谷川岳(たにがわだけ)
・標高:1,977m
・所在地:群馬県利根郡みなかみ町、新潟県南魚沼郡湯沢町
・日本百名山
・「谷川岳ロープウェイ」を利用して、標高1,300m位から登山を開始することができる
・例年11月~4月上旬は積雪期
「谷川岳」は山岳死者数がギネス記録になっていて、「魔の山」とか「人喰い山」、「死の山」などと言われていました。ただし、その死者の多くは戦後数十年の間に集中していて、そのエリアも一般登山道ではなく、一ノ倉岳を中心とする急峻な岩場地帯。つまりクライマーの事故が殆どです。
今回ロープウェイを利用して登った「天神尾根ルート」はほとんど危険な箇所はなく、子どもから高齢者まで登っています。
この日は麓では真夏日の暑い日でしたが、つかの間の青空と谷川連峰の壮大な景色を求めて登ってきました。
▼ロープウェーを利用しないで登る西黒尾根コースの記事はこちら▼
駐車場情報
谷川岳ベースプラザの立体駐車場に車をとめます。1,000台駐車可能らしいです。
一般車の駐車場は表ではなく、横の方から入る感じ。繁忙期には立体だけでなく屋外駐車場も開放されることがあります。
【公共交通機関を利用する場合】
・上越新幹線「上毛高原駅」から「谷川岳ロープウェイ」行バス(約50分)
・上越線「水上駅」から「谷川岳ロープウェイ」行バス(約30分)
谷川岳ベースプラザのバス乗り場。バスやタクシーは表から出入りします。
★この記事を書いている時点で、上毛高原駅からバスで1,250円、タクシーで約9,000円。水上駅からバスで750円、タクシーで約4,500円のようです。料金改定などありますので、詳細は関越交通株式会社に確認してみてください。
・上越線「土合駅」から徒歩(約30分)
”日本一のモグラ駅”として有名な「土合駅」です。上越線の下り方面ホームが地下70mにあるため、ホームから地上までかなり長い階段を登ります。なお、上り方面ホームは普通に地上にあります。
土合駅から国道291号を徒歩で30分ほど登ると、谷川岳ベースプラザに着きます。写真は、その途中で見られる「湯吹きの滝」。
土合駅から徒歩でベースプラザへ行くと、長い階段+国道歩きで登山前からちょっと疲れます(笑)
この日のコース
土合口駅 ⇒ 天神平駅 ⇒ 避難小屋 ⇒ 肩ノ小屋 ⇒ 山頂(オキの耳) ⇒ 肩ノ小屋 ⇒ 避難小屋 ⇒ 天神平駅 ⇒ 土合口駅
往復距離:7.1km 累積標高差:(上り)780m(下り)780m
標準コースタイムは、往路2時間40分、復路2時間10分です。
※ロープウェイ天神平駅を起点にした数値になっています(距離、標高差、時間)
※往復距離と累積標高差は概測です
ベースプラザ ⇒ 天神平駅 ⇒ 肩ノ小屋
谷川岳ベースプラザ。駐車場からエレベータに乗ってチケット売り場の6階へ。
ちなみにベースプラザ表入口から建物に入るとすぐに6階です。
平日で営業開始時間よりだいぶ前だったので人が少ないですが、繁忙期だと営業開始前から長蛇の列ができてたりします。
※チケット売り場横に登山届を提出する場所があるので、忘れずに出していきましょう。
売店と食堂はまだ営業前でした。バッジやTシャツなどの谷川岳グッズ、お土産、登山用品などを売っています。
また、自動販売機やトイレは沢山あります。コインロッカーも沢山あるので、自家用車以外で来られた人は不要な荷物(お風呂セットや着替えなど)を預けて登ることができます。
登山届を提出して、チケットを購入したので乗り場へ向かいます。
ロープウェイで10分ほどで天神平駅に着きます。
天神平駅に到着。早くも双耳峰の谷川岳山頂が見えます。
雪が積もると、猫キャラの顔のように見えます(笑)
さらにリフトに乗って「天神峠」まで行くことができますが、これに乗る人は観光の人が多いです。
撮影スポット。
ここから登山開始です。
序盤は緩やかな登りが続きます。
時々ちょっと登りにくい場所が出てくる程度。
途中、「田尻尾根コース」との合流地点があります。
さらにもうちょっと進むと、「天神峠」からのルートと合流します。
木道は濡れていると滑りやすいので気をつけましょう。繁忙期に来ると、木道で転ぶ人をよく見かけます。
たまにお助けロープや鎖が出てきます。
てくてく登って行くと、避難小屋が見えてきます。
熊穴沢避難小屋です。周辺はちょっと広いので休憩ポイントにしても良いと思います。
避難小屋から先はどんどん坂が急になってきます。ロープや鎖が張られた岩場も増えてくるので、ちょいちょい休憩をとるなどして息を整えながら登りましょう。
ここら辺で樹林帯を超え、日差しが強くなります。この日は気温が高かったので一気に暑くなりました。
岩場がどんどん出てきます。
肩ノ小屋とケルンが遠くに見えました。
「天狗の留まり場」と呼ばれるごっつい岩があります。
「天狗の留まり場」は右から巻いて行きます。裏側から乗ることができるので、空いていれば乗ってみましょう。
「天狗の留まり場」からの見晴らし。
暑いので休憩ばかりとっていたら、いつの間にかガスが...
