施設名 関係者以外立入禁止 富士見町長』と謎の注意書きの建物があります。何の建物なんだろうと思いますが、単なる水道施設らしいです。
水道施設の先でつづら折りが終わり、「アカノラ山」を左から巻いて行くように登って行きます。「アカノラ山」は富士見パノラマスキー場のゴンドラ山頂駅がある山です。
ときどき電柱があったりするので、弥彦山の表参道を思い出したりします。
雪がかなり積もらなければ道迷いはしないルートですが、丁寧に標識があります。
入笠湿原手前で「法華道」と書かれた標識と分岐があります。左へ行くと入笠湿原を通らずに山頂方面へ少し近道できます。
入笠湿原方面へ向かいました。
冬期は開放されているシカゲートを通り抜けると入笠湿原に出ます。
この時季、入笠湿原は当然雪の下。
ゴンドラ山頂駅のある「アカノラ山」から下りてくる人が多かったです。
湿原へ下りる階段にはこのように隙間があるので、足を踏み外して怪我をしないように気をつけてください。
湿原を抜けて少し登ると「山彦荘」の前に出ます。なお、「山彦荘」は冬期間休業です。
「入笠湿原前トイレ」の標識方面へ進みます。
入笠湿原を上から見るとこんな感じ。湿原は雪が無いときに訪れたいですね。
入笠山周辺には案内図がポイントごとに設置されていて現在地もよく分かります。
入笠湿原前トイレがあります。冬期間は多目的トイレのみ使用できます!
しばらく雪が積もった車道を歩いて行きます。ゆるーい坂道です。
このシカゲートを通って進むと入笠山山頂方面へ少し近道です。マナスル山荘へ進む場合は、看板が出ているとおり車道をそのまま道なりに登ります。
なお、左へ進む道もありますが、そちらへ進むと「大阿原湿原」方面です。
「マナスル山荘」に着きました。
マナスル山荘はビーフシチューや焼き立てパンが美味しいと有名です。でもそれ以外も美味しいです。
また、犬と一緒に宿泊できる山荘としても有名です。この写真は山荘の現在の番犬「アジくん」。とても人懐こいです。
山荘を利用される場合は、山荘のルールに従いましょう。新型コロナ対策はWebサイトに記載してありますし、山荘前にも注意書きが掲示されているので、ちゃんと読んで利用しましょう。
きこ♪ (id:sanpo-suki)さんやそのご友人のブログでは「すずらんの里駅」から歩いて登る記録やマナスル山荘宿泊の様子などが書かれているので、気になる方はぜひ↓
山荘はまだ営業時間前でした。マナスル山荘~入笠山山頂の往復は、夏期の標準コースタイムで約1時間です。山頂で休憩する時間なども考慮し、下山してくるとちょうど開店時間ぐらいかなぁと思い、山頂へ先へ進むことにしました。
マナスル山荘 ⇒ 入笠山山頂
マナスル山荘前の駐車場。冬期間は車が入ってこないので、広いスペースがあります。ベンチもあるのでここでアイゼンを装着。雪があまり多くなかったのでチェーンスパイクでも快適に登れそうでした。
では山頂へ。
春~夏にかけてお花畑が広がるポイントも、冬期間はスキー場のゲレンデのようになります。ここでスノーシューやソリ遊びする人も。
途中で分岐がありますが、右は岩場コースで、左は岩場回避コースです。どちらから行っても山頂へ着きます。時間もほぼ変わらず。
岩場コースを進みました。
「岩場コース」と言っても、ちょっとした岩場がある程度です。どちらのコースも少しだけ急登箇所があります。
上空は雲がかっていましたが、日差しがたまに出てくると気分が上がります。
もうすぐ山頂。
入笠山山頂(標高1,955m)に到着。山頂は周囲を木々で囲われていないので、風が吹くと雪が飛ばされます。そのためあまり雪が積もりません。
入笠山山頂は360°の展望が魅力です。
すっきり晴れとはいきませんでしたが、富士山もしっかり見ることができました。
山頂には詳細な山座同定盤があるので、これを見ながら周辺の山々を眺めましょう。この日は少し曇りがちでしたが、八ヶ岳や南アルプス、中央アルプスは近いのでしっかりと眺めることができました。しばらく景色を眺めながらコーヒータイム。
入笠山山頂 ⇒ マナスル山荘 ⇒ 駐車場
景色を堪能したので下山します。下山は「岩場迂回コース」から。
すぐに分岐があり、標識に従い左の「マナスル山荘」方面へ下りました。真っ直ぐ下りて行くと「大阿原湿原」方面へ行けます。
「サルオガセ」が沢山ぶら下がっていました。友人は「とろろ昆布」と呼んでいます。サルオカゼを初めて見た時は衝撃的でした。
岩場コースと合流。
再びマナスル山荘へ戻ってきました。でもまだ開店時間前。。。
とりあえずアイゼンを外して、バックパックを外の「ザック置き場」に置きます。
ちなみに山荘営業時間中は外来でもスノーシューやソリをレンタルして付近で遊ぶことができます。
開店時間までアジくんと戯れて時間をつぶしました。
アジくんと遊ぶ場合の注意事項も記載されています。
りりしい。毛並ツヤツヤ。
慣れてくると飛びついてきたりします。とてもかわいいです。
今回、店内の写真を撮り忘れたので、せめて数年前のパン売り場の写真を...(メニューや値段など現在のものと異なります)
開店時間になったので入店。山荘内に入る際は、マスクを着用して入口にあるアルコール消毒をして、1組ずつの入店となります。山荘入口にも注意事項が記載されているので、入る前に読んでおきましょう。
有名なビーフシチューも食べたかったですが、この日はサンドイッチとクロワッサンを買って外で食べました。どのメニューもとても美味しいので、何を食べても満足できます。
ちなみにマナスル山荘前にもトイレがあり、冬期間も多目的トイレが利用できます。トイレに入る際も、アイゼンやスノーシューは外しましょう。
帰りも入笠湿原経由で帰りました。
「カゴメの森」
湿原は夏期に訪れてみたいです。
下りはサクサク進んで無事に駐車場へ戻りました。おしまい。
入笠山の感想
「入笠山」は、そのアクセスの良さと登りやすさ、山頂からの見晴らしの良さ等が魅力の雪山初心者におススメの山です。アイゼンやスノーシュー等のギアを試してみるのに適した環境が揃っています。
夏期は訪れたことがありませんが、色んな種類の花が沢山咲くらしいので、ぜひ行ってみたいと思います(そう思いながら何年も経っていますが...)。
マナスル山荘の美味しい料理もとってもおススメなので、感染予防とマナーに気をつけながら楽しんでください。
この日使用した主な道具
ペツル(PETZL) クランポン イルビス(IRVIS)
ペツルの10ポイント長爪クランポン(アイゼン)です。後ろコバがあるブーツに対応。クランポンのベイルを交換することで、前コバのあるブーツにも対応できます。
前後にコバの無いブーツの場合はこちら。
ISUKA ゴアテックス ライトスパッツ
冬用のスパッツ(ゲイター)です。Gore-Texなので撥水力が高く、ロングなので靴への雪の侵入を防げます。ストレートデザインなので足元がすっきり見えます。
SHOWA GLOVE TEMRES 02 winter ブラック
作業用グローブで実績のあるショーワグローブによるアウトドア防寒グローブ。安くて防寒性に優れています。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。冬の登山では寒くてお湯を沸かすのも辛いときが多いので、この「山専ボトル」が大活躍します。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくく、冷たい飲み物は温くなりにくい。チタン製のため軽量です。