燕岳(つばくろだけ)
・標高:2,762m
・所在地: 長野県安曇野市、大町市
・新日本百名山
・山頂手前の燕山荘は、”泊りたい山小屋No1”に選ばれるほど人気
・例年登山適期は5月~10月
「燕岳」はその山容の美しさから”北アルプスの女王”と言われ、多くの登山者を魅了しています。また、山頂手前にある燕山荘(えんざんそう)は”泊りたい山荘No1”に選ばれるほど人気です。
燕岳への登山者だけでなく、大天井岳や槍ヶ岳等への「表銀座」縦走で利用する人も多く、休日前は中房温泉付近の駐車場は前日から大混雑します。
毎年のように燕岳に登っていましたが、今年はまだだったので紅葉で混雑する前に登ってきました。
駐車場情報(安曇野市燕岳駐車場)
中房温泉手前にある「安曇野市営駐車場」に車をとめます。登山口に近い順に、①第1駐車場(約50台駐車可)、②第2駐車場(約40台駐車可)、③第3駐車場(約30台駐車可)と3つあり、合計で約120台駐車できます。なお、混雑期には前日迄に第3駐車場まで満車になることもあります。
※駐車場までの長野県道327号は、一部すれ違いの困難な道幅があります。対向車やスピードの出し過ぎ、落石に注意して走行してください。
▼公共交通機関でのアクセスも含めて、燕山荘の下記ページに詳しく書いてあります。
この日のコース
駐車場 ⇒ 中房温泉登山口 ⇒ 合戦小屋 ⇒ 燕山荘 ⇒ 燕岳山頂 ⇒ 北燕岳山頂 ⇒ 燕岳 ⇒ 燕山荘 ⇒ 合戦小屋 ⇒ 登山口 ⇒ 駐車場
往復距離:11.0km 累積標高差:(上り)1,500m(下り)1,500m
標準コースタイムは、往路4時間30分、復路3時間15分です。
※往復距離と累積標高差は概測
駐車場 ⇒ 合戦小屋
前日21時頃に第1駐車場へ到着、車中泊しました。到着した時点で第1はほぼ満車で焦りましたが、何とか駐車できました。
翌日5時半頃に駐車場から出発し、道路を歩いて中房温泉へ向かいました。
「中房温泉登山相談所」。ここで登山計画書を出していきましょう。事前に下記からダウンロードして提出したり、記入して持参したりすることもできます。
中房温泉です。建物の前にトイレとテーブル・ベンチがあるので、ここで最終準備をします。
登山口です。ここからスタート。
合戦尾根ルートは”北アルプス三大急登”と言われるだけあって、序盤からぐいぐい登って行きます。
でも多くの人が言うように、北アルプスにはもっと沢山の急登があるので、三大に入るほどではないかなと思います。
登山口からコースタイムで40分ほどで第1ベンチがあります。近くには水場もあるようです(一度も利用したことが無い)。
合戦小屋までの間に、第1~3ベンチと富士見ベンチの4か所休憩ポイントがあります。各ベンチ間のコースタイムはだいたい40分間隔らしいです。
合戦小屋への荷揚げ用ケーブルが頭上を通る道には、単管パイプで防護柵が組んであります。万が一落下して直撃したら大変ですもんね。
第2ベンチ。
大きな段差の登りが続いていたので、なだらかな道は天国に思えます(笑)
第3ベンチ。空いていたのでちょっと休憩。
富士見ベンチ。
空が澄んでいればここから富士山が見えるのかな?今まで一度も見えたことがありませんが...
富士見ベンチを過ぎると、大きな岩が増えてきます。
合戦小屋まであと10分。
あと5分。カウントダウン(笑)
賑やかな声が聞こえてきました。
合戦小屋に到着です!多くの人が休憩する中間地点です。
合戦小屋は休憩のみで宿泊できません。
名物のスイカはもう終わってました...代わりに「おしるこ始めました。」(笑)
トイレもあります。100円を入れてから利用しましょう。
ベンチが空いたので、麓の景色を眺めながら少し休憩。
合戦小屋 ⇒ 燕山荘
では山頂方面へ進みます。合戦小屋から燕山荘までは割と楽です。
少し登ると頭上が開けてきます。そして左手には「大天井岳」や「槍ヶ岳」等が見えてきます。
「雷鳥は山をきれいにと鳴いている」の看板の前にゴミが落ちていたので拾いました。
秋の訪れを感じました。紅葉の時季は混むのでしょうが、一度見てみたいです。
燕山荘と燕岳もハッキリと見えてきました。
青空も出てきて気分がさらに上がります。
初めて燕岳を登った初心者の頃は、燕山荘手前の階段でヘロヘロになったもんです。余裕で登れるようになった自分がちょっと嬉しかったり。
ちなみに燕山荘手前の道は夏道と冬道で異なりますが、夏道を通るのは初めてでした。こっちから行くのか~と新鮮に感じながら歩いていたら、
燕山荘の前に出ました。冬道は裏から回り込む感じ。
そして右手奥にそびえる燕岳。やっぱり美しい。
そして北アルプスの大パノラマ。
燕山荘 ⇒ 燕岳 ⇒ 北燕岳