「やばい、早く登らなきゃ」と思って急ぎますが、暑さでペースが上がりません。
すぐに諦めて景色を撮る(笑)
「ザンゲ岩」。
「肩ノ小屋」手前は階段が続きます。
「肩ノ小屋」に到着しました。
山頂方面はガスで真っ白だったので、しばらく肩ノ小屋で休憩がてら時間をつぶしました。
肩ノ小屋周辺にはベンチがいくつか設置されています。
小屋裏にはトイレがあります。利用料は100円だったかな。
小屋の中。てぬぐいやバッジ、飲料などが売られています。飲料は冷蔵庫で冷えてます(暑い日はとてもありがたいです!)。
ちなみに予約すれば宿泊もできるようです。4月下旬~11月上旬まで営業しています。それ以外の冬期間は営業していませんが、避難小屋スペースのみ利用できます。
「万太郎山」方面を眺めながら休憩。
肩ノ小屋 ⇒ 谷川岳山頂
しばらく待ってみましたがガスがなくならないので、諦めて山頂へ向かいます。肩ノ小屋から「オキの耳」までは標準コースタイムで20分位です。
谷川連峰の山々の下に関越トンネルが通っています。
ガスガスだったので「トマの耳」はスルー。後で写真撮ろうと思っていたのですが、忘れたまま帰ってしまいました(笑)
そのまま「オキの耳」へ向かいます。
トマとオキの間にある大きな岩。
巻き道を通ります。
谷川岳山頂「オキの耳」(1,977m)に到着です。ガスで周囲の景色皆無...
ガスがなくなるのを期待して、オキの耳のもうちょっと先まで行ってみます。
鳥居が見えてきます。
「富士浅間神社奥の院」です。お参りしていきます。
その後、お昼ご飯食べたり、一ノ倉岳方面に少しブラブラしたりして時間つぶし。
そして、1時間ほど粘った甲斐があって青空の山頂(オキの耳)です!
やはり青空はいいですね~。さっきまで少なかったのに、急に人が増えてきました。しかもなぜか外国人ばかり(笑)
体力と時間に十分余裕があって、天気が良ければさらに奥の一ノ倉岳と茂倉岳に行ってみるのも良いです。(晴れていれば)素晴らしい景色が続きます。オキの耳~茂倉岳は、コースタイムで往復2時間半です。
谷川岳山頂 ⇒ 天神平駅 ⇒ ベースプラザ
青空の山頂に満足したので下山します。
「トマの耳」標柱の写真を撮り忘れたまま下山...
谷川岳に来ると撮りたくなるケルン。
ここでも青空を期待して待ってみましたが、なかなかすっきり晴れてくれませんでした。歩いてる時間より待機時間の方が長いような気がしてきました(笑)
西黒尾根から登ってくる人も結構いました。晴れている日の「西黒尾根コース」は絶景です。「天神尾根コース」よりも体力と技術が必要ですが、ある程度山に登り慣れている中級者以上の人はぜひ登ってみてください。
なお、つるつる滑る蛇紋岩が沢山あるので、西黒尾根からの下山はおススメしません。下山は「天神尾根コース」からロープウェイか、「田尻尾根コース」がいいと思います。
この日は平日の暑い日だったのに、沢山の人が登っていました。さすが全国的に人気の山ですね。
混雑日は岩場やガレ場でよく渋滞が発生しますが、この日はスイスイ下山できました。
下山時の木道で滑って転んでる人をよく見かけるので、気をつけてください。
ロープウェイ駅が見えました。
天神平駅に到着です。きれいな青空。
山頂方面を振りかえると、あいかわらずそこだけ雲がかっていました。下山すると晴れている”山あるある”はこの日は発動せず。なぜかちょっとホッとする性格の悪い奴(笑)
ロープウェイ駅横に洗い場があるので、靴が汚れていたら洗いましょう。
この後、観光客に囲まれながらロープウェイで楽々下りました。この乗車券はこの日寄る温泉の割引券になるので大切にしまいました。
谷川岳(天神尾根コース)の感想
天神尾根コースはロープウェイで標高1,300m位からスタートできる、谷川岳で最も手軽で人気のあるコースです。登山道はすごく登りやすいというわけではありませんが、ある程度山に登っていて、体力のある人なら初心者でも登れます。
この日はガスであまり良い景色ではありませんでしたが、晴れていれば絶景を楽しむことができる素敵な山です。ただし天気は急変しやすく、暴風雨になるととても厳しい山になります。天気の良い日に早めにスタートすることをおススメします。
なお、紅葉シーズン休日はロープウェイに長蛇の行列ができるほど混雑し、登山道も渋滞します。ベースプラザにも早めに到着すると良いですよ!
下山後に立ち寄った温泉
お気に入りは「ホテル湯の陣」です。露天風呂は気持ちいいし、食事もできるし、休憩場所もあるし、お土産も買えます。
その他よく立ち寄る場所
「菓子工房 大とろ牛乳」は暑い時期の下山後によく寄ります。牛乳プリンのようなシャーベットのようなスイーツです。フルーツのトッピングがおススメです。駐車スペースが激狭なのが難点。
この日使用した主な道具
Black Diamond ストームライン ストレッチレインシェル
高山では夏でも気象によって寒くなることもあるので、1枚かるく羽織れるジャケットを持って行くことをおススメします。
サロモン TRAILBLAZER20
超軽量バックパックです。夏の日帰りトレッキングの場合は、コンパクトで軽量な装備で行くと楽です。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。暑い日は氷を沢山入れて持っていきます。
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ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
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