燕山荘は後で寄ることにして、まずは燕岳に向かいました。燕山荘からすぐ近くのように見えますが、往復コースタイムは1時間ぐらいです。
イルカ岩と槍ヶ岳。
燕岳には様々な形の奇岩があるので、それを見ながら登るのも楽しいです。
メガネ岩。
山頂手前で階段と分岐があります。巻き道はここを左へ行き、燕岳山頂は階段を道なりに登ります。
階段を登って行くと燕岳山頂に到着!標高2,762mです。山頂標識は地味です(笑)
山頂から眺める景色がまた素晴らしいです。燕山荘とその先の表銀座コースの稜線。
槍ヶ岳はついつい撮ってしまいますね~。
時間に余裕があったので、奥の北燕岳にも行きました。燕岳~北燕岳は往復コースタイムで30分です。
山頂手前の分岐で間違わないように気をつけましょう。
最後に岩場をよじ登って北燕岳に到着です。標高は2,723m。標識や三角点がないので、ここが山頂?とちょっと拍子抜けする感じ(笑)
でも北燕岳からの見晴らしもいいです。
北燕岳まで来る人はそれほど多くないので、ここでまったり景色を眺めながら休憩しました。
北燕岳 ⇒ 駐車場
では燕山荘へ戻ります。
燕岳は山頂を通らずに巻き道で通過しました。混んでるしね。
燕岳山頂手前の分岐で元の道に合流。
燕山荘に到着。山男の像は山荘入口に移動してました。
燕山荘でランチを食べてから下山しようかと思っていましたが、ランチ営業開始の11時までだいぶ時間があったので諦めました...ビーフシチューやケーキなど、山荘とは思えないクオリティの高いものが食べられるのでおススメです。
先述したように、燕山荘は”泊りたい山荘No1”に選ばれるほど人気なので、宿泊もおススメです。私も宿泊したことがありますが、食事も美味しかったですし、天気が良かったので日の入りや夜景、日の出の景色が素晴らしかったです。
※燕山荘は人気のため予約必須です。宿泊する場合は、事前に燕山荘のWebサイトから予約しましょう。できれば混雑期を避けて、比較的空いている時期に宿泊するのをおススメします。
山頂アタックの時にバックパックをデポしたい人は、ここのスペースに置いて行くことができます。
※貴重品は必ず携帯しましょう
テント場は人気の割にちょっと狭く、MAX40張です。写真を撮った時はちょうどほとんどの人が撤収した後だったので空いていましたが、夕方にはこれから登ってくる人達のテントで埋め尽くされたことでしょう。
※2022年現在、テント場も完全予約制です
表銀座方面。ゴリラ岩もちらっと見えます。
燕山荘のランチは諦めて下山します。
下山はピストン。来た道をそのまま下りました。
合戦小屋でトイレをお借りしてちょっと休憩。
途中でお腹が空いてきたので下山は飛ばし気味に(笑)
無事に駐車場に戻ってきました。おしまい。
燕岳の感想
燕岳は毎年のように訪れるほど好きで、とても素敵な山です。登りやすいし、景色はいいし、燕山荘も快適だし。例年は残雪期に訪れていましたが、雪が無いときの燕岳もとても良かったです。
初めて訪れる方には、ぜひ天気の良い日に燕山荘に宿泊して、夕日や朝日、それに照らされた北アルプスの壮大な景色を楽しんでほしいです。あと夜景も。体力があれば、表銀座を縦走して大天井岳まで行ってみるのもおススメです。
下山後に立ち寄った温泉
登山口にある「中房温泉」の露天風呂もとてもおススメですが、この日は帰路途中にある「有明荘」に寄りました。内湯と広めの露天風呂があります。
靴の洗い場やバックパック置き場もあります。
温泉で汗を流した後は、燕山荘で食べそこなったランチを食べに食堂へ。山賊焼き定食、美味しかったです。
この日使用した主な道具
THE NORTH FACE ベンチャージャケット
春や秋に持って行きやすい薄手の軽量ジャケットです。ちょっと雨が降った時もこれでしのげます。
BLACKDIAMOND(ブラックダイヤモンド) クラッググローブ
岩や木々を掴むような急坂が多い山では手を保護できるしっかりとしたグローブがあると良いです。
THERMOS(サーモス) 山専用ステンレスボトル900ml FFX-900
暖かい飲み物、冷たい飲み物を長時間保温できる最強の水筒。沸騰させたお湯を入れて行けば、バーナーを持って行かなくても山でカップ麺や温かい飲み物を楽しめます。
snowpeak チタンダブルマグ 300 フォールディングハンドル
ダブルウォール構造で熱を伝えにくくなっており、温かい飲み物は冷めにくい。冷たい飲み物は温くなりにくく、結露も出にくい。チタン製のため軽量。
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
簡単にONとOFFを切り替えられ、カラビナもついているので便利です。音はガチャガチャしておらず、余韻の残る澄んだ音色です。